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関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ utsuboの音楽遍歴-5(最終回) (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-5(最終回) (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
2002/01/25UP
すこし追加しました。
Vol.1~4もすこし追加しました。
※goo blogの仕様変更により、現在動画埋め込みリンクのサイズがまちまちになっています。
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1986年春。大学卒業、そして就職。
バブルに向かい景気は昇り調子だったが、新入社員ということもあってしばらくは音楽から距離を置く状況がつづいた。
'80年代中盤以降、洋楽シーンは、ハウス・ミュージック(house music)、トランス(Trance)、ガラージュ(Garage)、ジャングル(Jungle)、ドラムンベース(Drum 'n' Bass)、2ステップ(2 Step Garage)など、ブレイクビーツ系とみられるジャンルがめまぐるしく輩出し、Pop Music/Black Musicといった既成の区分で捉え切れないものになっていた。
仕事にも慣れ、ひと心地ついた頃いくつかかじってみたが、どうもしっくりくるものがなかった。
「もう、洋楽チャートを追っていても面白くない・・・。」 それが偽りのない実感だった。
もともと音楽の聴き方が「流行を追う、最新のものを追う」というものではなかったので、シーンを離れることになんら抵抗はなかった。
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註:ブレイクビーツ系ジャンルが音楽的によくないとか、価値が低いとか、そういう意味ではありません。これだけ広く深く浸透したのはそれだけの理由があるはず・・・。
ただ、わたしは個人的に入り込んでいけなかったということです。
洋楽・邦楽ともにこの系統は深く聴いていないので語る資格はないですが、たとえば、女性Voをfeat.してセツナ系佳曲を繰り出している、WISE、CLIFF EDGE、童子-Tなど、たぶんブレイクビーツの洗礼を受けなければこういう曲はつくれなかったと思う。(Rapのなかで女性Voの活かし方を知っている。)
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↓メロディー的にはひさびさに'80年代前半的なイメージを感じた1998年の大ヒット曲。
でも、ボーカルエフェクトやリズム構成は、往年とは明らかに質の異なるもの。
■ Cher 「Believe」 (1998)
1988~90年にかけて、しばらく音沙汰のなかったAORやFusion系の大御所があいついで新譜をリリース。いずれもそれなりのレベルだったが、残念ながら往年の勢いは感じられなかったし、リバイバルブームも長くはつづかなかった。
以降、1995年くらいまで、洋楽ジャンルではBCMやSmooth Jazzなど、いわゆるAC(アダルトコンテンポラリー)とよばれるジャンルに逃げ込んでいた。
DAT(デジタルで録音できるテープ)をゲットしていたので、レンタル店まわりはつづき、これまでに聴き逃した旧譜やAC系の新譜をダビングしまくっていた。
■ Bobby Caldwell 「Heart Of Mine」 (1988)/ '80年代後期AORリバイバルの例
■ Russ Freeman & The Rippingtons 「True Companion」 (1994)/ AC(Smooth Jazz)の例-1
■ Tim Heintz 「Together At Last」 (1989)/ AC(Smooth Jazz)の例-2
■ Miki Howard 「Shining Through」 (1992)/ BCM(Lady Soul)の例
そんななか、興味を惹かれたのが1988年にALBUM『Watermark』で日本デビューしたEnyaだった。
Progre/Euro系の流れで、彼女が一時参加していたグループ”Clannad”のLPは何枚かもっていたが、このSoloアルバムはさらにメロディアスでヴォーカルが主役となるものだった。
そういえば、Kate Bushをはじめプログレバンド”Renaissance”/”ILLUSION”のリードヴォーカルAnnie HaslamにMike Oldfieldの作品に参加していたMaggie Reilly、そしてMike Oldfieldの妹Sally Oldfieldなどが好きだったので、もともとEnyaを好む素地があったのだと思う。
■ Mike Oldfield(feat.Maggie Reilly) 「Five Miles Out」 (1982)
■ Illusion(Annie Haslam) 「Face of Yesterday」 (1977)
■ Enya & Clannad 「An tÚll」 (1981)
■ Enya 「Caribbean Blue」 (1991)
彼女らは共通して、US系の女性Artistにはない清楚なヒーリング感をもっていた。
そして調べてみるとアイルランド・ケルト系のArtistが似たような雰囲気の作品を発表していることを知る。
オフィス帰りによくのぞいたレンタルCD店「神保町Janis」でこの系統のCDが充実しているのをいいことに、片っ端から聴きまくった。
■ Celtic Woman 「A New Journey - You Raise Me Up」
Altan、Capercaillie、Mary Black、Lunasa、Maire Brennan、Loreena McKennitt、Meav、The Corrs ・・・。
とくに、澄み切ったハイトーンのMichelle Tumes、Meav、Melanie Rossなどはよく聴いたし、新譜もほとんど買った。
■ Méav Ní Mhaolchatha 「I Wish My Love was a Red Red Rose」 (1998)
■ Sissel Kyrkjebø 「You'll Never Walk Alone」 (2002)
■ Melanie Ross 「Hodie Cristus Natus Est + Angels Of Ordinary Times」 (2002)
1996年、Sarah Brightman&Andrea Bocelliによる「Time To Say Goodbye」が大ヒット。
いささか情感過多な感じがしないでもなかったが、クラシックのエッセンスをとりいれた流麗なメロディはインパクトがあった。
■ Sarah Brightman&Andrea Bocelli 「Time To Say Goodbye」 (1996)
クラシックとポピュラーミュージックをクロスオーバーしたこの手の音楽は以降「Classcal Crossover(クラシカル・クロスオーバー)」と呼ばれ世界的に人気を集め、Sarah BrightmanのほかCharlotte Church、Hayley Westenraなどがメジャー入りを果たした。
邦楽では本田美奈子が'90年代からミュージカルに進出し2003年にClasscal Crossover的なALBUMをリリース。同年末には平原綾香がホルスト(G. Holst)の組曲「惑星」の印象的なメロディを原曲とした「Jupiter」をブレークさせる。
2006年秋川雅史「千の風になって」の大ブレークにより日本でのClasscal Crossover人気は決定的なものとなった。
ケルト系Artistもクラシックをふんだんにとり込んでいたので、ケルト系とClasscal Crossoverは自分のなかで違和感なく混ざり合った。
それらはのちに「ヒーリング・ミュージック」と称されるものだった。
(2007年に「ヒーリング・ミュージック」についておかきこしてたので(忘れてた ^^ )、一応、リンクしときます。)
音楽情報ゲットの方法も大きく変わった。
非メインストリームのACやヒーリング系の情報はマスメディアではあまり得られず、'80年代から読んでいた月刊誌「ADLIB」に頼ることとなった。「ADLIB」情報をもとに中古盤屋やレンタル店でソフトをゲットするという状況が2000年頃までつづいたと思う。
2000年に入りWebの常時接続を導入。従量課金を気にせず思う存分Web閲覧できるこの環境は画期的で、これを境にわたしの音楽情報ツールは一気にPCに移行した。
こうしたこともあっていつしか「ADLIB」は買わなくなったが、2010年4月にこの雑誌は休刊に入っている。
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Vol.3に書いたとおり、大学までのわたしは間違いなく洋楽志向だったと思う。
むろん、達郎、サザン、Yuming、角松敏生、佐野元春、杏里などビッグネームはふつうに聴いていたし、さりげに松田聖子(とくに初期のLP)なんぞも好きだった。
いま、「シティポップ」として再評価されている一群のArtistもひととおりは聴いていた。
でも、もっている音楽ソフトを見渡すとそのほとんどが洋楽・・・。
私的に「洋楽が面白くなくなった」1985年頃から、ぼちぼち腰を据えて邦楽を聴くようになったような気がする。
そして、そのほとんどが女性Artistだった・・・。
■ 今井美樹 「空に近い週末」 (1989)
1986年春に初シングルをOn Sale、翌年早くも「野性の風」のヒットを放ち音楽活動を軌道に乗せた今井美樹。綺麗なハイトーンヴォイスと流れるような旋律は、メロディに飢えていた耳に染み渡るようだった。
以降、今井美樹は相当聴き込み、LIVEにもたびたび行った。
■ 今井美樹 「The Days I Spent With You」 (flow into space LIVE MIKI IMAI TOUR '93より)
今井美樹屈指の名曲。
■ 渡辺美里 「Teenage Walk」 (1986)
1986年にリリースされた渡辺美里の「My Revolution」&「Teenage Walk」(ともに小室哲哉の作曲。)のメロディは斬新だった。
小室氏が後にあれほどのビッグネームになるとは当時は想像もしなかったが、「なんでこんなにフックのあるメロディがつくれるのか・・・?」と不思議に感じたことを覚えている。
1989年、PRINCESS PRINCESSの「Diamonds」「世界でいちばん熱い夏」がブレーク。ブライトにはじける曲調は、Pop-Musicの楽しさを呼び覚ましてくれた。
■ PRINCESS PRINCESS 「世界でいちばん熱い夏」 (1989)
これまではプログレハード、AORやブラコンをメインに聴いていたこともあって、どちらかというと男性ヴォーカルが多かったが、このあたりから女性ヴォーカルに傾倒していくことになる。
これは邦楽もそうなのだが、男性Artistがどちらかというとhip hopやブレイクビーツなどリズム主体の作風に振れていたのに対し、女性Artistはメロディアスな曲を多くリリースしていたことが大きいと思う。
(ex.小室哲哉が絡んだ女性Artistはよく聴いていたが、TM NETWORKはあまり聴いていない・・・。)
■ ZARD「二人の夏」 (1993) ※一部のみ
・栗林 誠一郎作曲の名曲。
■ 辛島美登里 「地図のない地球」 (1997)
考えてみると、男性ヴォーカルにしてからがJon Andeson、David Pack、Michael McDonald、Steve Perry、Jason Scheff 、Peter Cetera、Christopher Crossなどが好みだったので、もともとハイトーン・ヴォイス好きだったのだと思う。
AC系はいまでも聴いているが、そんなこんなで1996年頃からはヒーリング系の比重が一気に高まってきた。(ま~、ACもヒーリング的要素は多分にあるが・・・。)
ここからは別記事→「黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)」と内容が重複するので、よろしればそちらも・・・。
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そして1993年頃から小室哲哉の活動がメジャー的にブレーク。
わたしは「ハイトーンJ-POP(女神系歌姫)」の種は小室哲哉がまいたと思っているので、年表風にまとめてみた。
(なお、ハイトーンでメロディアスな曲調をもつ女性J-POPを「ハイトーンJ-POP」、それらにかかわる女性Artist達を「女神系歌姫」と勝手に銘打ち(~~)、以降、このブログでキーワードとしてつかっていきます。)
<小室系>
1993年 trf「寒い夜だから…」
1994年 篠原涼子「恋しさと せつなさと 心強さと」、trf「BOY MEETS GIRL」
1995年 華原朋美・安室奈美恵プロデュース
1996年 globe「DEPARTURES」、安室奈美恵「Don't wanna cry」、華原朋美「I'm proud」
1997年 安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」、華原朋美「Hate tell a lie」
1998年頃からPOP色をよわめ、実験色をつよめる。その理由はいろいろ憶測されているのでここでは触れないが、これに替わるような絶妙のタイミングで”非小室系”といわれる才能がつぎつきと開花しはじめる。
■ 華原朋美 「I'm proud」 (1996)
小室哲哉がPOP系楽曲で生彩を失いはじめた1998年にMISIA・宇多田ヒカル・浜崎あゆみなどがあいついでデビュー。
次いで倉木麻衣・小柳ゆき・鬼束ちひろ・倖田來未・水樹奈々などがデビューしてブレークを重ねる。
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個人的には、2001年に「涙そうそう」をブレークさせた夏川りみの存在も大きかった。
夏川りみの声をはじめて聴いたのはたしか、水戸黄門の合間に流れていた松下グループのCM Song「この星を感じて」だったと思う。
ハイトーンが綺麗に伸びるそのボーカルは強烈なインパクトがあり、画面の下に出ていた”夏川りみ”というクレジットを頼りにCDをさがしたが、その当時はまったくのマイナーで、ごく一部の大手CDショップでシングルが見つけられただけだった。
メジャーデビューからの「南風」(2002/3)、「てぃだ~太陽・風ぬ想い~」(2002/9)、「空の風景」(2003/3)、初期3枚のALBUMのできは抜群だった。
沖縄独特の音階や歌いまわしはそれほど強く出ておらず、さらりと明るい曲調に彼女の伸びやかなハイトーンが乗る内容は、まさに「ヒーリング・ミュージック」そのものだった。
この頃まではLIVEにも何度か行った。
■ 夏川りみ 「芭蕉布」
だが、「風の道」(2004/9)あたりから次第に作風が変わり、初期のさらっと明るい曲風は姿を消して、重厚なバラード主体の楽曲が増えた。
振り返ってみると、2007年9月に↑の変化についてのブログ記事を書いているので、やはり相当気に入っていたのだと思う。
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<非小室系>
1998年 MISIAデビュー、宇多田ヒカルデビュー、浜崎あゆみデビュー
1999年 倉木麻衣デビュー、小柳ゆきデビュー
2000年 鬼束ちひろデビュー・「月光」、倖田來未デビュー、水樹奈々デビュー、浜崎あゆみ「SEASONS」、倉木麻衣ブレーク
2001年 夏川りみブレーク・「涙そうそう」
2002年 浜崎あゆみ「Voyage」
2003年 平原綾香デビュー・「Jupiter」
2004年 加藤ミリヤデビュー、倖田來未ブレーク、KOKIAメジャー化、川江美奈子ソロデビュー
2005年 水樹奈々、オリコンで声優単独名義の当時の最高位(2位)獲得、Yuna Itoデビュー・「Endless Story」、志方あきこメジャーデビュー
2006年 綾香正式デビュー・「三日月」、mihimaru GTブレーク、藤田麻衣子デビュー、タイナカ彩智デビュー・「最高の片想い」、竹仲絵里「サヨナラ サヨナラ」、西野カナSMEレコーズと契約締結
■ 鬼束ちひろ 「流星群」 (2002)
■ 加藤ミリヤ 「True」
■ Yuna Ito 「Endless Story」(2005)
■ 絢香 「三日月」 (2006)
■ 竹仲絵里 「サヨナラ サヨナラ」 (2006)
2003年には平原綾香がクラシカル・クロスオーバー的にデビュー&ブレークし、翌2004年には加藤ミリヤがデビュー、KOKIAがメジャー化と、ほとんど切れ目がない。
2005年には水樹奈々がブレークし、声優系シンガーが注目を浴びる。
特筆すべきは2006年で、内容は↑のとおりだが、ハイトーンJ-POP(女神系歌姫)が一気に芽を吹いた感じで「女神系歌姫元年」ということができるかもしれない。
■ 川江美奈子 「ララバイ」 抜群の作曲能力!
■ 西野カナ 『もっと...(short ver.)』 (2009)
曲構成もアレンジもテクニカルな渋~い名曲。
オリコンチャート6位、レコチョクウィークリーチャート1位。マスメディアとWebの視聴層のレベル差を物語るもの。
彼女たちの曲はメロディを重視し、ハイトーンが伸びる綺麗な声質と、しっかりとしたテクニックを備えていた。
「ひょっとして1990年代後半にアイルランドで起きたのと同じようなことが、J-POPでも起きているのではないか。そしていずれJ-POPのレベルはアイルランド(ケルティック・ウーマン)を凌ぐのでは・・・?」と思いはじめたのが2003年頃。
そのひとつの根拠は楽曲のレベルがとても高くなってきたことだ。
J-POPは、サビメロだけでもたせる水増し的楽曲が目立った時期もあった。
ところが、とくに小室ブーム以降、曲じたいの魅力の高いものが増えてきた。
これみよがしのサビメロではなく、微妙にフックのあるメロを紡いでいくというような繊細かつテクニカルな曲が増えてきた。(ブレイクビーツ系の影響もあると思う。)
こういう曲をこなすには歌唱力が必要だが、そういう才能が輩出したこともその背景にあると思う。
■ 藤田麻衣子 「見えない月」 (2008) ※卓越した作曲&アレンジメント力。
個人的にはABBAを出し、その後もThe Cardigans、ACE OF BASEなどの人気グループを輩出して、日本でも人気のあるSwedish Pop(スウェーデンのPOP)よりはるかに魅力を感じる。(ちなみにスウェーデンは世界屈指のPOPミュージック輸出国。)
「アイルランド(ケルティック・ウーマン)を凌ぐ」という背景には、アイルランドはクラシックやスタンダードをモチーフにしたものが多かったのに対し、J-POPはオリジナル曲の比率が高いという強みをもっているということがある。
■ 荒牧陽子 「Only love(LIVE)」
(超絶的なテクニックで名を馳せる「ものまねシンガー」、荒牧陽子(マキタソ)だって、2008年の時点で、こんなオリジナル曲の名テイクを残している。)
とくに2007年以降「初音ミク」(歌声合成DTMないしVOCALOID(ボカロ)系キャラクター)を媒体として多くの楽曲が創作され、なかには非常にレベルの高いものもあり、これがJ-POP(ないし、アニソン系)のサウンドクリエイターの層の厚さを築いたことは確かだと思う。
ボカロは、イメージそのままにハイトーンやビブラートなどを駆使した曲がつくれるとされ、その意味では(人が)歌うのはむずかしいが、歌いこなせればきわめてクォリティの高い楽曲となる可能性を秘めている。
この切り口からもやはり高い歌唱力をもつ女性Voが求められ、実際につぎつぎと育ってきているのだと思う。
そのわかりやすい例が”歌い手”。
彼女らは、「歌ってみた」という切り口から、おもにボカロ系の難曲を優れた声質と高いテクで歌いこなし、従来からの音楽好きをもうならせている。
そして2014年現在、ボカロや歌い手を抜きにしては日本の音楽シーンを語れない状況となっている。
【例・心做し】
オリジナル・VOCALOID(ボカロ)/GUMI
歌い手/花たん ※ 曲の魅力をきわめて高い歌唱力で見事に表現している。
日本のアニメは各国で高い評価を得ているが、それはストーリー展開やキャラクタ-設定の巧みさ、緻密なグラフィック技術とともにアニソンの果たす役割も大きいのではないか・・・。
また、アニソンはその性格上、ストーリー性や情緒感をもつものが多く、それがリスナーの感情に訴えやすいということもあると思う。
日本独自の繊細な風土や思想などをモチーフにするものも増えてきたので、これも海外で訴求しやすい要因かもしれない。
ゲーム系の楽曲もさりげにレベルが高く、この分野にも才能が集まっていることがわかる。
■ 園崎詩音(雪野五月) 「you / thanks (ひぐらしのなく頃に)」 / ゲーム・アニメ系のストーリー性高い曲の例
併行して、J-POPでも「セツナ系」といわれるフォーマット(というか曲調)が人気を集めている。
これはメロディや歌詞が「せつなさ」を感じさせるもので、やはりリスナーのパーソナルな感情に訴えかけるものだ。
「セツナ系」は西野カナ、加藤ミリヤ、JUJU、中村舞子などの「女神系歌姫」が代表格とされ、hip hop/Rap系ユニットとのコラボ(ふつうfeat.とされる)による名曲が多いのも特徴で、中村舞子のように自身のメジャーデビューよりも先にfeat.曲で人気を集める例もすくなくない。
「セツナ系」については別記事→「セツナ曲(唐突ですが・・・)」と内容が重複するので、よろしればそちらも・・・。
■ Because... feat. 中村舞子 LGYankees (2008) / feat.型「セツナ系」の代表曲
miwaもセツナ系楽曲多数。
■ miwa feat.ハジ→ 「夜空。」
■ SPICY CHOCOLATE - あなたと明日も feat. ハジ→ & 宇野実彩子 (AAA) (Vocal Ver.)
(こういう曲は、バブル崩壊以前にはたぶんぜったいつくれなかった。「失われた20年(30年)」がPOPシーンにも大きな影響を与えているのだと思う。)
こうしてみると、J-POPでは「繊細な情緒感」がすこぶる高くなってきていると思うが、これはかつての「四畳半フォーク」や演歌などの「マイナーコードを多用してしっとりと歌い上げる」というものより、むしろメジャー系コードやRap、ブレイクビーツなどをつかいつつこれを醸成していくものが目立つ。 (淡々と流れながらも泣ける・・・ ^^)
「メジャー系コードやブレイクビーツをつかいつつ、繊細な情感を出していく」というのはできそうでなかなかできないので、ここでもJ-POPのレベルの高さがうかがわれるのでは・・・。
このような流れを受けて、わたしの軸足は次第にケルト系からハイトーンJ-POP(女神系歌姫)に移っていった。
■ 志方あきこ 「西風の贈り物」 (2005) ※クラシックや民族音楽の要素も。
■ Sachi Tainaka 「Saikou no Kataomoi (最高の片想い)」 - Live 2007 Concert ※フラジオレット!
ヒットしていたメジャーArtistはマスメディアでも聴けたし、レンタルCDでもゲットできた。
ただ、同系の非メジャーArtistなどを本格的に聴きはじめたのは、YouTubeで視聴できる曲が増えてきた2006年後半あたりからではないか。
わたしのはじめての音楽記事カキコ(2007/03)はたしかYouTubeに触発されて書いたのでたぶん間違いないと思う。
2008/06にはAOR系の名曲紹介をYouTubeブログ埋め込みで紹介しているので、この頃にはWeb音楽環境はいまとさして変わらない状況にあったと思う。(アップロード曲は格段に増えているが・・・)
いずれにしてもYouTube、Dailymotion、ニコ動などで縦横無尽にWeb検索できるようになったことが大きい。
1980年代後半~、Enyaを意識したかどうかわからないが、プログレ系に透明感高い美声Artistたちがいた。
ベースがプログレというか、かなりマニアックな作風なので、なかなか聴きやすい曲を歌ってくれないのだが、きまぐれのように提供してくれるヒーリング曲は抜群だった。
ただし、2000年以前ではWeb検索の完成度が低かったので、「知らないと聴けない」状況だった。
レンタルや中古でも入手しにくいジャンルだったので、同系Artistをリアルタイムでしっかり抑えていた自信はない。
■ 遊佐未森 「ロカ」(Ruby Grapefruits Version) (1997)
■ 上野洋子(協和発酵 焼酎「かのか」CM・・・たぶん2003年頃?)
※この手のArtistはなかなかメジャーシーンに出てきにくいのだが、たとえば協和発酵 焼酎「かのか」CMで、その癒しヴォイスが大きな反響を呼んだ上野洋子(ZABADAKの結成メンバー)など、巧くプロモートすればブレークできる環境は整っていたのだと思う。
この曲、さんざ探したのだがどうやらリリースされておらず、世理奈のバージョン(2005)のみみつかります。
遊佐未森、上野洋子ともにクリエイター集団との係わりが強く、彼らからその「美声」を買われていた感じがある。
そしてのちに誕生する、I'VE(KOTOKO、詩月カオリ、川田まみ、MELLなどが在籍)、HoneyWorks(ハニワ)、supercellなどのクリエイター集団や菅野よう子、梶浦由記などのクリエイターが「女神系歌姫」を育んだことは間違いないと思う。
■ KOTOKO(I'VE) 「Imaginary Affair(こなたよりかなたまでOP)」
■ 川田まみ(I'VE) 「For our days(そして明日の世界より) LIVE」
■ くゆり 「君の知らない物語」(supercell)
■ 梶浦由記(&FictionJunction) 「Everlasting Song LIVE」
↑でも書いたが、ゲーム系やアニメ系などは、Web検索環境がないとほとんどアプローチ不可だと思う。
「レコチョク」でも限定配信曲がかなりあるので、やはりWeb動画の存在が大きくなる。
とくに「セツナ系」はレコチョクから火がつくことが多かった。(Web動画で視聴できるものがかなりある。)
■ Daisy×Daisy(MiKA) 「Evidence」
Web動画検索は同系の雰囲気をもつ楽曲を関連検索でがしがし引っぱってくるので、無名Artistをプロモートする効果も高い。
そして「ニコニコ動画」にアクセスすれば、ハイレベルな”歌い手”たちのテイクがずらりと並ぶ。
■ 桜ほたる(sana) 「ここにあること」
■ みにゅ 「SterCrew」
2006年以後、「女神系歌姫」系は声優系Artistや”歌い手”を巻き込んで質・量ともに充実の一途をたどり、いまや本場アイルランドを凌ぐのではないか、という点は↑や別ブログの「女神系歌姫 (ハイトーンJ-POPの担い手たち)」にも書いたとおりだ。
そして、ここ数年で一挙に輩出したカラバトU-18の逸材たち・・・。
彼女たちは、また一段ちがう歌唱力をもっているように思う。
なぜ、そうなったのかは黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)をみてね。(あくまでも個人的憶測ですが・・・)
ひとことでいうと、彼女たちはおそらくこれまで書いてきたファクターのすべてを身につけている。
それに、オリジナル曲に縛られず、時代の流行にかかわらず、好きな曲を自分なりの解釈で歌い上げている点も見逃せないポイントかと・・・。
と、まぁ、これでようやっと「カラバトU-18黄金世代説」に話がつながりました・・・(笑)
ながながと書き連ねてきたけど、やっぱりこれは「必然」。
そして彼女たちはきっとかけがえのない日本の宝物になっていくのだと思う。
楽しみ。楽しみ。
■ 三阪咲 × 富金原佑菜 「Y / C&K」
■ 佐久間彩加 「三日月」
■ 熊田このは 「手と手」(オリジナル)
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■ utsuboの音楽遍歴-1 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-2 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-3 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-4 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)【1983年洋楽ピーク説】
■ utsuboの音楽遍歴-5 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ 黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)
■ 1983年洋楽ピーク説(名曲編)
■ AOR系名曲を100曲! ※リンク切れあり
■ AC全盛期('70年代後半~'80年代前半)のリズム
■ AC全盛期('70年代後半~'80年代前半)のデュエット
■ プログレハードの名曲
■ 女神系歌姫 (ハイトーンJ-POPの担い手たち)【リニューアル】
■ 女神系歌姫【Angel Voice列伝 】のリスト(110曲)(カラバトU-18系含まず、リンク切れ多数)
2002/01/25UP
すこし追加しました。
Vol.1~4もすこし追加しました。
※goo blogの仕様変更により、現在動画埋め込みリンクのサイズがまちまちになっています。
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1986年春。大学卒業、そして就職。
バブルに向かい景気は昇り調子だったが、新入社員ということもあってしばらくは音楽から距離を置く状況がつづいた。
'80年代中盤以降、洋楽シーンは、ハウス・ミュージック(house music)、トランス(Trance)、ガラージュ(Garage)、ジャングル(Jungle)、ドラムンベース(Drum 'n' Bass)、2ステップ(2 Step Garage)など、ブレイクビーツ系とみられるジャンルがめまぐるしく輩出し、Pop Music/Black Musicといった既成の区分で捉え切れないものになっていた。
仕事にも慣れ、ひと心地ついた頃いくつかかじってみたが、どうもしっくりくるものがなかった。
「もう、洋楽チャートを追っていても面白くない・・・。」 それが偽りのない実感だった。
もともと音楽の聴き方が「流行を追う、最新のものを追う」というものではなかったので、シーンを離れることになんら抵抗はなかった。
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註:ブレイクビーツ系ジャンルが音楽的によくないとか、価値が低いとか、そういう意味ではありません。これだけ広く深く浸透したのはそれだけの理由があるはず・・・。
ただ、わたしは個人的に入り込んでいけなかったということです。
洋楽・邦楽ともにこの系統は深く聴いていないので語る資格はないですが、たとえば、女性Voをfeat.してセツナ系佳曲を繰り出している、WISE、CLIFF EDGE、童子-Tなど、たぶんブレイクビーツの洗礼を受けなければこういう曲はつくれなかったと思う。(Rapのなかで女性Voの活かし方を知っている。)
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↓メロディー的にはひさびさに'80年代前半的なイメージを感じた1998年の大ヒット曲。
でも、ボーカルエフェクトやリズム構成は、往年とは明らかに質の異なるもの。
■ Cher 「Believe」 (1998)
1988~90年にかけて、しばらく音沙汰のなかったAORやFusion系の大御所があいついで新譜をリリース。いずれもそれなりのレベルだったが、残念ながら往年の勢いは感じられなかったし、リバイバルブームも長くはつづかなかった。
以降、1995年くらいまで、洋楽ジャンルではBCMやSmooth Jazzなど、いわゆるAC(アダルトコンテンポラリー)とよばれるジャンルに逃げ込んでいた。
DAT(デジタルで録音できるテープ)をゲットしていたので、レンタル店まわりはつづき、これまでに聴き逃した旧譜やAC系の新譜をダビングしまくっていた。
■ Bobby Caldwell 「Heart Of Mine」 (1988)/ '80年代後期AORリバイバルの例
■ Russ Freeman & The Rippingtons 「True Companion」 (1994)/ AC(Smooth Jazz)の例-1
■ Tim Heintz 「Together At Last」 (1989)/ AC(Smooth Jazz)の例-2
■ Miki Howard 「Shining Through」 (1992)/ BCM(Lady Soul)の例
そんななか、興味を惹かれたのが1988年にALBUM『Watermark』で日本デビューしたEnyaだった。
Progre/Euro系の流れで、彼女が一時参加していたグループ”Clannad”のLPは何枚かもっていたが、このSoloアルバムはさらにメロディアスでヴォーカルが主役となるものだった。
そういえば、Kate Bushをはじめプログレバンド”Renaissance”/”ILLUSION”のリードヴォーカルAnnie HaslamにMike Oldfieldの作品に参加していたMaggie Reilly、そしてMike Oldfieldの妹Sally Oldfieldなどが好きだったので、もともとEnyaを好む素地があったのだと思う。
■ Mike Oldfield(feat.Maggie Reilly) 「Five Miles Out」 (1982)
■ Illusion(Annie Haslam) 「Face of Yesterday」 (1977)
■ Enya & Clannad 「An tÚll」 (1981)
■ Enya 「Caribbean Blue」 (1991)
彼女らは共通して、US系の女性Artistにはない清楚なヒーリング感をもっていた。
そして調べてみるとアイルランド・ケルト系のArtistが似たような雰囲気の作品を発表していることを知る。
オフィス帰りによくのぞいたレンタルCD店「神保町Janis」でこの系統のCDが充実しているのをいいことに、片っ端から聴きまくった。
■ Celtic Woman 「A New Journey - You Raise Me Up」
Altan、Capercaillie、Mary Black、Lunasa、Maire Brennan、Loreena McKennitt、Meav、The Corrs ・・・。
とくに、澄み切ったハイトーンのMichelle Tumes、Meav、Melanie Rossなどはよく聴いたし、新譜もほとんど買った。
■ Méav Ní Mhaolchatha 「I Wish My Love was a Red Red Rose」 (1998)
■ Sissel Kyrkjebø 「You'll Never Walk Alone」 (2002)
■ Melanie Ross 「Hodie Cristus Natus Est + Angels Of Ordinary Times」 (2002)
1996年、Sarah Brightman&Andrea Bocelliによる「Time To Say Goodbye」が大ヒット。
いささか情感過多な感じがしないでもなかったが、クラシックのエッセンスをとりいれた流麗なメロディはインパクトがあった。
■ Sarah Brightman&Andrea Bocelli 「Time To Say Goodbye」 (1996)
クラシックとポピュラーミュージックをクロスオーバーしたこの手の音楽は以降「Classcal Crossover(クラシカル・クロスオーバー)」と呼ばれ世界的に人気を集め、Sarah BrightmanのほかCharlotte Church、Hayley Westenraなどがメジャー入りを果たした。
邦楽では本田美奈子が'90年代からミュージカルに進出し2003年にClasscal Crossover的なALBUMをリリース。同年末には平原綾香がホルスト(G. Holst)の組曲「惑星」の印象的なメロディを原曲とした「Jupiter」をブレークさせる。
2006年秋川雅史「千の風になって」の大ブレークにより日本でのClasscal Crossover人気は決定的なものとなった。
ケルト系Artistもクラシックをふんだんにとり込んでいたので、ケルト系とClasscal Crossoverは自分のなかで違和感なく混ざり合った。
それらはのちに「ヒーリング・ミュージック」と称されるものだった。
(2007年に「ヒーリング・ミュージック」についておかきこしてたので(忘れてた ^^ )、一応、リンクしときます。)
音楽情報ゲットの方法も大きく変わった。
非メインストリームのACやヒーリング系の情報はマスメディアではあまり得られず、'80年代から読んでいた月刊誌「ADLIB」に頼ることとなった。「ADLIB」情報をもとに中古盤屋やレンタル店でソフトをゲットするという状況が2000年頃までつづいたと思う。
2000年に入りWebの常時接続を導入。従量課金を気にせず思う存分Web閲覧できるこの環境は画期的で、これを境にわたしの音楽情報ツールは一気にPCに移行した。
こうしたこともあっていつしか「ADLIB」は買わなくなったが、2010年4月にこの雑誌は休刊に入っている。
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Vol.3に書いたとおり、大学までのわたしは間違いなく洋楽志向だったと思う。
むろん、達郎、サザン、Yuming、角松敏生、佐野元春、杏里などビッグネームはふつうに聴いていたし、さりげに松田聖子(とくに初期のLP)なんぞも好きだった。
いま、「シティポップ」として再評価されている一群のArtistもひととおりは聴いていた。
でも、もっている音楽ソフトを見渡すとそのほとんどが洋楽・・・。
私的に「洋楽が面白くなくなった」1985年頃から、ぼちぼち腰を据えて邦楽を聴くようになったような気がする。
そして、そのほとんどが女性Artistだった・・・。
■ 今井美樹 「空に近い週末」 (1989)
1986年春に初シングルをOn Sale、翌年早くも「野性の風」のヒットを放ち音楽活動を軌道に乗せた今井美樹。綺麗なハイトーンヴォイスと流れるような旋律は、メロディに飢えていた耳に染み渡るようだった。
以降、今井美樹は相当聴き込み、LIVEにもたびたび行った。
■ 今井美樹 「The Days I Spent With You」 (flow into space LIVE MIKI IMAI TOUR '93より)
今井美樹屈指の名曲。
■ 渡辺美里 「Teenage Walk」 (1986)
1986年にリリースされた渡辺美里の「My Revolution」&「Teenage Walk」(ともに小室哲哉の作曲。)のメロディは斬新だった。
小室氏が後にあれほどのビッグネームになるとは当時は想像もしなかったが、「なんでこんなにフックのあるメロディがつくれるのか・・・?」と不思議に感じたことを覚えている。
1989年、PRINCESS PRINCESSの「Diamonds」「世界でいちばん熱い夏」がブレーク。ブライトにはじける曲調は、Pop-Musicの楽しさを呼び覚ましてくれた。
■ PRINCESS PRINCESS 「世界でいちばん熱い夏」 (1989)
これまではプログレハード、AORやブラコンをメインに聴いていたこともあって、どちらかというと男性ヴォーカルが多かったが、このあたりから女性ヴォーカルに傾倒していくことになる。
これは邦楽もそうなのだが、男性Artistがどちらかというとhip hopやブレイクビーツなどリズム主体の作風に振れていたのに対し、女性Artistはメロディアスな曲を多くリリースしていたことが大きいと思う。
(ex.小室哲哉が絡んだ女性Artistはよく聴いていたが、TM NETWORKはあまり聴いていない・・・。)
■ ZARD「二人の夏」 (1993) ※一部のみ
・栗林 誠一郎作曲の名曲。
■ 辛島美登里 「地図のない地球」 (1997)
考えてみると、男性ヴォーカルにしてからがJon Andeson、David Pack、Michael McDonald、Steve Perry、Jason Scheff 、Peter Cetera、Christopher Crossなどが好みだったので、もともとハイトーン・ヴォイス好きだったのだと思う。
AC系はいまでも聴いているが、そんなこんなで1996年頃からはヒーリング系の比重が一気に高まってきた。(ま~、ACもヒーリング的要素は多分にあるが・・・。)
ここからは別記事→「黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)」と内容が重複するので、よろしればそちらも・・・。
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そして1993年頃から小室哲哉の活動がメジャー的にブレーク。
わたしは「ハイトーンJ-POP(女神系歌姫)」の種は小室哲哉がまいたと思っているので、年表風にまとめてみた。
(なお、ハイトーンでメロディアスな曲調をもつ女性J-POPを「ハイトーンJ-POP」、それらにかかわる女性Artist達を「女神系歌姫」と勝手に銘打ち(~~)、以降、このブログでキーワードとしてつかっていきます。)
<小室系>
1993年 trf「寒い夜だから…」
1994年 篠原涼子「恋しさと せつなさと 心強さと」、trf「BOY MEETS GIRL」
1995年 華原朋美・安室奈美恵プロデュース
1996年 globe「DEPARTURES」、安室奈美恵「Don't wanna cry」、華原朋美「I'm proud」
1997年 安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」、華原朋美「Hate tell a lie」
1998年頃からPOP色をよわめ、実験色をつよめる。その理由はいろいろ憶測されているのでここでは触れないが、これに替わるような絶妙のタイミングで”非小室系”といわれる才能がつぎつきと開花しはじめる。
■ 華原朋美 「I'm proud」 (1996)
小室哲哉がPOP系楽曲で生彩を失いはじめた1998年にMISIA・宇多田ヒカル・浜崎あゆみなどがあいついでデビュー。
次いで倉木麻衣・小柳ゆき・鬼束ちひろ・倖田來未・水樹奈々などがデビューしてブレークを重ねる。
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個人的には、2001年に「涙そうそう」をブレークさせた夏川りみの存在も大きかった。
夏川りみの声をはじめて聴いたのはたしか、水戸黄門の合間に流れていた松下グループのCM Song「この星を感じて」だったと思う。
ハイトーンが綺麗に伸びるそのボーカルは強烈なインパクトがあり、画面の下に出ていた”夏川りみ”というクレジットを頼りにCDをさがしたが、その当時はまったくのマイナーで、ごく一部の大手CDショップでシングルが見つけられただけだった。
メジャーデビューからの「南風」(2002/3)、「てぃだ~太陽・風ぬ想い~」(2002/9)、「空の風景」(2003/3)、初期3枚のALBUMのできは抜群だった。
沖縄独特の音階や歌いまわしはそれほど強く出ておらず、さらりと明るい曲調に彼女の伸びやかなハイトーンが乗る内容は、まさに「ヒーリング・ミュージック」そのものだった。
この頃まではLIVEにも何度か行った。
■ 夏川りみ 「芭蕉布」
だが、「風の道」(2004/9)あたりから次第に作風が変わり、初期のさらっと明るい曲風は姿を消して、重厚なバラード主体の楽曲が増えた。
振り返ってみると、2007年9月に↑の変化についてのブログ記事を書いているので、やはり相当気に入っていたのだと思う。
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<非小室系>
1998年 MISIAデビュー、宇多田ヒカルデビュー、浜崎あゆみデビュー
1999年 倉木麻衣デビュー、小柳ゆきデビュー
2000年 鬼束ちひろデビュー・「月光」、倖田來未デビュー、水樹奈々デビュー、浜崎あゆみ「SEASONS」、倉木麻衣ブレーク
2001年 夏川りみブレーク・「涙そうそう」
2002年 浜崎あゆみ「Voyage」
2003年 平原綾香デビュー・「Jupiter」
2004年 加藤ミリヤデビュー、倖田來未ブレーク、KOKIAメジャー化、川江美奈子ソロデビュー
2005年 水樹奈々、オリコンで声優単独名義の当時の最高位(2位)獲得、Yuna Itoデビュー・「Endless Story」、志方あきこメジャーデビュー
2006年 綾香正式デビュー・「三日月」、mihimaru GTブレーク、藤田麻衣子デビュー、タイナカ彩智デビュー・「最高の片想い」、竹仲絵里「サヨナラ サヨナラ」、西野カナSMEレコーズと契約締結
■ 鬼束ちひろ 「流星群」 (2002)
■ 加藤ミリヤ 「True」
■ Yuna Ito 「Endless Story」(2005)
■ 絢香 「三日月」 (2006)
■ 竹仲絵里 「サヨナラ サヨナラ」 (2006)
2003年には平原綾香がクラシカル・クロスオーバー的にデビュー&ブレークし、翌2004年には加藤ミリヤがデビュー、KOKIAがメジャー化と、ほとんど切れ目がない。
2005年には水樹奈々がブレークし、声優系シンガーが注目を浴びる。
特筆すべきは2006年で、内容は↑のとおりだが、ハイトーンJ-POP(女神系歌姫)が一気に芽を吹いた感じで「女神系歌姫元年」ということができるかもしれない。
■ 川江美奈子 「ララバイ」 抜群の作曲能力!
■ 西野カナ 『もっと...(short ver.)』 (2009)
曲構成もアレンジもテクニカルな渋~い名曲。
オリコンチャート6位、レコチョクウィークリーチャート1位。マスメディアとWebの視聴層のレベル差を物語るもの。
彼女たちの曲はメロディを重視し、ハイトーンが伸びる綺麗な声質と、しっかりとしたテクニックを備えていた。
「ひょっとして1990年代後半にアイルランドで起きたのと同じようなことが、J-POPでも起きているのではないか。そしていずれJ-POPのレベルはアイルランド(ケルティック・ウーマン)を凌ぐのでは・・・?」と思いはじめたのが2003年頃。
そのひとつの根拠は楽曲のレベルがとても高くなってきたことだ。
J-POPは、サビメロだけでもたせる水増し的楽曲が目立った時期もあった。
ところが、とくに小室ブーム以降、曲じたいの魅力の高いものが増えてきた。
これみよがしのサビメロではなく、微妙にフックのあるメロを紡いでいくというような繊細かつテクニカルな曲が増えてきた。(ブレイクビーツ系の影響もあると思う。)
こういう曲をこなすには歌唱力が必要だが、そういう才能が輩出したこともその背景にあると思う。
■ 藤田麻衣子 「見えない月」 (2008) ※卓越した作曲&アレンジメント力。
個人的にはABBAを出し、その後もThe Cardigans、ACE OF BASEなどの人気グループを輩出して、日本でも人気のあるSwedish Pop(スウェーデンのPOP)よりはるかに魅力を感じる。(ちなみにスウェーデンは世界屈指のPOPミュージック輸出国。)
「アイルランド(ケルティック・ウーマン)を凌ぐ」という背景には、アイルランドはクラシックやスタンダードをモチーフにしたものが多かったのに対し、J-POPはオリジナル曲の比率が高いという強みをもっているということがある。
■ 荒牧陽子 「Only love(LIVE)」
(超絶的なテクニックで名を馳せる「ものまねシンガー」、荒牧陽子(マキタソ)だって、2008年の時点で、こんなオリジナル曲の名テイクを残している。)
とくに2007年以降「初音ミク」(歌声合成DTMないしVOCALOID(ボカロ)系キャラクター)を媒体として多くの楽曲が創作され、なかには非常にレベルの高いものもあり、これがJ-POP(ないし、アニソン系)のサウンドクリエイターの層の厚さを築いたことは確かだと思う。
ボカロは、イメージそのままにハイトーンやビブラートなどを駆使した曲がつくれるとされ、その意味では(人が)歌うのはむずかしいが、歌いこなせればきわめてクォリティの高い楽曲となる可能性を秘めている。
この切り口からもやはり高い歌唱力をもつ女性Voが求められ、実際につぎつぎと育ってきているのだと思う。
そのわかりやすい例が”歌い手”。
彼女らは、「歌ってみた」という切り口から、おもにボカロ系の難曲を優れた声質と高いテクで歌いこなし、従来からの音楽好きをもうならせている。
そして2014年現在、ボカロや歌い手を抜きにしては日本の音楽シーンを語れない状況となっている。
【例・心做し】
オリジナル・VOCALOID(ボカロ)/GUMI
歌い手/花たん ※ 曲の魅力をきわめて高い歌唱力で見事に表現している。
日本のアニメは各国で高い評価を得ているが、それはストーリー展開やキャラクタ-設定の巧みさ、緻密なグラフィック技術とともにアニソンの果たす役割も大きいのではないか・・・。
また、アニソンはその性格上、ストーリー性や情緒感をもつものが多く、それがリスナーの感情に訴えやすいということもあると思う。
日本独自の繊細な風土や思想などをモチーフにするものも増えてきたので、これも海外で訴求しやすい要因かもしれない。
ゲーム系の楽曲もさりげにレベルが高く、この分野にも才能が集まっていることがわかる。
■ 園崎詩音(雪野五月) 「you / thanks (ひぐらしのなく頃に)」 / ゲーム・アニメ系のストーリー性高い曲の例
併行して、J-POPでも「セツナ系」といわれるフォーマット(というか曲調)が人気を集めている。
これはメロディや歌詞が「せつなさ」を感じさせるもので、やはりリスナーのパーソナルな感情に訴えかけるものだ。
「セツナ系」は西野カナ、加藤ミリヤ、JUJU、中村舞子などの「女神系歌姫」が代表格とされ、hip hop/Rap系ユニットとのコラボ(ふつうfeat.とされる)による名曲が多いのも特徴で、中村舞子のように自身のメジャーデビューよりも先にfeat.曲で人気を集める例もすくなくない。
「セツナ系」については別記事→「セツナ曲(唐突ですが・・・)」と内容が重複するので、よろしればそちらも・・・。
■ Because... feat. 中村舞子 LGYankees (2008) / feat.型「セツナ系」の代表曲
miwaもセツナ系楽曲多数。
■ miwa feat.ハジ→ 「夜空。」
■ SPICY CHOCOLATE - あなたと明日も feat. ハジ→ & 宇野実彩子 (AAA) (Vocal Ver.)
(こういう曲は、バブル崩壊以前にはたぶんぜったいつくれなかった。「失われた20年(30年)」がPOPシーンにも大きな影響を与えているのだと思う。)
こうしてみると、J-POPでは「繊細な情緒感」がすこぶる高くなってきていると思うが、これはかつての「四畳半フォーク」や演歌などの「マイナーコードを多用してしっとりと歌い上げる」というものより、むしろメジャー系コードやRap、ブレイクビーツなどをつかいつつこれを醸成していくものが目立つ。 (淡々と流れながらも泣ける・・・ ^^)
「メジャー系コードやブレイクビーツをつかいつつ、繊細な情感を出していく」というのはできそうでなかなかできないので、ここでもJ-POPのレベルの高さがうかがわれるのでは・・・。
このような流れを受けて、わたしの軸足は次第にケルト系からハイトーンJ-POP(女神系歌姫)に移っていった。
■ 志方あきこ 「西風の贈り物」 (2005) ※クラシックや民族音楽の要素も。
■ Sachi Tainaka 「Saikou no Kataomoi (最高の片想い)」 - Live 2007 Concert ※フラジオレット!
ヒットしていたメジャーArtistはマスメディアでも聴けたし、レンタルCDでもゲットできた。
ただ、同系の非メジャーArtistなどを本格的に聴きはじめたのは、YouTubeで視聴できる曲が増えてきた2006年後半あたりからではないか。
わたしのはじめての音楽記事カキコ(2007/03)はたしかYouTubeに触発されて書いたのでたぶん間違いないと思う。
2008/06にはAOR系の名曲紹介をYouTubeブログ埋め込みで紹介しているので、この頃にはWeb音楽環境はいまとさして変わらない状況にあったと思う。(アップロード曲は格段に増えているが・・・)
いずれにしてもYouTube、Dailymotion、ニコ動などで縦横無尽にWeb検索できるようになったことが大きい。
1980年代後半~、Enyaを意識したかどうかわからないが、プログレ系に透明感高い美声Artistたちがいた。
ベースがプログレというか、かなりマニアックな作風なので、なかなか聴きやすい曲を歌ってくれないのだが、きまぐれのように提供してくれるヒーリング曲は抜群だった。
ただし、2000年以前ではWeb検索の完成度が低かったので、「知らないと聴けない」状況だった。
レンタルや中古でも入手しにくいジャンルだったので、同系Artistをリアルタイムでしっかり抑えていた自信はない。
■ 遊佐未森 「ロカ」(Ruby Grapefruits Version) (1997)
■ 上野洋子(協和発酵 焼酎「かのか」CM・・・たぶん2003年頃?)
※この手のArtistはなかなかメジャーシーンに出てきにくいのだが、たとえば協和発酵 焼酎「かのか」CMで、その癒しヴォイスが大きな反響を呼んだ上野洋子(ZABADAKの結成メンバー)など、巧くプロモートすればブレークできる環境は整っていたのだと思う。
この曲、さんざ探したのだがどうやらリリースされておらず、世理奈のバージョン(2005)のみみつかります。
遊佐未森、上野洋子ともにクリエイター集団との係わりが強く、彼らからその「美声」を買われていた感じがある。
そしてのちに誕生する、I'VE(KOTOKO、詩月カオリ、川田まみ、MELLなどが在籍)、HoneyWorks(ハニワ)、supercellなどのクリエイター集団や菅野よう子、梶浦由記などのクリエイターが「女神系歌姫」を育んだことは間違いないと思う。
■ KOTOKO(I'VE) 「Imaginary Affair(こなたよりかなたまでOP)」
■ 川田まみ(I'VE) 「For our days(そして明日の世界より) LIVE」
■ くゆり 「君の知らない物語」(supercell)
■ 梶浦由記(&FictionJunction) 「Everlasting Song LIVE」
↑でも書いたが、ゲーム系やアニメ系などは、Web検索環境がないとほとんどアプローチ不可だと思う。
「レコチョク」でも限定配信曲がかなりあるので、やはりWeb動画の存在が大きくなる。
とくに「セツナ系」はレコチョクから火がつくことが多かった。(Web動画で視聴できるものがかなりある。)
■ Daisy×Daisy(MiKA) 「Evidence」
Web動画検索は同系の雰囲気をもつ楽曲を関連検索でがしがし引っぱってくるので、無名Artistをプロモートする効果も高い。
そして「ニコニコ動画」にアクセスすれば、ハイレベルな”歌い手”たちのテイクがずらりと並ぶ。
■ 桜ほたる(sana) 「ここにあること」
■ みにゅ 「SterCrew」
2006年以後、「女神系歌姫」系は声優系Artistや”歌い手”を巻き込んで質・量ともに充実の一途をたどり、いまや本場アイルランドを凌ぐのではないか、という点は↑や別ブログの「女神系歌姫 (ハイトーンJ-POPの担い手たち)」にも書いたとおりだ。
そして、ここ数年で一挙に輩出したカラバトU-18の逸材たち・・・。
彼女たちは、また一段ちがう歌唱力をもっているように思う。
なぜ、そうなったのかは黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)をみてね。(あくまでも個人的憶測ですが・・・)
ひとことでいうと、彼女たちはおそらくこれまで書いてきたファクターのすべてを身につけている。
それに、オリジナル曲に縛られず、時代の流行にかかわらず、好きな曲を自分なりの解釈で歌い上げている点も見逃せないポイントかと・・・。
と、まぁ、これでようやっと「カラバトU-18黄金世代説」に話がつながりました・・・(笑)
ながながと書き連ねてきたけど、やっぱりこれは「必然」。
そして彼女たちはきっとかけがえのない日本の宝物になっていくのだと思う。
楽しみ。楽しみ。
■ 三阪咲 × 富金原佑菜 「Y / C&K」
■ 佐久間彩加 「三日月」
■ 熊田このは 「手と手」(オリジナル)
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■ utsuboの音楽遍歴-1 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-2 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-3 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ utsuboの音楽遍歴-4 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)【1983年洋楽ピーク説】
■ utsuboの音楽遍歴-5 (洋楽1983年ピーク説とカラバトU-18黄金世代説をつなぐもの)
■ 黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)
■ 1983年洋楽ピーク説(名曲編)
■ AOR系名曲を100曲! ※リンク切れあり
■ AC全盛期('70年代後半~'80年代前半)のリズム
■ AC全盛期('70年代後半~'80年代前半)のデュエット
■ プログレハードの名曲
■ 女神系歌姫 (ハイトーンJ-POPの担い手たち)【リニューアル】
■ 女神系歌姫【Angel Voice列伝 】のリスト(110曲)(カラバトU-18系含まず、リンク切れ多数)
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