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問題解決ガイドのひとりごと。



佐々淳行さんの著書を3冊買って読み始めていますが、「重大事件に学ぶ・危機管理」を読み終えました。
さすがに危機管理の専門家だけあって参考になる危機管理上の教訓がギッシリ詰まっている本でした。
エピソードの中で特に強く心に残ったものがありましたのでご紹介します。

あのサリン事件は地下鉄霞ヶ関駅周辺で起こりましたので、多くの被害者達は救急車で聖路加病院他7つの病院に運ばれました。どの病院の医師、看護婦も初めて診る患者の様子に戸惑ったそうですが、派遣されてきた自衛隊中央病院の青木医官は症状を診てサリンであると日野原院長に進言。同時に信州大学付属松本病院の柳沢院長からも日野原院長宛に電話でサリンであると連絡があったそうです。日野原院長はすぐに自衛隊と相談して特効薬「パム」を自衛隊の衛生補給処から各病院に届けさせ、日野原院長は自ら各病院に電話を入れ「パム」を注射するよう要請したので、各病院ともあの日野原先生の指示だからと躊躇無く処置できたという。
あんなに大きな事件であったにもかかわらず12名の犠牲者ですんだ背景に、日野原院長の適切な判断と実行力があったことをこの本で初めて知りました。 90歳代になっても現役の医師として活躍していらっしゃるお姿をテレビでよく見ているのですが、こんな偉大な方であったのかと尊敬の念を新たにしました。

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