先日、上野の東京国立博物館で行われている、「縄文」特別展に夫と行きました。
夫と私の休みが合うのは、月に一度くらい。
その日は猛暑というか炎暑というかとにかく暑かった!・・・けれど、展示も「熱かった!」
私が学校で習った頃の<縄文時代>は、毛皮を体に巻き付けた、髪の毛ぼさぼさヒゲぼうぼうの祖先が、人間、というより獣、に近いイメージでかろうじて火を使っている図でした。
しかし、近年研究が進み、縄文時代は文化的で非戦的で豊かな精神性のある暮らしだったことがわかってきました。
展示してある土器や土偶は素晴らしく、不思議なことにまるでいつかどこかで触ったことがあるような肌馴染みのある品々です。
同時代のヨーロッパなどの土器も少しだけ展示してありステキなんだけれど、それに比較すると、<火焔型土器><王冠型土器>のデザインの素晴らしさったら!
実はこの特別展、もしかしたら稲城で発掘された「稲城のビーナス」があるのじゃないか、という思いもありました。
多摩ニュータウンの大規模開発の際、発掘調査が行われて、その際に出たものです。
ありました!
第五章 祈りの美、祈りの形、というコーナーのナンバー94として。
それは20センチくらい?でしょうか。 均整のとれた体形の女性像で、顔には目の下からほほにかけて白い二本の線が描かれていました。
私は稲城で生まれたわけではありませんが、今現在住んでいる地に遥か昔住んでいた<誰か>が、このビーナスをつくった。
なんらかの儀式に使用したのでは、と言われていますが、その昔は女性の妊娠・出産は祈るように行われたのではないでしょうか。
今でも、妊娠や出産はいくら医学が進んでも、命がけの作業にかわりありません。ましてや大昔、出産、育児はそれは大変なことだったと思います。
なんだか私の体の中にかすかに残る太古の記憶が、血液の中によみがえり、全身をめぐるような、不思議な気持ちになる、そんな「縄文展」でした。
9月2日まで、東京国立博物館の平成館にて 行われています。