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【 音楽コラム 】 「ヒーリング・ミュージック」-1
またまた、音楽コラムです。
(注:試聴のリンククリックは、読者個人の自己責任でお願いします。)
「一億総癒されたい病」(^^;)の今日、高い人気を誇る音楽フォーマットがあります。
それは「ヒーリング・ミュージック」。
日本での火つけ役となったのはコンビCD「Feel」シリーズとされますが、レガシーランカスターのCMに起用されたSara Brightman&Andrea Bocelliのデュエット「Time To Say GoodBye」(→試聴)(1996年)、三共リゲインEB錠のCMでブレークした坂本龍一の「energy flow」(1999年)、ケルト系女性アーティストEnyaのポピュラリティ獲得、最近では紅白で一躍クローズアップされた秋川雅史「千の風になって」などもその浸透に大きく貢献したと思われます。
「ヒーリング・ミュージック」(以下「H/M」)というワード自体、マスコミやプロダクションが都合よくつかっているので、明確な定義づけはありませんが「聴いていて癒される心地のいい音楽」といったところでしょうか・・・。そんなわけで、範疇に入るジャンルは多種多様(んで、コンビCDが売れる)、それがよけいにシーンをわかりにくいものにしているのですが、独断と偏見でむりやり(笑)整理してみました。
1.ピュアクラシック系
おもにJ.S.バッハ、ヘンデルなど、バロック系おなじみ予定調和的定番で入門向き。
2.環境音楽/ユーロプログレ系
Brian EnoやTangerine Dreamなど、旧ユーロプログレ系のコアなアーティストが先駆をなした環境音楽はとくに「Ambient Music」(アンビエント・ミュージック)と総称された。Soft Machine出身のKarl JenkinsはAdiemusでH/Mの方向感を示し、H/Mを代表する女性Vo、Miriam Stockleyを世に送り出した。フランスのユニットDeep Forestもこの系統だと思う。
ただし本来、”聴きやすさ”を本質としていないこのジャンルのアルバムでは、優れて流麗なH/Mのつぎにいきなり不協和音てんこ盛りのとんがった曲が来たりするので要注意(^^)。
なお、「Ambient Music」系アーティストの多くはフランスの孤高の作曲家Erik Satie(エリック・サティ)の影響下にあるとみられている。
やや毛色は違うが同じユーロプログレ系でVangelis(「COSMOS」「炎のランナー」など)やJean Michel Jarre、Vangelisとのコラボも多いYesのボーカリストJon Anderson なども良質のH/Mをのこしている。RenaissanceのボーカルAnnie HaslamやMike Oldfieldの姉、Sally Oldfield、”Voice of M.Oldfield”として名を馳せたMaggie Reillyなども澄み切ったハイトーンヴォイスをもつヒーリング系。
なお、CamelやBarclay James Harvestなど、Symphonic Rock(シンフォニック・ロック)と呼ばれる一連のグループは華麗な旋律と聴きやすくおだやかな曲調をもつが、ふつうH/Mには含まれない(と思う)。
邦楽では喜多郎や姫神(旧 姫神せんせいしょん)がこのカテゴリーに入る(と思う)。
3.フュージョン(スムースジャズ)系
「New Age」(ニューエイジ)が代表カテゴリー。これは国内でもひところ小ブームを巻き起こしたWindham Hill Records(ウィンダム・ヒル・レコード)所属の一連のミュージシャン(William AckermanやGeorge Winstonなど)が推し進めたフォーマットで、わかりやすいメロディーとアンプラグドなサウンドが特徴。
シンセ系ではドイツらしからぬ明るく付き抜けたメロディーが際だつCuscoが代表格。
この系統のインストミュージックは、米国では映画やスポーツ番組などのBGMとして重要なポジションを占めていて、Higher Octave MusicやSilver Waveなどの専門レーベルがある。
かつて、ムード・ミュージックとかイージー・リスニングとか呼ばれた毒にも薬にもならない音楽群があったが、ベタな質感はH/Mとはまったくの別物(だと思う)。
4.ケルト&ハワイ系
押しも押されぬH/Mの女王、Enyaはケルト系のミュージシャン。同系にCLANNADのボーカル、Maire BrennanやDeantaのDillon姉妹などがいるが、fiddle(フィドル)やpipes(パイプ)が入ると一気にアーシーになったりするので、全編ヒーリングモードのアルバムは意外にすくない。そんななかで、Meav(メイヴ)はたおやかに伸びるハイトーンと牧歌的な楽曲を揃えヒーリング指数が高い。
ハワイには島唄らしいライトでおだやかなH/Mがある。Teresa Bright、Naleo、Nohelani Cyprianoなどの女性ボーカル系がH/M的にハマる。
5.クリスチャン・ミュージック系
キリスト教関連音楽のうちPop的な要素をもち、通のあいだでCCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)と呼ばれるジャンルがメイン。美形女性VoのAmy Grant、大御所Michael W.Smith、実力派グループFirst Call、ブラック系ではWinansファミリー、Yolanda Adamsなど、いずれも優れたH/M系アルバムをリリースしている。ジャンルの性格からして、アルバムを通しておだやかなトーンが流れているのが特徴。
6.Pop/Rock系
AORのうちWest Coast系の軽いやつは、わりにH/Mテイストに近いと思うが微妙にちがうよ~な・・・。むしろ往年のMOR系大御所Melissa ManchesterやLinda Ronstadtの近作にH/M的なニュアンスが感じられる。リレハンメル冬季五輪でテーマ曲を歌い世界にアピールしたノルウェーのSissel KyrkjebφはSisselと改名し、H/Mの一画にポジションを確保している。
単発的にデビューする新人にもH/M的な佳品がある。1998年、彗星のごとくあらわれたMichelle Tumesの「Listen」は、澄み切ったハイトーンヴォイスと小ワザの効いたアレンジで輸入盤店からセールスに火がついた。最近の新作はややROCK色を強めているのが残念。
J-WAVEのナビゲーターをやっていたCara JonesもH/M色の強いアルバムを残している。
日本でも、夏川りみ、今井美樹、辛島美登里など、ハイトーン系女性VoにH/Mに近いニュアンスをもつアーティストがいる。
7.New Wave/エレクトロPop系
80年代初頭、「Enola Gay」(エノラゲイの悲劇)」の大ヒットを飛ばしたO.M.D(Orchestral Manoeuvres in the Dark)のアルバムは抜群にPopなメロディラインをもちながら妙に内省的な色彩をもつ不思議な曲で満たされていた。彼らは、BlancmangeやMinor Detailなどというフォロワーを生んだが、いずれもその後アグレッシブな音楽性に転じることになる。
彼らが転換前の路線をさらに推し進めていれば、もしかしてH/Mの黎明期はもっと早く訪れていたかもしれない。
英国では80年代後半以降Wet Wet Wet、Workshy、EBTG(Everything But The Girl)など、聴きごこち軽やかなグループが生まれているが、彼らはH/Mというよりはむしろカフェ・ミュージック的。そんななかで、Cocteau Twinsはかなり古くから現在のH/Mに近いニュアンスのサウンドを創り出していたと思う。
8.クラシカル・クロスオーバー系
H/Mの本丸?。クラシックとポップミュージックをわかりやすく融合するフォーマット。もともとは欧州で火がついたものだが米国(Josh Grobanなど)や日本に飛び火し、いまや世界的に人気を獲得している。
なんといってもSara BrightmanとAndrea Bocelliの功績が大きい。また、H/M系アーティストの多くは、メジャーなクラシックの名曲をカバーしているので、もともとポピュラリティが高いのも人気のヒミツか?
Saraのプロデューサーとして知られるFrank Petersonの(GREGORIAN)「Masters Of Chant」も一世を風靡した。F.Peterson関連ではEnigmaもH/Mの先駆として語られることがあるが、よりアグレッシブな立ち位置だと思う。
個人的にはChoirboysやLiberaなどの聖歌隊系よりは女性Vo系が好み。ただし、洋楽・邦楽ともにJazz Vocalみたくおじさま受けする美形アーティスト、●流スターみたくおばさま好みのイケメン軍団がやたら量産されつつある風潮はちと疑問。(誰とはいいませんが・・・(^^;))
9.ネイチャー系
川のせせらぎ、波の音、鳥のさえずりなどの自然音は、α波(リラックス時の脳波)を引き出す「1/fゆらぎ」を含むとされ、そのようなCDが山ほど販売されている。何枚か(中古で ^^; )買ったことがあるが、たしかに癒されるような気はする。
(注:試聴のリンククリックは、読者個人の自己責任でお願いします。)
「一億総癒されたい病」(^^;)の今日、高い人気を誇る音楽フォーマットがあります。
それは「ヒーリング・ミュージック」。
日本での火つけ役となったのはコンビCD「Feel」シリーズとされますが、レガシーランカスターのCMに起用されたSara Brightman&Andrea Bocelliのデュエット「Time To Say GoodBye」(→試聴)(1996年)、三共リゲインEB錠のCMでブレークした坂本龍一の「energy flow」(1999年)、ケルト系女性アーティストEnyaのポピュラリティ獲得、最近では紅白で一躍クローズアップされた秋川雅史「千の風になって」などもその浸透に大きく貢献したと思われます。
「ヒーリング・ミュージック」(以下「H/M」)というワード自体、マスコミやプロダクションが都合よくつかっているので、明確な定義づけはありませんが「聴いていて癒される心地のいい音楽」といったところでしょうか・・・。そんなわけで、範疇に入るジャンルは多種多様(んで、コンビCDが売れる)、それがよけいにシーンをわかりにくいものにしているのですが、独断と偏見でむりやり(笑)整理してみました。
1.ピュアクラシック系
おもにJ.S.バッハ、ヘンデルなど、バロック系おなじみ予定調和的定番で入門向き。
2.環境音楽/ユーロプログレ系
Brian EnoやTangerine Dreamなど、旧ユーロプログレ系のコアなアーティストが先駆をなした環境音楽はとくに「Ambient Music」(アンビエント・ミュージック)と総称された。Soft Machine出身のKarl JenkinsはAdiemusでH/Mの方向感を示し、H/Mを代表する女性Vo、Miriam Stockleyを世に送り出した。フランスのユニットDeep Forestもこの系統だと思う。
ただし本来、”聴きやすさ”を本質としていないこのジャンルのアルバムでは、優れて流麗なH/Mのつぎにいきなり不協和音てんこ盛りのとんがった曲が来たりするので要注意(^^)。
なお、「Ambient Music」系アーティストの多くはフランスの孤高の作曲家Erik Satie(エリック・サティ)の影響下にあるとみられている。
やや毛色は違うが同じユーロプログレ系でVangelis(「COSMOS」「炎のランナー」など)やJean Michel Jarre、Vangelisとのコラボも多いYesのボーカリストJon Anderson なども良質のH/Mをのこしている。RenaissanceのボーカルAnnie HaslamやMike Oldfieldの姉、Sally Oldfield、”Voice of M.Oldfield”として名を馳せたMaggie Reillyなども澄み切ったハイトーンヴォイスをもつヒーリング系。
なお、CamelやBarclay James Harvestなど、Symphonic Rock(シンフォニック・ロック)と呼ばれる一連のグループは華麗な旋律と聴きやすくおだやかな曲調をもつが、ふつうH/Mには含まれない(と思う)。
邦楽では喜多郎や姫神(旧 姫神せんせいしょん)がこのカテゴリーに入る(と思う)。
3.フュージョン(スムースジャズ)系
「New Age」(ニューエイジ)が代表カテゴリー。これは国内でもひところ小ブームを巻き起こしたWindham Hill Records(ウィンダム・ヒル・レコード)所属の一連のミュージシャン(William AckermanやGeorge Winstonなど)が推し進めたフォーマットで、わかりやすいメロディーとアンプラグドなサウンドが特徴。
シンセ系ではドイツらしからぬ明るく付き抜けたメロディーが際だつCuscoが代表格。
この系統のインストミュージックは、米国では映画やスポーツ番組などのBGMとして重要なポジションを占めていて、Higher Octave MusicやSilver Waveなどの専門レーベルがある。
かつて、ムード・ミュージックとかイージー・リスニングとか呼ばれた毒にも薬にもならない音楽群があったが、ベタな質感はH/Mとはまったくの別物(だと思う)。
4.ケルト&ハワイ系
押しも押されぬH/Mの女王、Enyaはケルト系のミュージシャン。同系にCLANNADのボーカル、Maire BrennanやDeantaのDillon姉妹などがいるが、fiddle(フィドル)やpipes(パイプ)が入ると一気にアーシーになったりするので、全編ヒーリングモードのアルバムは意外にすくない。そんななかで、Meav(メイヴ)はたおやかに伸びるハイトーンと牧歌的な楽曲を揃えヒーリング指数が高い。
ハワイには島唄らしいライトでおだやかなH/Mがある。Teresa Bright、Naleo、Nohelani Cyprianoなどの女性ボーカル系がH/M的にハマる。
5.クリスチャン・ミュージック系
キリスト教関連音楽のうちPop的な要素をもち、通のあいだでCCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)と呼ばれるジャンルがメイン。美形女性VoのAmy Grant、大御所Michael W.Smith、実力派グループFirst Call、ブラック系ではWinansファミリー、Yolanda Adamsなど、いずれも優れたH/M系アルバムをリリースしている。ジャンルの性格からして、アルバムを通しておだやかなトーンが流れているのが特徴。
6.Pop/Rock系
AORのうちWest Coast系の軽いやつは、わりにH/Mテイストに近いと思うが微妙にちがうよ~な・・・。むしろ往年のMOR系大御所Melissa ManchesterやLinda Ronstadtの近作にH/M的なニュアンスが感じられる。リレハンメル冬季五輪でテーマ曲を歌い世界にアピールしたノルウェーのSissel KyrkjebφはSisselと改名し、H/Mの一画にポジションを確保している。
単発的にデビューする新人にもH/M的な佳品がある。1998年、彗星のごとくあらわれたMichelle Tumesの「Listen」は、澄み切ったハイトーンヴォイスと小ワザの効いたアレンジで輸入盤店からセールスに火がついた。最近の新作はややROCK色を強めているのが残念。
J-WAVEのナビゲーターをやっていたCara JonesもH/M色の強いアルバムを残している。
日本でも、夏川りみ、今井美樹、辛島美登里など、ハイトーン系女性VoにH/Mに近いニュアンスをもつアーティストがいる。
7.New Wave/エレクトロPop系
80年代初頭、「Enola Gay」(エノラゲイの悲劇)」の大ヒットを飛ばしたO.M.D(Orchestral Manoeuvres in the Dark)のアルバムは抜群にPopなメロディラインをもちながら妙に内省的な色彩をもつ不思議な曲で満たされていた。彼らは、BlancmangeやMinor Detailなどというフォロワーを生んだが、いずれもその後アグレッシブな音楽性に転じることになる。
彼らが転換前の路線をさらに推し進めていれば、もしかしてH/Mの黎明期はもっと早く訪れていたかもしれない。
英国では80年代後半以降Wet Wet Wet、Workshy、EBTG(Everything But The Girl)など、聴きごこち軽やかなグループが生まれているが、彼らはH/Mというよりはむしろカフェ・ミュージック的。そんななかで、Cocteau Twinsはかなり古くから現在のH/Mに近いニュアンスのサウンドを創り出していたと思う。
8.クラシカル・クロスオーバー系
H/Mの本丸?。クラシックとポップミュージックをわかりやすく融合するフォーマット。もともとは欧州で火がついたものだが米国(Josh Grobanなど)や日本に飛び火し、いまや世界的に人気を獲得している。
なんといってもSara BrightmanとAndrea Bocelliの功績が大きい。また、H/M系アーティストの多くは、メジャーなクラシックの名曲をカバーしているので、もともとポピュラリティが高いのも人気のヒミツか?
Saraのプロデューサーとして知られるFrank Petersonの(GREGORIAN)「Masters Of Chant」も一世を風靡した。F.Peterson関連ではEnigmaもH/Mの先駆として語られることがあるが、よりアグレッシブな立ち位置だと思う。
個人的にはChoirboysやLiberaなどの聖歌隊系よりは女性Vo系が好み。ただし、洋楽・邦楽ともにJazz Vocalみたくおじさま受けする美形アーティスト、●流スターみたくおばさま好みのイケメン軍団がやたら量産されつつある風潮はちと疑問。(誰とはいいませんが・・・(^^;))
9.ネイチャー系
川のせせらぎ、波の音、鳥のさえずりなどの自然音は、α波(リラックス時の脳波)を引き出す「1/fゆらぎ」を含むとされ、そのようなCDが山ほど販売されている。何枚か(中古で ^^; )買ったことがあるが、たしかに癒されるような気はする。
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