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その夜、ヒジュンはボンヒの家を訪ねて来ました。
ドアの暗証番号まで知ってる仲だったのねぇ。
丁度、ボンヒがコンビニに出かけてる間でした。勝手に部屋に入り込んだ時、後から来た何者かに、刺されて倒れてしまったのです。
その直後、帰宅したボンヒが、ヒジュンの遺体を発見したのです。
あっという間にボンヒは容疑者となってしまいました。
ボンヒ、知らない間に殺人の目撃者となっていたようですね。
と言っても、その時、停電だったし、メガネをかけてなかったので、向いのビルで何が起っているのかなんて、彼女には全く見えていませんでした。
犯人は、ボンヒに見られたと思い込んで、部屋に来たと言うわけです。
帰り道で、自転車に乗った人物とすれ違ったボンヒ。それが犯人だったのよ~っ
ボンヒは、無実が証明されると思っていました。
だけど、修習生の中では、ボンヒがヒジュンに恨みを抱いていることを知らない者はいません。状況証拠とは言え、不利な状況です。
ジウクは、昔、僧侶に予言めいた事を言われていました。
「女に気をつけろ。お前の運命に悪縁が一つ見える。男と女はめぐりあわせが悪いと人生が一瞬で破滅することもある。出会ったら最後、お前の人生を破滅させる女だ。
その時の夢を見ました。
直後に、ボンヒから電話が入ったので、ボンヒこそが、その悪縁の女だと感じました。
緊急逮捕されたと聞き、飲酒運転か?窃盗かs?公然わいせつか?・・・と冗談っぽく言ったら、
「殺人です。」
と、言うじゃありませんか。
流石に凍りつきましたよ、ジウクも。
何故こんな事が起ったのか、分からないし怖いし・・・とボンヒ。
頼れるのはノ検事しかいないんです・・・と。
頼るな・・・とジウク。
「頼ります。私を助けられるのはノ検事だけなんです。」
服を脱いで、身体を洗え・・・とジウクが言いました。
まだボンヒは、血まみれだったのです。
シャワーで血を洗い流しながら、初めてヒジュンが死んだと言う実感がわいて来ました。
ヒジュンは、自分を裏切り、苦しめ、振ったけど、本当に死を望んだことはありません。
初めてヒジュンのために泣けたボンヒでした。
ボンヒにとってさらに運が悪かったのは、ヒジュンの父親が検察庁長だということ。
無罪率が一番低いということで、ジウクが担当検事を命令されました。
公正に捜査し、正義の実現を・・・と父親のチャン検察庁長はジウクに言いました。
その言葉の裏には、一刻も早く起訴し、有罪に持ち込めと言う暗黙のプレッシャーがあるのは言うまでもありません。
万が一、厳罰に処せられなかったら、ジウクは退職を余儀なくされ、弁護士の道も険しくなるぞ・・・と上司は言いました。
ジウクは、ボンヒを取り調べました。
当時は停電だったということもあって、コンビニでの買い物も現金だし、監視カメラの映像もありません。店員もボンヒの事を覚えてはいませんでした。
ボンヒはジウクの取り調べの様子を修習で何度も見ていましたので、懐柔策も強気の攻めも通用しません。
他に容疑者もいないし、状況証拠は全てボンヒを犯人と指しています。起訴されるのは間違いないし、無罪だとしても有罪判決を受けるだろう・・・とジウクは言いました。
検察庁長の存在がある以上、その筋道が既に出来上がっていると言っても過言では無いのです。そして、自分の検事としての未来のためにも、それにっ従わなくてはならないんだとジウクは思っていました。
「私はノ検事を信じています。唯一の頼みの綱だと思っています。」
ボンヒは真っ直ぐにジウクを見て言いました。
心情的に見て、ジウクもボンヒが殺人者だとは全く思えませんでした。
チ・ウニョク=チェ・テジュンssiに、ジウクから弁護依頼が入りました。ボンヒの弁護です。
以前は友人だったようですが、何らかの理由で、今は絶縁状態になっています。連絡が入るのも何年振りか・・・とウニョクは嬉しそうです。
ジウクの方が、縁を切ったようですが、ウニョクはそうじゃないみたいですね。
母親がボンヒの面会に来ました。
ボンヒは勿論、母親も、相手に心配させないよう、最大限明るく元気に話をしました。
でも、時間が来て、ボンヒの姿がドアの向こうに消えた途端、がっくりと肩を落としてしまった母でした。
ウニョクがボンヒに話を聞きに来ました。
ジウクが頼んで来たと、正直にウニョクは言いました。ジウクが連絡をくれただけで有難いと言いました。
自分をあれほど嫌っているジウクが頼んでくるくらいだから・・・とボンヒとの関係に興味が湧いたジニョク。
「以前は指導検事で、今は捜査検事です。」
と、ボンヒはあっさり。
他に聞く事があるのでは?・・・とボンヒ。
「ありますよ、殺しましたか?」
と、ジニョク。
「いいえ。」
と、即答したボンヒ。その表情を見て、ジニョクも濡れ衣だと確信できたかも。満足そうでした。
IQがごくごく普通の私が司法試験に受かるためには、どれほどの努力をしたか分かりますか?・・・とボンヒ。
自信も無いし、母に迷惑をかけているのも心苦しかったし、いっそ働きに出ようかと何度も思いました・・・と。
やっとここまで来たのに、これまでに費やした時間と努力が全て水の泡に。だから、真剣に弁護してください。
私と家族の人生がかかっているのです。
ジウクは、現場に赴きました。
そこで、凶器を発見したのです。これまで何度も何度も捜査員たちが現場検証したにもかかわらず、今、この時に見つかるなんて・・・。
それに、そこから7キロも離れた場所でも凶器が発見されたと言う連絡がその時入ったのです。
凶器が2つ・・・。
ジウクは、凶器の鑑定を秘密裏に行うよう鑑識に依頼しました。
そして、そのどちらからも被害者の血液反応が出たのです。
と言う事は、ボンヒは犯人ではないということです。
起訴を急がせる検察庁長に、凶器が見つからないとジウクが言った時、検察庁長は、見つかるだろう・・・と言ったのです。
凶器をねつ造しても、有罪にしようという魂胆が見え隠れしていました。ジウクも気付いたでしょう。
裁判が始まりました。
縋る様な目でジウクを見るボンヒ。
でも、ジウクは、検事としてボンヒの罪状を上げ、証人の供述を示し、一切手加減をしませんでした。
ウニョクも、ボンヒの無罪を主張し、検察側の証人の供述に反論し、弁護は上手く行っていました。
ところが、それをぶち壊したのは、ボンヒ本人。
証言を求められ、つい、感情的に言ってしまったのです。
「本気で殺害計画を練っていたのなら、周囲に話す筈はありません。人は考えても行動に移すとは限りません。」
ここまでは良かったのです。ところが、続けて
「正直に言えば、誰でも一度くらい夫や彼氏に殺意を持ちますよね?」
って言っちゃった。
この言葉は、殺意があったと受け取られかねません。案の定、マスコミは、殺意があったと書き立てました。
女性には共感されることも多かったようですが、マスコミ等の男性からは、散々に叩かれてしまったのです。迂闊な一言でした。
次の公判で、ジウクは追加の証拠を提出すると言って、現場で発見された凶器を提出しました。
ウニョクはすかさず反論しました。
現場では検察と警察が何度も現場を捜索した、それでも凶器は見つからなかったのに、今更見つかるのは変だ・・・と。
凶器についての専門家の意見を聞く事になりました。
ウニョクは、そこで、凶器がねつ造されたものかどうかの判断は可能だという供述を得ました。
その上で、検察側の論告求刑が行われました。
ジウクはちょっとためらった様子を見せながらも、懲役15年の求刑をしました。
ボンヒは、放心したような表情を浮かべました。
ウニョクの最終弁論が始まりました。
検察側の主張は、状況証拠ばかりで・・・とウニョクが述べはじめた時、突然ジウクが立ち上がりました。
裁判長がジウクに注意しました。
「弁護側の最終弁論の途中です。なぜ・・・。」
ジウクはまだ迷っていました。
でも、その迷いを断ち切るように、言ったのです。
「追加で証拠提出を。」
ジウクが出したのは、別の場所で発見された、もう一つの凶器でした。
別々の場所で見つかった2つの凶器。そのどちらにも被害者の血液が付着しています・・・と言いました。
共犯者がいるか、ボンヒが瞬間移動でもしない限り、捨てることは出来ない遠方です・・・と。
裁判長が聞きました。なぜ、すぐにこの証拠を出さなかったのか?・・・と。
「意図的にです。真相究明より、私には公訴の維持が重要なので・・・。」
内幕を暴露しました。でも、自分の責任だという表現です。
「2本の凶器のうち、1本はねつ造です。つまり、2本とも証拠能力を失います。従って検察官は、公訴を取り消します。」
皆がざわつきました。
ボンヒもウニョクもあっけにとられました。
「検事が自爆したんです。」
ジウクの亡き父の友人ピョン代表が、ボンヒの母に言いました。
ジウクは、直前まで迷っていました。
彼の父親も検事でした。父の姉が犯罪者に奪われたことを理由に検事を目指したそうです。
政治家や権力者にすり寄る検事では無く、刑事犯罪と闘う検事でした。ジウクにとってはヒーローでした。
その父も犯罪の犠牲になってしまったのです。
ジウクは父の遺志を受け継ぎたくて父の様な検事を目指していました。犯罪と戦い、一人でも多くの犯罪者を捕まえて、いつか検事として死にたいと思っていたのです。
だけど、ねつ造されたと確信している証拠を隠し、ボンヒを有罪とすることは、父の志に反する事でした。
しかし、真実を口にする事は、検事の道を閉ざされる事です。葛藤しますわな。
結局、父の信念を引き継いだのです。
ボンヒは釈放されました。
裁判所から出て行く時、マスコミに取り囲まれたボンヒ。
その時、口笛が聞こえました。
事件の日、すれ違った自転車の男が吹いていた口笛のように思えました。
検察庁長は、ジウクを殴りつけました。
ジウクは黙って殴られていました。でも、うつむく事はありませんでした。
そして、検察を出て行ったのです。
検察を去る日、門の前でボンヒに会いました。
「悪縁だ。」
と、ジウクが言いました。
ジウクを信じ、ジウクに惹かれ始めているボンヒは、顔がこわばりました。
「だから、二度と俺の前に現れるな。」
冷たく言いました。
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