大連出張でオフィスからホテルへ車で向かっている途中で突然の雪に出合い、あちこち道路上で車がスリップして衝突している状況になってしまいました。
当然ですが信号という信号で渋滞をしていましたので、車を地下鉄駅近くに止めて地下鉄でホテルに向かうことにしました。
私は日本で地下鉄には何度も乗っていますので、車を運転してくれていた大連アラヤの社員には一人でホテルに向かうと言ったのですが、社員が必死に一人で行ってはダメだと止めました。
しかたなく彼が車を駐車させて地下鉄の駅に来るまで待ち、切符を彼に買ってもらい、付き添ってもらいながら地下鉄に乗ってホテル最寄りの駅まで行ったのです。
後で聞いたところによると、大連アラヤの総経理から中嶌を絶対無事にホテルまで届けるように指示されていたとのことでしたので、私が一人で行こうとしたのは自分勝手だったようです。
ホテル最寄りの駅を出ると一面雪景色で歩道にも雪が積もっていましたので、普通の靴を履いていたこともあって滑る危険性がありました。
すると彼はあたりまえのように私の脇を支えるように持ちながら、駅からホテルまでの1キロを歩いてくれました。
途中で「大丈夫だから」とも言ったのですが、一度も脇を支える手を離すことはなくホテルに届けてくれました。実際に一度だけツルっと靴が滑ったのですが、彼が支えてくれていたので倒れずに済んだのです。
今までの人生の中で、人を支えたり手を引いたりしたことは何度もありましたが、自分が人に支えられたのは初めての経験でした。
中国では年齢は数え年ですから、73歳の老人が雪道を歩くなら若者が支えるのが当然なのだそうです。そう言われて若干ですが落ち込む私がいました。