城山三郎さんが亡くなったことから書店には追悼本が並ぶようになっています。
その中で目に入ったのが「指揮官たちの特攻」と「硫黄島に死す」でしたので土日の休日に二冊立て続けに読み終えました。
城山さんは綿密な取材の上に書いた作家と言われているので、書かれている内容はほぼ事実に近いものであろうと推測されます。
戦争という現実にあって、戦場にあった若者たちがどう生き、そしてやむなく死んでいったのかという重い事実にあらためて圧倒されてしまいました。
私も含め戦後生まれの人たちは、戦争中に散っていった若者たちの願いをもっと知るべきで、現在の平和は彼らの犠牲の上に成り立っていることをもっと認識すべきだと思いました。
戦後教育の中では特攻隊は尊敬というより、狂信的な行為として取り上げられていたように覚えています。
ごく一般的な若者たちが戦争という狂気に巻き込まれ、やむなく志願していったという事実は日本人として伝え続けていかなければなりません。
その意味でも貴重な本だと思います。
日曜日には映画館に行って「俺は、君のためにこそ死にに行く」という映画を観たのですが、特攻場面では涙が止まりませんでした。
映画が終わると館内が万雷の拍手でしたので、来場者のほとんどが感動したのだと思います。