今年の春頃から今日までを振り返ってみると、お会いした若い人の中に起業をしたいという希望を持っている人が多かったことに気づきました。
もちろん最初にお会いしたときから起業の話をする人はいませんが、少し話が進んで親しく感じるようになってから「ところで起業をしたいと思ったことはありますか?」と聞くと、思いのほか高い比率で起業をしたいとか考えたことがあるという答えが返ってきます。
もしかするとライブドア事件による起業に対する負の影響が払拭されつつあるのかも知れません。
日本で起業して成功し目立つ存在になると国税庁が来るか地検特捜部が来るので、起業するならシンガポールか香港でという流れがありましたが、少しライブドアショックも風化してきたようです。
いろいろな考えを持った人たちが、あらゆるビジネスプランを具現化するために起業するということがなければ、日本の将来は暗澹としたものになってしまいます。
アジア各国、アメリカなどを見ても、新しい会社が目覚しい発展を遂げ多くの雇用を実現しているだけに、起業という大事な行為が再度ブームになってくれることは喜ばしいと思います。
起業してから5年目まで生き残る確率は10000分の3程度だと言われていますので、ほとんどの起業は失敗するのですが、数多くの起業がなければ世界との競争に負けてしまうことは確実です。つまり古くて大きい企業だけに頼る世界と、新興企業が数多く発展する世界との競争では最初から勝負が見えているからです。
大学卒業後、就職希望先のランキングを見ると、金融機関、大手商社、大手メーカーだそうですが、本当の一番は公務員だという現実。
若い人が日本の将来に閉塞感を感じ、漠然と感じている衰退をするであろうという不安感は、こんなところが原因なのではないでしょうか。