もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

170730 民進党の選択肢は、リベラルの枝野しかない。似非保守の前原を選べば、岸田自公政権の方がマシ!。無党派層は宙をさまよい続ける。

2017年07月30日 17時25分23秒 | 時々刻々 考える資料
7月30日(日):
時事ドットコム【特集】山崎拓・元自民党副総裁 政界インタビュー
 インタビューに応じる山崎拓・元自民党副総裁=2017年7月19日、東京・平河町の事務所で【時事通信社】
安倍政権を斬る!

「レベル低過ぎる」と批判

 山崎拓・元自民党副総裁はこのほど時事通信のインタビューに応じ、安倍政権や政局の行方など幅広く語った。安倍晋三首相のこれまでの政治姿勢を批判する一方、首相が衆院解散に踏み切る場合は来年6月との見通し表明。その時期に解散できなければ首相退陣の可能性も指摘した。「ポスト安倍」候補の石破茂元自民党幹事長や岸田文雄外相についてはそれぞれ「発言が回りくどい」「(政治姿勢が)はっきりしない」などと苦言。小池百合子都知事に関しては、いずれ国政に転じ、「日本のメルケル(独首相)」として初の女性宰相を目指しているのではないかとの見方を示した。
(聞き手=時事通信編集委員・村田純一)

内閣支持率急落の原因
 ─安倍内閣の支持率急落の原因は何か。
  山崎拓・元自民党副総裁 政権が長期化し、「安倍1強」支配が露骨に行われていることに対する有権者の反発や批判が根底にある。そこに森友学園、加計学園の問題が国会で指弾を受け、それに対する政府側の答弁や態度に有権者の不満や反感が生じている。
  さらに、閣僚や政府要人、衆院当選2回議員の目に余る暴言・失言が繰り返され、これらが全て重なり東京都議選で自民党は大敗し、これらのことが全て連動して内閣支持率の低下を招いたと思う。
 ─安倍首相は国会では野党に対決姿勢を示し、答弁でも傲慢(ごうまん)に見える姿勢が見られた。街頭演説でも「安倍辞めろ」とのやじに、首相は「こんな人たちに負けるわけにはいかない」とむきになって応じ、首相への反発と不信感が急に強まったように見えるが。
  その通りだ。首相が国会でやじられて、かっとなるのはいつものことだ。「お前たち何だ、俺の言うことは黙って静かに聞け」という感じの言い方をする。
 ─森友、加計問題でもいわば首相の「お友達」が関係した。稲田朋美防衛相の大失言があっても更迭しないのは首相に近いお友達だからで、お友達ばかりを優遇することがいかがなものかと有権者はみているのでは。
  その通りだ。
 ─自民党内では村上誠一郎、石破茂、中谷元さんらが安倍首相に批判的な発言をしているが、まだ一部にすぎない。党内をどうみるか。
  自民党は皆、一蓮托生(いちれんたくしょう)。(安倍政権に対し)全員、連帯責任だ。自民党総裁選でも国会の首相指名選挙でも安倍さんを支持した。その後も支持、礼賛し続けている。皆、「安倍さんは素晴らしい」と地元選挙区で持ち上げている。ただ、村上、中谷両氏らは安倍首相に対し、批判し始めている。村上氏は前から言っているが、この人は例外。連帯責任には入らない。

財政再建の勉強会は「反安倍の受け皿」
 ─石破さんは改憲問題などで首相に異論を唱えたり、党内では都議選の総括を求めたりして、批判を強めているように見えるが。
  山崎氏 もう少し歯に衣(きぬ)着せずに言わなければ駄目だ。批判がましいことを言っている感じはするが、回りくど過ぎる。ズバッと直截(ちょくせつ)に言わなければいけない。
 ─中谷さんが安倍首相に批判的になったのはなぜだと思うか。
  安倍政治とは一線を画し、次のリーダーシップを担う者の一翼になろうという意欲があるからだ。
 ─自民党内に「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」が(5月16日)発足した。前自民党税制調査会長の野田毅さん、村上誠一郎さんら安倍政権に批判的な人が参加して、「反安倍」の受け皿のような会合だとも報道されたが、これはどう見るか。
  野田氏が代表発起人としてかつがれたのは、党内きっての税制通であり財政再建論者だからだ。
 ─安倍首相は財政再建に消極的とみられるからか。成長重視の路線を進め、消費税増税も2回見送った経緯もあるし。
  それに対する反発だ。消費税増税を2回見送ったことを彼らは批判している。財政問題のエキスパートである村上氏が野田氏をかついでつくった勉強会だ。税・財政問題の有識者を集め、結果として今の安倍政権の路線とは違う路線を目指している。安倍政権は成長重視により財政再建も実現しようとしているが、実態はそうなっていない。
  2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化という財政健全化目標の実現は困難だとの分析もあるが、これは安倍首相の経済路線に対する痛烈な批判でもある。勉強会に集まったのは、2020年度のプライマリーバランスの黒字化実現を支持してきた人たちだ。

人事で支持率回復は困難か
 ─内閣支持率が下がり続けるか、安倍首相が巻き返すことができるかは、8月3日の内閣改造と自民党役員人事次第だと指摘される。報道ベースでは、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官は留任。自民党の二階俊博幹事長も留任。小泉進次郎氏をどう起用するか注目されているが、骨格は変えない人事で内閣支持率が上昇するかは疑問に思う。
  山崎氏 あなたの言うことは多分当たっていると思うが、私は人事権者じゃないから結果は分からない。二階幹事長の留任には賛成だが、それは他に代わる人材がいないという観点からだ。もともと安倍首相の発言を聞いていると、骨格人事は変えない、継続性や安定性が大事だから変えないという。私はそれに賛成だし、本人も変えないと思う。
  しかし、もしこの内閣改造で再浮揚を図ろうとすれば、それは換骨奪胎的な総入れ替えをしないと浮揚にはつながらないだろう。骨格人事を残すという考えでいけば、代わり映えのしない人事となり、それではほとんど支持率の回復にはつながらないと思う。
  ─稲田防衛相や金田勝年法相を代えるのは当たり前のこと。
  もう代わってないといかん。この2人がまだ閣僚に残っているのが不思議だ。どうせ8月3日までだから、泳がせておけということだろうが。
  ─稲田氏が失言した直後に代えておけば、支持率は2割台まで落ちなかったとの見方もある。
  後付けの理屈だが、都議選のことを考えれば、彼女が失言したときにサッと首を切るべきだった。都議選の応援演説で「自衛隊としてもお願い」と発言したのは、憲法15条に反しており公職選挙法違反だ。処罰されてしかるべきだ。あの時、サッと更迭しておけば、自民党にとって都議選では多少いい影響が出たと思う。あれを放置したのが良くなかった。

岸田氏は自民リベラル勢力復興を
 ─人事では岸田文雄外相の処遇が注目される。派閥の会長として来年秋の自民党総裁選をにらみ、このまま安倍政権で外相にとどまるのがいいのどうか。党のポストに就くのではないかとの見方もあるが。
  山崎氏 私は岸田氏にとって第三者でしかないが、私に言わせれば、彼はリベラルの伝統の中にある人間だ。だからリベラル勢力復興という形の中で出てくるのが一番いい。今もこれからも憲法改正がテーマになる。そのとき、はっきりリベラルの立場を取った方がいい。そのリーダーとして打って出て、求心力を働かせる。政権はすぐに取れないと思うが、それでいいと思う。すがすがしい、すっきりした政治姿勢を打ち出すべきだ。彼はリベラルの系譜の中にある人間だと思う。
 ─安倍首相とは考えがかなり異なる。
  違うスタンスを取るべきだ。首相がテーマを憲法9条改正にした以上、そうすべきだ。彼は以前(5月11日)「憲法9条改正の考えはない」と言ったことがある。それを貫かないと駄目だ。今は黙ってしまったが。
  民進党もそうだ。憲法改正はここ一両年の大テーマだ。そこに焦点を絞るべきだ。ポリティカル・イシューが今はそこにある。70年間できなかったことをやろうとし、しかも9条に手を付けようとしている。民進党も絶好のチャンスだ。ところが、民進党内は割れている。憲法9条改正にも理解あるような態度を示す者がいるが、はっきりしない。
  岸田氏もはっきりしない。それでは駄目だ。
何でもいいから安倍首相の足や腰にしがみついて、(政権を)譲ってくださいと。あなたに最後まで忠誠を尽くすから譲ってくださいと、これじゃあ見苦しい。政治思想としての輝きがない。ブリリアントな政治家ではない。政治家はリーダーになろうとすれば、ブリリアントでなければ駄目だ。いかに輝くかということを心掛けないといけない。そうでないと有権者は魅力を感じない。
  民進党もそうだ。とにかくスタンスがバラバラで党内に幾つも異なる政策があって、発信がバラバラでまとまっていない。リベラルなのかどうかさえ分からない。「民進党は保守政党だ」と言う者もいるぐらいだ。共産党や社民党の考え方までいかなくていいが、少なくともリベラルという言葉には輝きがある、これを活用すべきだ。リベラルはすごく魅力的な単語だ。それを活用してきたのは加藤紘一氏(元自民党幹事長)であり、谷垣禎一氏(前自民党幹事長)だ。
  ぼくは加藤氏の葬儀の弔辞で「最大で最強のリベラルが死んだ」と言った。ぼくは保守サイドの人間だけど、リベラルという表現には魅力を感じるし、保守と対立的な概念は必要だ。議論するには対立する概念が必要だ。政治は討論、ディベートの世界だ。保守対リベラルという対立概念の中でディベートして、アウフヘーベン(止揚)して、議論の質を高め深めていくのが本当の政治の手順だ。
  今は全くそんな議論がない。「黙れ」「うるさい」「俺の言うことを聞け」「俺が正しいんだ」…、それだけだ。それは討論じゃない。

 ─反対意見は聞きたくないと。やじも嫌と。
  やじに対して自分もやじる。要するに、その程度だ。レベルが低過ぎる。そのレベルで日本の政治を任せているのは恐ろしいことだ。

9条改憲、「戦力なき軍隊」はあり得ない
  山崎氏 そういう考えは成り立たないと思う。自衛隊が「戦力なき軍隊」になる。そうなれば集団的自衛権も行使できなくなる。「戦力なき軍隊」では同盟国を守れない。
  2項で戦力を否定しているからだ。軍隊というのは戦力があるから軍隊だ。3項で自衛隊を明記しても「戦力なき軍隊」という新しい概念をつくらなければならなくなる。戦力がなければ専守防衛もできない。相手が攻めてきたときに迎撃する専守防衛でも、迎撃するための戦力がいる。自衛のための戦力は戦力じゃないとすれば机上の空論だ。
  「自衛のための戦力はこれを保持する」としなければならない。「自衛のための実力」でも構わない。
 ─憲法9条第1項2項を残したまま、前項の規定にかかわらず、3項で自衛隊の存在は認め、1項2項の例外規定とする文言はあり得ないか。
  世界中の軍隊は認めるが、日本の軍隊は別だという話になる。自衛隊を「Self-Defense Forces」と英訳できなくなる。

来年6月に衆院解散、任期満了なら安倍首相退陣も
 ─内閣支持率の低下で衆院解散の時期は遠のいたとみられるが、来年秋以降か。
  山崎氏 次期衆院選は、恐らく「来年6月解散-7月総選挙」ですよ。自民党総裁選は来年9月、その後12月に衆院任期満了が控えているから。来年6月解散がなければ、総裁選3カ月後の任期満了選挙になる。自民党総裁選で総裁が代われば、衆院本会議で首相指名選挙を行い、新内閣は直ちに解散・総選挙を行うことになる。その結果、政治史上、最短命内閣になるかもしれない。安倍首相が6月に解散ができないというのは、解散権を行使できなくなるほど政権の体力が弱っているということ。その場合、安倍首相は総裁選には出ないだろう。
 ─「次の総裁選まで安倍首相が持つかどうか分からない」という自民党議員の声を聞いたが。
 内閣支持率というのは人間の体温と同じだ。支持率が下がれば、体力、気力共に失われる可能性がある。
 ─首相が目指した改憲スケジュールは無理か。
  無理じゃない。首相はやろうとする。それが最後の仕事だ。だから保守対リベラルで戦わなければならない。岸田氏が台頭しようと思えばそれに反対するぐらいの腰構えがないと権力の座には就けない。
 ─石破氏は改憲論者であり、安倍、石破、岸田3人が総裁選に立てば、改憲派2人と護憲派の岸田さんが争う構図になる。
  石破氏は、これまで自民党がつくった憲法改正案が既にあるのに、何で別の案を出すかと言っている。それだけだと迫力がない。
 ─1つの筋論を言っているようだ。
  政治論としては成り立たない。自分たちが選んだ総裁が発言してしまったから。前のあの案はどうしたのかとクレームを付けたが、党内にそれに従う者がいない。実際、今までその自民党案で発議しようとはしていなかったからだ。あれは案をつくっただけだ。前文を変え、あまりにも網羅的に改正案を出しているから、自民党単独で3分の2の多数を得ない限り、実際は超党派的な理解が得られなくて改正できない。

民進党は政界再編に動くしかない
 ─都議選では小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が圧勝したが、民進党は2議席減の5議席にとどまった。安倍内閣の支持率が急落しても民進党の支持率は減っている。民進党の状況をどう見るか。
  山崎氏 今回の選挙で自民党も民進党もダウンした理由は、全て都民ファーストの躍進によるものだ。それが何を意味するか。既成政党に対する有権者の不満と不信が一つある。もう一つは、新旧交代というか、新しい政治のうねりに有権者が関心を持っているということだ。
  次の選挙で民進党が挽回しようと思っても、単なる選挙戦術ではどうにもならないところに来ている。党名を変えても駄目だった。ここは政界再編しかやることはないと思う。
 ─「都民ファースト」が「国民ファースト」になることで野党が動くことになるのか。
 「国民ファースト」がやがてできると思うが、民進党はそこと組むしかない。それが政界再編につながる。
 ─民進党からばらばらと人がこぼれて出ていくのではないか。
  こぼれるということは泥船から逃げていくということだが、飛び出た人たちは全部溺れ死ぬ。今の自民党だって、いっぺん自民党から出て、一度溺れ死にかかりそうになったが、かろうじて命をとどめ、息を吹き返して戻ってきた人が多い。
  政界再編の手品ができるのは小沢一郎氏(自由党代表)だった。今も小沢氏は(かつてイタリアでつくられた政党連合の)「オリーブの木」の再現をなどと言っているが、彼にはもはや力が無くなっている。

「日本のメルケル」狙う小池都知事
 ─小池都知事はいずれ国政に出ると思うか。
  山崎氏 出ますね。
 ─(小泉純一郎元首相、小池都知事、自民党の二階俊博幹事長、武部勤元幹事長、山崎氏が出席した)4月18日夜の会合ではそう…。
  そんな話は出なかったが、今は直感で言っている。彼女は多分、日本のメルケル(独首相)を狙っていると思う。(メルケル氏は63歳、小池氏は65歳で)年齢も近い。
  ドイツと日本は相似形の国だ。国力、国情、歴史も。第2次世界大戦の敗戦国で同盟関係だった。
  ぼくは彼女と話したことはない。4月18日にちょっと一緒にいたというだけで、そんな高尚な議論をしたわけではない。小泉、武部、二階3氏が一緒だから(笑)。
 ─小池さんは本来、保守政治家で安保重視の考えを持つ人のようだが。
  自民党に席を置いていたからで、そんな大思想家でもない。パフォーマンスの政治家、劇場型の政治家だ。
 ─小泉さんの手法をまねている。
  似ている。女性にしては珍しく権力欲が強いし、権力闘争にも強い。彼女は安倍政権に干されたから都知事選に出た。彼女は自民党内に足場が無くなり、身の置き所が無くなったので、都知事選に活路を見いだした。まず都知事選に出て、彼女は自分をプレーアップした。出て、勝って、それを踏み台にして、次に行こうと思っているのは間違いない。彼女は本当に都知事をやりたくて出たのではないと思う。
 ─都民ファーストの都議、国会議員や組織をつくって、このブームを維持するのは大変だと思うが。
  小池百合子氏は今までそれをやってきたし、また細川政権時代と同じことをやろうとしている。あの時は日本新党で細川護煕氏をかついだ方だった。保守の系列ではあるが、政党をいろいろ渡り歩き、要するに権力志向型の人間だ。権力の足場として、今は都知事という足場を選んだとみている。
  彼女は65歳。あと70歳まで5年しかない。それまでにどう動くかだ。頭も勘もいいし、パフォーマンスも優れている。他の女性政治家とはタマが違う。だから小泉との会合に呼んだ。都知事のまま落ち着くわけがない。
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