Rhythm Technique Fightingspirits

藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

NEWヤクルト(再掲載)

2019年07月29日 21時38分50秒 | その他
NEWヤクルト(2013年11月12日掲載記事)
ヤクルトが新しくなった。

旧ヤクルト
価格:35円
シロタ株(乳酸菌):150億個

新ヤクルト
価格:40円
シロタ株:200億個

(参考)
ヤクルトエース(大人のヤクルト)
価格:70円
シロタ株:300億個
シロタ株の他にビタミンC、ビタミンD、ガラクトオリゴ糖が含まれている。

ヤクルト400
価格:70円
シロタ株:400億個


これまでのヤクルトに比べて価格は少し高くなったけれど、シロタ株(乳酸菌)の数が増えた。
因みに私は、ヤクルトの社員でも回し者でもスワローズファンでもありません。

今年の冬に風邪をひいたときに「何とか自分の免疫力を高めることは出来ないものか?」と自分なりに色々調べた結果、行きついた答えがヤクルトだった。
免疫力を高めるには免疫細胞を活性化させる必要がある。
免疫細胞を活性化させるためには、継続的に菌を体内に摂取しなければならない。
そこでヤクルトのシロタ株(乳酸菌)を毎日摂取することにした。
一応ヤクルトを毎日飲むようになってから1年近くたつが、まだ風邪はひいていない。
腸内のバランスを改善することにより、人に有益な作用をもたらす生きた微生物が広く受け入れられる俗に言う「プロバイオフィクス効果」のおかげか、ヤクルトを飲むようになってからの体調は良いと感じている。


コンビニやスーパーなどで、この時期になると赤い容器の「R1ヨーグルト」が良く売れるようになる。
TVでレスリングの吉田が「私はR1ヨーグルトを毎日食べているので風邪をひかない」と言って瞬く間に世の中に「インフルエンザ予防に効くヨーグルト」として認知され、スーパーなどでは売り切れ店舗が続出し「おひとり様1品のみ」などと表示してあるスーパーも多い。
乳酸菌は体内で繁殖できず、どんどん体の外へ出て行ってしまうので毎日摂取しなければ効果は少ない。
R1ヨーグルトは高額で売り切れ店舗も多く毎日続けるにはハッキリ言って向かない。
調べたら、ヤクルト400もR1ヨーグルトと同じような効果があるらしい。でもヤクルト400は店舗販売はしておらずヤクルトレディから直接購入しなければいけない。
では、ヤクルト400と普通のヤクルトの違いは何か?
ヤクルト400はシロタ株が400億個、ヤクルトはシロタ株が150億個と中に入っているシロタ株の数が違うだけ。
「なら普通のヤクルトを毎日飲めば良いじゃないか」というのが自分が出した答え。

乳酸菌にもいろいろな種類がある。詳細は最後に記載した通り。
一言で乳酸菌と言っても様々なメーカーが様々な乳酸菌を見つけ出し売り出しており効果も様々。
一番重要なのは毎日続けること。続けやすいものを選ぶことが大切だろう。

花粉症やトクホ飲料についても書こうかと思ったが長くなるので、それはまたいつか。


【乳酸菌一覧参考用】 乳酸菌名・製造メーカー・その乳酸菌が含まれている商品名

L-92乳酸菌(カルピス)  ※乳酸菌サプリメントのアレルケアに含まれている、通常のカルピスにはこの乳酸菌は含まれていない。
• 便秘予防と解消
• 免疫力効果
• アトピー性皮膚炎の改善
• 花粉症予防
• 抗アレルギー効果
• 風邪、インフルエンザの予防

KW乳酸菌(小岩井乳業) ※サプリメントなど
• 便秘予防と解消
• 免疫力強化
• アトピー性皮膚炎の改善
• 花粉症予防

1073R-1乳酸菌(明治)※R1ヨーグルト
• インフルエンザ対策
• 免疫力アップ

LG21乳酸菌(明治)※プロビオ
• 胃潰瘍の防止と改善
• 十二指腸潰瘍の防止と改善
• 胃痛の防止

LB81乳酸菌(明治)※ブルガリアヨーグルト
• 便秘予防と解消
• 肌荒れ改善

プロテクト乳酸菌(サントリー)※サプリメント
• 免疫力強化
• インフルエンザ対策

シロタ株(ヤクルト)※ヤクルト
• 便秘予防と解消
• 免疫力強化
• 花粉症予防
• 大腸ガン予防

ラブレ菌(カゴメ)※ラブレ
• 便秘予防の解消
• 免疫力効果

BE80菌(ダノン)※ビオ
• 便秘予防と解消
• 腹部の膨張を軽減
• 便秘型過敏性腸症候群の改善

LGG乳酸菌(タカナシ)※LGGヨーグルト等
• アトピー性皮膚炎の改善
• 便秘予防
• 免疫力強化
• 花粉症予防
• 抗肥満作用

BB536(森永)※ビビダス
• 便秘予防と解消
• 免疫力強化
• 花粉症予防
• 潰瘍性大腸炎の症状を抑制

L-55乳酸菌(オハヨー)※飲むヨーグルト
• 便秘予防と解消
• 花粉症予防
• アトピー性皮膚炎の改善

LKM512乳酸菌(メイト―)※ヨーグルト関連商品
• アトピー対策効果
• 寿命の伸長
• 免疫力向上
• 大腸がん予防

Bb-12乳酸菌(よつ葉)※北海道十勝プルーンヨーグルト
• 胃酸に強く死菌になりにくい
• 免疫力強化

ガセリ菌SP株(SBT2055株)(メグミルク)※恵ヨーグルト
• 便秘予防と解消
• 免疫力強化
• コレステロール値の低下作用
• 内臓脂肪の低減

フェカリス菌(伊藤園)※朝のYoo
• 花粉症対策
• 便秘予防

GCL2505株(グリコ乳業)※朝食飲むヨーグルト
• 便秘予防と解消
• おなかの中で乳酸菌を増やす

NY1301株(日清ヨーク)※ピルクル
• 便秘予防
• 便通をよくする
• ウェルシュ菌といった腸内有害細菌を減少させる

SBL88乳酸菌(サッポロビール)※体にぜいたくヨーグルト
• 睡眠障害の改善
• 腸内環境を整える
• 肝機能を整える
• 免疫力向上

K-1菌(亀田製菓)※発芽玄米
• 便秘予防効果
• ガン予防効果(変異原物質除去効果)

K-2菌(亀田製菓)※ハイハイン(菓子)
• アトピー性皮膚炎の改善
• 花粉症予防

クレモリス菌FC株(フジッコ)※カスピ海ヨーグルト
• 免疫細胞の活性化
• ストレスによる肝機能低下を改善
• 食後の血糖値の上昇をゆるやかにする
• 便秘予防と解消
• 免疫力強化
• 肌荒れ改善
• アトピー性皮膚炎の改善
• 血糖値の上昇抑制
• コレステロール値の低下作用



2019年7月時点、後日談
当然のごとく、未だにヤクルト生活は続けている。全く風邪をひかなくなったわけではないが、概ね免疫力は大きく改善されたと実感している。
結婚して嫁にもヤクルトを勧めた。最初はめんどくさがっていた嫁だったが、「秋からヤクルトを飲み続けていたら、春の花粉症の症状が大きく改善した」と、今ではすっかりヤクルト信者になっている。

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蹴るサッカーと繋ぐサッカー(再掲載)

2019年07月28日 06時10分11秒 | その他
蹴るサッカーと繋ぐサッカー (2013年01月26日掲載記事)

蹴るサッカーとは、一昔前の国見に代表されるような、「ボールを取ったら大きく前に蹴って選手を走らせるサッカー」
繋ぐサッカーとは、近年世界的に注目されているバルセロナに代表されるような、「ショートパスでボールをつないで攻撃を形成するサッカー」
一昔前までは、日本中のチームが蹴るサッカーをやっていたが、最近は日本中の大多数のチームが繋ぐサッカーをやろうとしている。

・なぜ昔は蹴るサッカーが主体だったのか?
サッカーは球体を足で扱うスポーツ。だから当然ミスすることが前提となり、そのミスをいかに減らすかというのがサッカーをするうえで基本的な考え方。
そのミスを減らすのに必要なのが基本技術。
まだ日本でサッカーがメジャーでなかった頃は、選手の基本技術も今とは比べ物にならないくらい低かった。
基本技術が低ければ中盤で繋ごうとしてもすぐにミスをしてしまうので、中盤を省略して前線にボールを放り込む戦略を選択するのが自然な流れ。
蹴るサッカーは、基本技術の低い中で効率的に相手ゴール前まで攻め込む戦略だった。

・今年の選手権は繋ぐチームが多かった。
近年では、小中学生から基礎技術の指導がしっかり行われている事で、全国的に基礎技術の高い選手が爆発的に多くなり繋ぐサッカーをやろうとするチームが増えた。
今回の選手権でも細かくパスをつなぐチームが非常に多かった。フットサルのようなサッカーをする帝京長岡や、GKまで繋ぎに参加する日本航空など、繋ぐことに強いこだわりを持ったチームもあった。
繋ぐチームが多かったが選手権を制したのは鵬翔。ベスト4まで勝ち上がったチームを見ても星稜以外は皆守備組織に比重を置いていたチームが勝ち上がっていた。
高校サッカーは、高校生がプロのマネをして、でも技術が足りずミスをして、そのミスから得点が生まれる。これが高校サッカーの常。
今回の選手権は、しっかり守るチームが繋ぐチームのミスを待ち伏せしていた大会と言っても良いかもしれない。

・なぜ蹴るサッカーは嫌われるのか?
近年では繋ぐサッカーが正しくて、蹴るサッカーは間違いという風潮がある。
世界的人気クラブであるバルセロナの影響もあるだろう。(正確にはマスコミの影響と言った方が正しいか?)
しかし一番の理由はやはり、蹴るサッカーは「技術を放棄している」と捉えられる傾向があるからだろう。
技術を放棄して蹴って走るだけの不細工なサッカーとして、嫌われるようになった。

・日本サッカーの「井の中の蛙化」
次回のブラジルW杯の出場権もほぼ手中におさめ、日本サッカー全盛期と言っても良い時代を迎えている今の日本サッカー界。
だが、次の次2022年カタールW杯のアジア予選、日本はかなり苦戦することになると予想している。(もしかしたら2018年ロシアW杯予選から苦戦するかも)
U-19代表の3大会連続アジア予選敗退と、中東の若年世代のレベルが急激に上がっている事がその理由。
日本のU-19代表がアジア予選で勝てなかった大きな理由の1つが、相手のパワープレー(蹴るサッカー)を跳ね返せなかったというところにある。
「日本はパワープレーに弱い」これがユース世代でのアジア各国の日本対策の常識。
なぜ日本はパワープレーに弱いのか?
長身DFが少ないからというのが1つの理由に挙げられるが、本当の理由は日本でパワープレーをするチームが存在しないから。
相手がパワープレーをやってくることはわかっていても、普段日本でパワープレーを受けた経験が無ければ対応力も低くて当たり前。
日本中どこに行っても繋ぐサッカーをするチームとしか対戦できない状況が、日本がアジアで勝てなくなった原因の一つと言って間違いない。
日本の子供たちは繋ぐサッカーしか知らない、井の中の蛙になっている。


最近では、「別に技術を活かした蹴るサッカーがあっても良いじゃないか」と思う。
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営利目的と教育目的(再掲載)

2019年07月25日 21時09分46秒 | その他
営利目的と教育目的(2013年01月03日掲載記事)

プロと学生サッカーの最も大きな違いは何か?
それはプロは営利目的で学生サッカーは教育目的だということ。


ただ、高校サッカー選手権に関してはTV局主導の営利目的の大会となってしまっている。
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今日の一言20190723

2019年07月23日 18時53分20秒 | 一言
不幸に対して鈍感で根性があると、運がついてくる。
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ドラゴンボールから考えるマスコミが世間へ与える影響力(再掲載)

2019年07月19日 21時08分00秒 | その他
ドラゴンボールから考えるマスコミが世間へ与える影響力(2010年11月17日掲載記事)

マスコミの影響力の高い情報化社会となっている昨今、マスコミが世間にどれだけの影響力を持っているのか、鳥山明氏の人気漫画「ドラゴンボール」(以下DB)を例に考えてみたいと思う。

この漫画の主人公である孫悟空と、DB世界のスーパースターであるミスターサタンを比較しながら話を進めていきたいと思う。
戦闘能力    :孫悟空 > ミスターサタン
DB世界での人気:孫悟空 < ミスターサタン

以上の関係式については改めて確認するまでもないだろうが、DB読者として1つ疑問に思うのは「なぜミスターサタンはそんなに人気があるのか?」ということだ。
孫悟空は第23回天下一武道会優勝者であり、第21回・第22回では連続で準優勝している。
対してミスターサタンは(作品の設定上は)第24回天下一武道会優勝という経歴を持っている。
どちらも天下一武道会の優勝者だが、人気に関してはミスターサタンが世界のヒーローなのに対して孫悟空の存在を知っている人間は非常に少ない。

なぜ同じ大会の優勝者なのにも関わらずこれほど人気に差が出たのか?
これが今回の論点。


それまでどちらかというとマイナーな大会だった天下一武道会が、(おそらく)第24回の大会からスポンサーがついてマスコミが入ってきたことによりTV中継など世界的に大々的に放映されるようになったこと、そしてミスターサタンがそのマスコミの扱い方がうまかったということが原因だと考えられる。

あくまで勝手な推測だが、孫悟空がピッコロと戦った第23回大会から第24回大会の間に10年以上の大会が開催されなかった空白の時間がある。おそらく孫悟空とピッコロの戦いによって、ピッコロ代魔王が復活してパニックになったり、会場が吹き飛んだりしたことが問題になり天下一武道会そのものが無くなりかけたが、そこから大会を復活させようという動きが出て、スポンサーがつきこれまで以上の規模の大会に生まれ変わりTV中継もされ世界的にも注目される格闘技大会として劇的な復活をしたのだと思う。
孫悟空が活躍していた第23回大会までの大会については、TV中継はもちろん無く、観客席は階段席ではなくただの平地。試合が良く見えたのは観客席最前列の人だけだった。そんな状態ではいくらレベルの高い試合をしても、そのレベルの高さを実感できるのはおよそ100人程度だけ。その人が後で他の人に「すごかった」といくら言ったところで、そのレベルの高さが充分に伝わることは無いだろう。
ミスターサタンの優勝した24回大会では(おそらく)TV中継があり、観客席もより多くの観衆が観戦できるように階段席になっていたと思われる。注目度が高くなった大会で優勝したことによりミスターサタンの名が世界に広まったと考えられる。
※ 実際は、ミスターサタンが第24回天下一武道会で優勝したというのは後付設定、最初は格闘技の世界チャンピオンとしか紹介されていなかった。

DB世界の人間からしてみたら、映像などは残ってなく見たことも無い前回大会の優勝者の孫悟空のことは何もわからない、TV中継していてマスコミが大きく取り上げたミスターサタンはスゴイ!という感覚だろう。


誤解を恐れずに思い切ってサッカーに例えてしまうと以下のとおりになる
高円宮杯の優勝チーム=孫悟空
選手権の優勝チーム =ミスターサタン
高校選手権を侮辱していると怒られそうだが勘弁してほしい。

ミスターサタンが世界最強だと信じて疑わない人間を生み出すくらいマスコミの力は想像している以上に果てしなく大きい。熱の入った過剰報道は、踊らされ誤解する無知な勘違い人間を大量生産する。
無知な勘違い人間が増えれば増えるほど、その誤解は多数派となり世界の当たり前の常識となってしまう、恐ろしいことだ。

ミスターサタンには本当の実力は無かったがマスコミに注目されたという運があった。そしてそのマスコミをうまく利用して世界のヒーローになった。これだけ見たらミスターサタンは運と少しばかりの実力だけだったといえるかもしれない。
ただし、最後に付け加えて書き記しておきたい事が1つ。DBの世界で忘れてはいけないのは、ミスターサタンは自分の人気でDBの世界を救っているという事(ブウを倒した元気球のくだり)。無知な勘違い人間を自分の都合の良いように使う事、それも「1つの力だ」ということをミスターサタンが教えてくれた。
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彼らの神 (再掲載)

2019年07月17日 22時54分12秒 | その他
「彼らの神」 金子達仁著(文春文庫)(2010年05月22日掲載記事)


先日古本屋で目にとまり購入した本です。なかなか興味深いことが書かれていました。

スポーツは経済活動に似ている。
オリンピックでの国別のメダル獲得数を見てみると、ほぼ人口もしくはGDPの規模に比例した結果になっている。しかしその両方で共に恵まれた規模である日本はスポーツの世界では結果を出すことが出来ない。
なぜ日本は世界で勝つことが出来ないのか?これがこの本で書かれている内容。

結論から言ってしまうと、日本がスポーツに対して金をかけていないことが世界で勝てないことの一番の原因だとこの本には書かれています。以下にこの本に書かれている内容を詳しく紹介します。

【身体能力の差】
著者は、まず先によく「身体能力の差」という言葉が使われるが、身体能力は必ずしも決定的な要素にはならないと言っている。
身体能力の差だけが原因ならば、日本のお家芸である柔道は、世界的に競技人口の増加した現在では、既にオリンピックで勝てなくなっているはずであるし、かつて日本のお家芸で「日本人に最も適した球技」と言われたバレーボールは未だに廃れることなくオリンピックで活躍できているはずだからだ。
スポーツの世界で勝つためには「人口」と「環境」という二つの条件をクリアしなければならない。そしてその二つの条件をクリアしていれば身体能力のハンデは克服できる。

【Jリーグは成功すると信じていた外国人】
かつてJリーグが日本に誕生した時、世界のサッカー関係者はJリーグの成功を信じて疑わなかった。彼らは口をそろえてこう言った「経済で成功した日本なんだから、きっとサッカーでも成功する」と。
当時、誕生したばかりのJリーグに現役のブラジル代表主将だったドゥンガが磐田に移籍してきた時に彼が語っていた言葉が「私が日本へ移籍することに対して金目当てだと陰口を叩くものもいるが、私が日本への移籍を決断した一番の理由は日本の将来性だ。私はこの国は間違いなく強くなると信じていたし、これから強くなっていく国のリーグの創世記に携われることは魅力的なことだった」
しかし、ドゥンガは実際にJリーグでプレーし、日本に対して失望しこのような言葉を残した。
「日本に来るにあたって、日本はサッカーの世界でもきっと厳密な規律のもとで効率化が進められるに違いないと思い込んでいたが大きな間違いだった。経済での素晴らしい成功と共通する部分があまりに少ないのは驚きだった」

【外国におけるプロフェッショナルの意識】
そもそもなぜ「プロスポーツ」が誕生したのか?
外国におけるプロスポーツが誕生したきっかけは、「あそこのチームには負けたくない」という勝利を最優先に求める「民意の高まり」から副業を持つアマチュアにアドバンテージを与えるために生まれた職業である。アドバンテージを有効に使えばより勝利の確率が高くなり、ライバルのチームは遅れてはならないとこれに追随した。
市民クラブの代表的存在ともいえるFCバルセロナは、「レアルマドリッドに負けたくない」という民意の高まりから地元(バスク地方)の数多くのサポートを受けている。しかし巨額の投資をするスポンサーでもバルセロナのユニホームの胸の部分にはスポンサーのロゴは入らない。それでもスポンサーが支援するのはバルセロナが企業の広告塔になるのではなく、FCバルセロナのために力を貸すことは、地域に溶け込むうえで極めて有効な手段と考えられているからである。

【日本におけるスポーツ及びプロフェッショナルの意識】
まず、外国は「村」「都市」といった単位でスポーツが伝播されて行ったのに対して、日本におけるスポーツの単位は「学校」だった。本来「勝利」を最優先に考えなければならなかったスポーツだが、学生と言う本分を持つものをスポーツの主役にしてしまった日本では、単純に結果だけを追い求めるわけには行かなくなった。「スポーツには結果よりも大切なものがある」という考え方が日本の常識となっていった。
日本でプロスポーツ(プロ野球)が誕生したきっかけは1931年読売新聞が企画したメジャーリーグ選抜対全日本の親善試合であり、企業の興行的・人為的なものでファンが存在するものではなく、ファンは開拓するものだった。Jリーグ誕生についてもファンの要望が高まっての誕生と言うよりは、それまでサッカーに携わってきたごく少数の関係者の熱意と、広告代理店の戦略が噛み合ったゆえのプロ化だった。
つまり日本には外国のプロ化のような民意が無かった。
日本人は依然として自分達の生きている世界の主役が自分達であること、つまり「民が主」を自覚しきれていない部分がある。

【施設と人口】
日本のトッププロ選手は海外遠征を頻繁に行う。(最近では卓球の愛ちゃんが海外遠征のスケジュールが多忙で大学を中退せざるをえなくなった)海外遠征を行う理由のひとつに日本にトッププロ選手を満足させられるだけの施設が無いという問題がある。2002年のW杯で日本に8つの新しいスタジアムが出来たが、サッカー専用のスタジアムはたった3つしかない。他はみなサッカーだけしか出来ないのはもったいないと言う理由で、観客をピッチから遠ざけることになる陸上用トラックの併設を余儀なくされた。
日本は経済大国であるにもかかわらず、それに見合っただけの投資をスポーツにしてこなかった。だから勝てなくなった。
また、日本は1億人以上の人口を有しながら勝てない。その最もたる例がサッカーと言っても良い。日本の18歳以下でサッカーをやっている選手の大多数が学校の部活動に所属している。平均すると1チームあたり35人という計算になる。つまり24人は試合に出られないわけである。競技人口が多くても実際にプレーする選手の数はもっと少ないものになってしまい、これでは完全に宝の持ち腐れとなる。ヨーロッパの場合は運動する場は学校ではなくクラブである。クラブの場合は移籍が可能であり、試合に出られなければ試合に出られるクラブに移籍することが出来る。
日本ではなぜか劣悪な環境で頑張る選手が美しいとされ、出場の見込みの無いまま補欠に甘んじる選手達が素晴らしいとされてしまう。欧米では、環境を改善しよう、チャンスを与えようという動きはこれまでのところほとんど出てきていない。
日本が経済で成功したのは金と人の力を効率よくフル稼働させたからこそだ、しかし日本のスポーツ界では、経済で成功したその力が十分にスポーツに注がれていないと言うのが現状である。
日本は経済大国である、だが日本の多くのスポーツが経済大国とは思えない環境に置かれていることを、はたしてどれだけの日本人が自覚しているだろうか。

【日本が勝つために】
日本のスポーツが今より世界で結果を残せるようになる為には、日本人がスポーツを文化として捕えるようになる必要がある。文化として捕えるようになればスポーツの運営に携わる人間が白眼視されることは無くなる。維持・あるいは発展のために資金を投下しようという発想も出てくる。逆に言えばそうならない限り、スポーツを文化として捕え惜しみなく資金を投じる諸外国との差は開いていくばかりになる。
第2次大戦後ドイツが急速にスポーツで力をつけてきたが、その要因はスポーツを楽しむ環境の整備だった。国際大会で結果を残せば、若い層はその競技にあこがれる。今までより増えた競技人口を吸収する為には施設を作る必要が出てくる。ドイツは底辺を吸収する施設と頂点を満足させる施設があるから力をつけることが出来た。
果たして今の日本に「ここは世界一」と胸をはれるスポーツ施設がいくつあるだろうか。その数が増えていかない限り日本人の国際大会での苦闘は今後も続いてしまう気がする。

【日本人が信じられるもの】
仮に競技人口が無駄なく試合に出られる環境が整い、施設も充実したとする。ハード面での環境が整い世界との戦いに挑む時、日本人は何を信じて戦ったら良いのだろうか?
国家なり宗教なりに対する意識の希薄な日本人は、国家や宗教に支えを見いだす国の選手といかに渡り合えば良いのか?
「結局のところ自分しかない」
自分を信じる力、信念の強さが重要になってくるのではないか。



最後に個人的な感想
日本が経済大国でありながら、スポーツの世界で結果を残せないのは、日本人がスポーツは勝つことよりも人間育成に重きを置いていることが原因という考え方は確かだと思います。ただ、だからといって学校単位の日本のスポーツのあり方を全否定する必要は無いと考えます。部活動は人間教育が第一の目的となります。それはそれで良いと思います。学校単位のスポーツは精神力であったり忍耐力、社会性などを鍛える面もあり、全てが悪いわけではありません。
現在のクラブのあり方を見ていると、これまでの日本のあり方を排除して外国のものをそのまま日本に持ち込んでいる感じがします。
日本人には日本人らしさがあるので、その日本人らしさを生かした上で(これまでの形をベースとした上で)これまでの日本のやり方で問題となる部分を改善する為に、海外の考え方を参考にするという方法が望ましいというのが私の考えです。
学校単位がベースでも、スポーツが文化として定着することはきっと出来ると私は思います。

2005年12月29日にテレビ静岡にて放送された「馳星周vs金子達仁!!日本サッカーよ強くなれ!激論SP」という番組で金子達仁氏は以下のような発言をしています。
「クラブで世界一を狙うことは、代表で世界一を狙うことよりずっと簡単なこと、それはお金で解決できるから、世界一を本気で狙うクラブが出てきてそれをファンが支える図式が出来てほしい」
「イタリア人やスペイン人からしてみたら、『おいおいパナソニックがクラブを持ってる!?トヨタがクラブを持ってる!?それはレアルマドリ、バルサ、ミラン金じゃ敵わんぞ』と普通は思う」
世界的に見ればそうなんですよね。トヨタが本気になれば世界のクラブからしてみればかなりの脅威となるはずです。その為にはサポーターがクラブにお任せするのではなく、「おらがチーム」を地元が熱心に支えることが重要です。
清水エスパルスサポーターが、ジュビロ戦が近づくと「ジュビロだけには負けることは許されない」というような鬼気迫る雰囲気になるくらいの熱意が生まれてほしいものです。
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戦術的ピリオダイゼーション理論(再掲載)

2019年07月15日 14時47分08秒 | その他
戦術的ピリオダイゼーション理論 (2010年02月17日掲載記事)


戦術的ピリオダイゼーション理論(以下PTP)
約30年前にポルトガル人のヴィクトル・フラーデ氏が発案したサッカー専門のトレーニング理論。
同理論を採用しているジョゼ・モウリーニョ氏(現インテル監督)がFCポルトやチェルシーで目覚しい結果を残すにつれて同理論の注目度がスペインを中心に近年高まっている。

私も興味があったので少し調べてみました。参考にしたのはスペインでFCバルセロナスクールコーチをしている村松尚登氏の著書「テクニックはあるがサッカーが下手な日本人」(ランダムハウス講談社)という本と、その村松氏が筑波大学でPTPについての講演会を行ったときの動画が某動画サイトにあったので(約5分の動画が1~50まで計約2時間)それを参考にしました。


PTPについて調べてまずわかったことは、一言では言い表すことの難しい理論だということ。
最初は「何のこっちゃ意味わからん」という感じでしたが、少しずつ内容がわかるにしたがって、日本サッカーがうまくなる為には、出来る限り若年層からこの理論を活用した練習をする必要があると感じました。

PTPを私なりの言葉でわかりやすく表現すると、「出来る限り実戦に近い環境を普段の練習から作り出し、それを反復し体に覚え込ませる」ということになると思います。

本の文書を引用しながらもう少し細かく説明します。
・ サッカーの試合はあまりにも多くの構成要素が相互に影響を及ぼしあっている複雑な事象であるため次の展開を予測することは出来ない。
・ しばしば「サッカー=技術+戦術+体力+精神力」と表現されるが、サッカーの試合の1場面を切り取った場合、その1場面が技術だけだったり体力だけということはありえない。
・ 要素ごとに細分化してトレーニング(技術だけのトレーニングや体力だけのトレーニング)するのではなく、「サッカーをサッカーのままトレーニングする」
・ サッカーの本質(特徴) を反復練習して習慣化させる。
・ 技術・戦術・ドリブル・パス・シュートなど分割したトレーニングをした場合、サッカーの試合でマイナスになりえる行動を選手達に習慣化させてしまう危険性がある。例えばボールを奪いに行かないことの習慣化、声を出して指示を出さないことの習慣化、攻守を切り離して考えることの習慣化、素早い攻守の切り替えを行わないことの習慣化、状況判断を伴わない個人プレーの習慣化、試合のリズムを考えないことの習慣化など。
・ 守備の準備をしながら攻撃し、攻撃の準備をしながら守備をすることを習慣化できるように練習メニューを工夫する。
・ 各自で決めたチームのプレーモデルを習慣化させることがPTPの練習の目的、つまり考えなくても体が反応する状態まで持っていく。
・ PTP自体は具体的な練習メニューを提示してはくれない。なぜなら各チームのプレーモデルは千差万別で、そのプレーモデルを習慣化させる練習メニューは各監督自身が創造しなければならない。
・ PTPは単なるトレーニング理論の枠を超えてサッカー哲学のようなもの。
・ 練習と試合の境界線が極力無くなるような練習を行う。
・ 次の展開が予測不可能な出来事の連続こそがサッカーの本質であり、その想定外の出来事の対応策を練り習慣化させる。
・ サッカーを細かく分解してトレーニングするのではなく「サッカーそのものをトレーニングする」つまり「日常練習の試合化」が最も簡単なPTP実戦方法。

最後に著者はこんなことを言っています。「サッカー後進国日本は、先を急ぐあまり、サッカーの本質を理解しないまま、サッカーの全体像を理解する前にサッカーの各部分(技術・戦術・パス・ドリブル・シュートなど)ばかりに目がいってしまい、サッカーを細分化して理解することが習慣化してしまったのではないか。

理解すると「まさにその通り」という感じになりました。今後日本にこのPTPがより普及してほしいと思います。問題はやはりこの理論自体が明確なトレーニング方法を示したものではない漠然としたものであるということ。指導者がこの理論を理解したうえで、実際教える選手に練習の意図をうまく伝える必要があります。(実際トレーニングするのは指導者ではなく選手ですから)指導者の力量の問われるトレーニング理論ですね。


最後にPTPとはあまり関係ありませんが本に書かれていた言葉で印象に残った言葉です。
・ スペインの子供にとってサッカーの基本は「駆け引きや賢さ」という意識が強い。
・ 日本は中盤のテクニックのある選手が多いが、それはサッカーの基本が「テクニック」だと考えているからではないか。
・ バルサスクールでは子供( 10歳)に試合分析をさせている。次の試合に影響することはほとんど無いが、習慣化させることによってサッカーが単なるテクニックの集合体ではなく様々な要素が複雑に組み合わさったスポーツであるということを痛感する。
・ 試合の流れは自分達で作り出せるものではなく、様々な要素が複雑に組み合わさって作り出されるもの、「流れを作る」ことは出来ないが「流れを感じる」ことが重要になってくる。
・ 著者の考えるサッカーの特徴(一部)「攻守は表裏一体」「早く走れば良いってものじゃない」「想定外なことばかり」「相手も適応してくる」「適切な状況判断を伴わないテクニックは意味の無いテクニック」「急がば回れ」「駆け引き」
・ サッカーはサッカーをすることでしかうまくなれない。

【中古】テクニックはあるが、サッカ-が下手な日本人 日本はどうして世界で勝てないのか? /武田ランダムハウスジャパン/村松尚登 (単行本)
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高円宮杯U-21 (再掲載)

2019年07月13日 18時19分11秒 | その他
高円宮杯U-21があっても良いじゃないか(2010年10月14日掲載記事)


広島Yの優勝で幕を閉じた高円宮杯。
現行の大会方式は今大会が最後で、来年からは東西に分けた全国リーグを1年間戦い、東西の優勝チームで最後に優勝決定戦を行う予定らしい。
決勝戦の内容に関しては、現地観戦ではなくTV観戦だったので詳しい感想を書くことは控える。

高円宮杯は現在高校生のU-18と中学生のU-15が存在し、U-18は1993年から(2003年から大会方式が大きく変った)、U-15は1989年から開催されている。
自分はさらにU-21という大会があっても良いのではないかと考えている。
対象は主に大学とJリーグの21歳以下の選手。
つまり大学3年生までと高卒3年目までのJリーガーが対象の大会だ。
狙いは、高校を卒業してJリーガーになった選手と大学サッカーを選択した選手の真剣勝負の場を設けること。さらにはサテライトリーグが廃止になり試合経験を積む場の無くなった若手Jリーガーの救済が主な目的になる。
おそらくJリーグのチームは21歳以下の選手でチームを作るには選手が不足し満足に1チーム作れない状態になると思うので、オーバーエージ枠として25歳以下の選手の出場を3人まで認めるとか、ユースチームの選手の出場を認めるといった措置が必要になってくると思われる。

各地域予選については、サテライトリーグが廃止されたことにより、各地域で独自の育成リーグを発足させる動きが出てきている。すでに関東・北信越・東海以外の地域では独自の育成リーグが以下のとおり発足し動き出している。(2010年時点)

北海道:北海道チャンピオンズスーパーリーグ
東北:みやぎチャレンジリーグ
関東:未定
北信越:未定
東海:未定
関西:関西ステップアップリーグ
中国・四国:中四国サテライトリーグ
九州:九州チャレンジャーズリーグ

これら独自の育成リーグを母体として各Jクラブ、大学が参加するリーグが各地域で整備されることが高円宮杯U-21の本当の目的ともいえる。


今の日本の若手選手で最も伸び悩んでいるのが、18歳から21歳までのJリーガー。
公式戦に出られない選手が本気で狙えるタイトルを設けてほしいと思っている。

問題は大学サッカーの日程か。
コメント
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