藤原愛子の日常茶飯事

前稲城市議・藤原愛子のもろもろな日々

[盛土」と聞くとチクリとする

2021年07月10日 | 雑感

 梅雨もあと少しで明けるとのことですが、まあ、今日は・・暑い!

 熱海市の土砂災害で救助作業をされている人たち、どれだけ汗を流しておられることか。

 未だ不明の方たちを、一刻も早くご家族の元にと思いながら動かれている様子が伝わります。

 「盛土崩壊」

 この言葉を聴くと胸に何かが刺さる感じがします。


 稲城市の京王よみうりランド駅と稲城駅の南側に位置する南山。

 稲城市最後の「緑の山」の東側は、今、きれいな住宅が並ぶまちになりました。

 ランド駅近くの50m近い崖が、高盛土工事で斜面上に開発され、以前の景色は一変しています。最新式の「サンドイッチ工法」での工事だそう。

 稲城市は「稲城砂」という、乾いて固まっていると強固だが、湿ると崩れやすいという性質の層が多く、南山のその場所も関東ローム層と稲城砂で形成されています。
 工事方法は、材質の違う土をサンドイッチのパンと具のように重ねていき、間に給水シートを挟んでいく。そして、その層を垂直に貫くように「排水パイプ」を仕込み、排水する仕組みとする、というものです。工事中雨がふってきたら工事を中断し、シートをかぶせて水がはいらないようにする、との説明も受けました。

 一体、その仕組みはどのくらいの期間有効なんだろう。稲城市は、そのメンテを行う費用を確保し続けられるのか、と、不安な気持ちの整理が未だつきません。

そのようななか、広島市では水に弱い「まさ土」が豪雨のために緩み、土砂災害が起こってしまった。
 そして今度はまさに熱海市で「盛土」が雨で崩れて住宅を押しつぶしてしまう。

 2020年に東京都が公開した「東京都における盛土工事数」を見ると、
三多摩地区で1435か所あります。
 そのうち八王子・町田・多摩・稲城各市の盛土箇所は1375か所です。
 これは場所から言っても、多摩ニュータウンの造成工事によるもの。
 もともと丘陵地に住宅を建てるわけで、平らにしなければならない。
 山や丘の間にある「谷戸」などを埋めて平らにしたのですね。

 稲城市におられた映像作家・・故浜田英夫氏がその埋め立てられていく谷戸の様子を、フイルムに残されています。

 もちろん、どの盛土も危険だ!と、言っている訳ではありません。

 しかし、大地は動くものです。
 不自然な開発工事は、どこかで歪みがくる可能性が高い。

 穴を深く掘る。
 広範囲に素早く整地できる。
 高く高く積み上げる。
そんな技術がどんどん高度に出来るようになってきて、すごいかもしれないけれど、周囲の安全への配慮と、長期的に考える慎重さをないがしろにすると、忘れた頃に悲劇が起こる可能性があることを、肝に銘じて取り組んでもらいたいと、切に思います。

 
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