先日 「後日のご報告」とさせて頂いた、視察研修のことです。
福岡県 大牟田市と、北九州市に行ってまいりました。
北九州市は、昭和38年に、5市が合併してできた市です。人口100万を目指して、今98万人という大都市です。予算額も勿論大きく、稲城市の民生費にあたる予算だけで、稲城の一般会計の半分以上の金額が組めるという規模の市です。
介護予防や検診、社会教育の分野は、稲城の規模を大きくしたような感じでしたが、医学的施策で、女性の尿失禁予防や、口腔の検診など、きめこまかい内容にも取り組んでいました。 稲城でも実施したりはしていますが、PRの方法に工夫が必要だと感じました。
北九州市では、高齢者の生きがい施策だけで7億近い予算が投入されますが、稲城ではそうはいきません。でも、小さい自治体だからこそ、行き届いた施策とPRができるんじゃないか、と私は思いました。
大牟田市です。
国の「地域認知症ケアコミュニテイ事業」のモデル地区として、認知症の人を、地域で支えることに取り組み開始したのが、平成14年。でも、既にその前、介護保険制度のスタートの前から、地域でネットを組んで取り組めないか、と思っている人がいらした。
大牟田市の職員にも、熱心な人がいて、スタート時から、「誰の、何のために、どうしたら良いか。」が理念として構築されていたんですね。それがカッコだけでなく多くの人達の腑に落ちていったので、だんだんと実現していったのです。
認知症コーディネーター養成講座も、核となって仲間づくりをする役の養成。
ユニークなのは、「徘徊模擬訓練」。
認知症の方がまちに出て行方が分からなくなり、家族が捜索の依頼をした、という想定で、
不明の方の衣服や特徴を公開し、まちのなかから見つけ出す。というものです。
はたして、その公開情報を聞いたまちの人、あるいは「なんだかあの人、様子が変」と思ったひとが、徘徊人に扮したモデルに声をかけるか?通報するか・・・。
もちろん、この訓練には、市・社会福祉協議会・民生委員・自治会・警察などのネットをつくり、市民の方には訓練と言わずに、モデル数人に<徘徊>してもらうのです。
結果、最初の年は、一地区のみの実施で数人が声がけ。
しかし、今では、小学校区22のうち、18地区で実施し、多くの市民が声をかけて、<保護>に至ることになったそうです。
このことは、単に徘徊者の保護のためではありません。地域の人が、助け合う、力を合わせることになっていったのです。もちろん、子どもや障がい者やいろいろなことで困っている人にもあてはまります。
あと、これはハードの面なので、金銭的な課題もクリアする方法を考えなければなりませんが、高齢者が自力で歩いていける距離を目安に、デイサービス・小規模多機能施設(日中活動と宿泊が出来る)・ホームが整備されつつあるのを拝見して、現実的に今後どの市でも必要なことだと思いました。武蔵野市の<テンミリオンハウス>や世田谷区の自宅開放や空き家活用など、新しく大きな箱物をつくるのではなく、既にある地域資源の有効活用を、新しい視点で見つけていく、あるいはやりたい人の支援をすることが、高齢者の支援だけでない、(もしかしたら高齢者や地元の雇用だって!)地域の力を創造できるのではないか、と思う私です。
お金も確かに重要だけれど、なんといっても、「人」、ですね。ホント。
福岡県 大牟田市と、北九州市に行ってまいりました。
北九州市は、昭和38年に、5市が合併してできた市です。人口100万を目指して、今98万人という大都市です。予算額も勿論大きく、稲城市の民生費にあたる予算だけで、稲城の一般会計の半分以上の金額が組めるという規模の市です。
介護予防や検診、社会教育の分野は、稲城の規模を大きくしたような感じでしたが、医学的施策で、女性の尿失禁予防や、口腔の検診など、きめこまかい内容にも取り組んでいました。 稲城でも実施したりはしていますが、PRの方法に工夫が必要だと感じました。
北九州市では、高齢者の生きがい施策だけで7億近い予算が投入されますが、稲城ではそうはいきません。でも、小さい自治体だからこそ、行き届いた施策とPRができるんじゃないか、と私は思いました。
大牟田市です。
国の「地域認知症ケアコミュニテイ事業」のモデル地区として、認知症の人を、地域で支えることに取り組み開始したのが、平成14年。でも、既にその前、介護保険制度のスタートの前から、地域でネットを組んで取り組めないか、と思っている人がいらした。
大牟田市の職員にも、熱心な人がいて、スタート時から、「誰の、何のために、どうしたら良いか。」が理念として構築されていたんですね。それがカッコだけでなく多くの人達の腑に落ちていったので、だんだんと実現していったのです。
認知症コーディネーター養成講座も、核となって仲間づくりをする役の養成。
ユニークなのは、「徘徊模擬訓練」。
認知症の方がまちに出て行方が分からなくなり、家族が捜索の依頼をした、という想定で、
不明の方の衣服や特徴を公開し、まちのなかから見つけ出す。というものです。
はたして、その公開情報を聞いたまちの人、あるいは「なんだかあの人、様子が変」と思ったひとが、徘徊人に扮したモデルに声をかけるか?通報するか・・・。
もちろん、この訓練には、市・社会福祉協議会・民生委員・自治会・警察などのネットをつくり、市民の方には訓練と言わずに、モデル数人に<徘徊>してもらうのです。
結果、最初の年は、一地区のみの実施で数人が声がけ。
しかし、今では、小学校区22のうち、18地区で実施し、多くの市民が声をかけて、<保護>に至ることになったそうです。
このことは、単に徘徊者の保護のためではありません。地域の人が、助け合う、力を合わせることになっていったのです。もちろん、子どもや障がい者やいろいろなことで困っている人にもあてはまります。
あと、これはハードの面なので、金銭的な課題もクリアする方法を考えなければなりませんが、高齢者が自力で歩いていける距離を目安に、デイサービス・小規模多機能施設(日中活動と宿泊が出来る)・ホームが整備されつつあるのを拝見して、現実的に今後どの市でも必要なことだと思いました。武蔵野市の<テンミリオンハウス>や世田谷区の自宅開放や空き家活用など、新しく大きな箱物をつくるのではなく、既にある地域資源の有効活用を、新しい視点で見つけていく、あるいはやりたい人の支援をすることが、高齢者の支援だけでない、(もしかしたら高齢者や地元の雇用だって!)地域の力を創造できるのではないか、と思う私です。
お金も確かに重要だけれど、なんといっても、「人」、ですね。ホント。