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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

SBS杯で印象に残ったプレー

2017年08月23日 23時29分19秒 | 高校サッカー・クラブユース
先日開催されたSBS杯で印象に残ったプレーを1つ紹介。

U-18日本対静岡ユースの試合で後半に途中交代で入った大山(常葉橘)のドリブル突破のシーン。
元々大山は当初メンバーには選ばれていなかったが、辞退した選手の代わりに追加で召集された選手だったが、今大会はジョーカー役として途中交代で試合に入って活きの良い動きを見せていた。
その中で最も良かったのが、右サイドからドリブルで相手DFを1人抜き去ったシーン。
抜いたのは浦和Yの左SBの萩原。夏に行われたクラブユース選手権では準優勝の立役者の1人で大会総括のエルゴラッソの記事にも活躍した選手として紹介されていた。
その萩原を見事に抜き去ったのだから大山のプレーのインパクトはかなり大きかった。

ただし、世間のユースオタク的な評価は「萩原注目してたのに、地域選抜の選手にあんな簡単に抜かれて、攻撃は良いけど守備は駄目かな?」というもの。大山に対するプラスの評価よりも萩原に対するマイナスの評価の方が大きいのが実情。

萩原は個人的にも注目していて、来季トップチーム昇格してもおかしくないレベルの選手であることは間違いない。
だから、今回のプレーに対する萩原のマイナス評価を覆すためにも、大山は今後もっとステップアップしなければいけない。

クラブチーム

2017年08月23日 23時26分10秒 | その他
高校サッカーの強豪校は3学年合計で100人を超えるチームも最近は珍しくなくなってきた。知っている限りで一番多いのは東福岡の330人。1学年110人いる計算になる。
それに比べるとJユースチームは所属選手が少ない。どこのクラブも概ね1学年10人程度という少数精鋭部隊という構成となっている。
参考までに実数を紹介すると、
清水Y:38人
磐田Y:37人
C大阪Y:43人
G大阪Y:45人
神戸Y:37人
京都Y:31人
FC東京Y:42人
東京VY:37人
浦和Y:42人
横浜FMY:40人
鹿島Y:42人
広島Y:35人
という感じ。

なぜ人数が少ないのか?明確な答えは無いけれど、理由は以下のとおりだと思う。
・将来トップチームで活躍する人材を育てる事を目的に活動しているので、可能性のある選手を選りすぐっているから。
・出来るだけ試合に出ない選手を少なくする為。所属選手の多くが試合に出られるようにするため獲得する選手の数を絞っている。
・高校部活動に比べたら費用面の負担は軽い。練習着やスパイクはトップチームのお下がりが手に入るなど、プロの卵に対するクラブのサービス(?)的なものがある。クラブユースの人数が多いとクラブの負担が大きくなってしまう。

つまり、プロ選手を育成するためのエリート教育機関と捉えて間違いないと思う。
ただ、個人的にちょっと気になる部分もある。

静岡の清水Yと磐田Yは公式戦に参加しているのは共にトップチームのみ。セカンドチームが県リーグなどに参加しているということは無い。40人近くで公式戦を戦うのが1チームと言うのはちょっと少ない。最近の強豪校は人数の増加に伴い、セカンドチームやサードチームに分けて活動しており、それぞれ県リーグや地域リーグに所属してリーグ戦を戦っている。40人近くいればチームを2つに分けてセカンドチームも公式戦を戦わせることは出来ると思うがそれはやっていない。

それと以前から気になっているクラブチームに関する疑問。
・指導者は教員ではなく元プロサッカー選手などサッカーで名を残してきた方々。サッカーの技術を伝えることに関してはレベルが高いと思うが、子供に対する人間教育の部分に関して教員と比べたら素人と言わざるを得ない。(人間教育に力を入れているクラブも増えてきているが、まだまだ…)
・そもそもクラブチームという文化は、学校部活動という存在が無いに等しい欧州の文化。それを部活動が存在する日本に無理やり持ってきて、部活動である程度うまく回っていたところに、「クラブ」という黒船がやってきた育成現場という状況。東京のようなサッカー部が無い高校が多い地域にはクラブと言う存在は需要があったかもしれないが、日本全国に根付かせる必要があったかいまだ不明。
・高体連とクラブが約20年仲良く喧嘩している状況が続いている日本サッカー界。未だ国民的行事の高校サッカー選手権にはクラブチームの選手は出場できない。クラブでは技術だけ教え込むだけで、世間の注目を浴びさせて成長を促すという事は出来ていない。

海外の文化を取り込んで日本流にアレンジしてオリジナルを超えるもを作ってしまうのが日本の良いところではあるが、このクラブシステムに関しては、Jユースの選手が「エリート」と突き上げられて、そのJユースに昇格できなかった高体連の選手が「雑草魂」で後から追い抜いて日本代表選手になる美談を描くための材料にさせられているのがJクラブの現状。

「一番良い才能の一摘み」を握っているJユースと、全体数からみると「圧倒的多数」を占める高体連。「一番良い才能の一摘み」から大輪の花を咲かせなければ日本サッカー界育成成功の歯車はいつまでたっても回り始めない。