アナーキー小池の反体制日記

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#2876 記し継ぐべきこと ⑪ 滝川市農業開発公社粉飾決算事件(上)

2018年12月16日 | マチの事件簿
今回は第3セクターの粉飾決算を行ったとして、市職員に月給1割カット2ヶ月の処分が出た事件です。
平成22(2010)年に発覚しました。
この頃は小学女児いじめ苦自殺事件、2億4千万円生活保護費カツアゲ事件、体育協会不正経理事件など不祥事が年中行事化していました。
その中では扱いが小さく目立たなかった事件ですが、いやらしさは格別なものがありました。
暗黒史編に含めるのが適切だったのかもしれません。

粉飾決算を主導したのは、当局発表のとおり滝川市農業開発公社N平取締役(滝川市職員・課長職)なことは間違いありません。
そのN取締役が作成したという議事録メモが存在し、表に出ています。
そのメモには「(粉飾決算について)S社長(滝川市副市長)、T常務取締役(市農務関係部長)に報告済み。」と記されているのです。

3セクの役職名と市役職員の役職名が入り混じり煩(わずら)わしいので、以下、S社長(副市長)をS副市長、T常務取締役(市農務関係部長)をT部長、N平取締役(市職員・課長職)をN課長と表記します。

このことを市議会でちょこっと追及された市側調査委は「S副市長など(関係者)5人はそれぞれメモの内容は事実でないと証言した。メモを作成したN課長は粉飾がバレたときに身を守る証拠になるように作成した と証言した。」と答えたのです。

N課長は「粉飾がばれたときに身を守る証拠に文書をでっち上げた」と間の抜けたことを言っています。
しかい彼は、その文書を盾(たて)にして上司の関与を主張した、ことは一度もなかったのです。
現にその文書は身を守るどころか、身を滅ぼす作用を及ばせています。(ご当局のご配慮で身を滅ぼすことにはならなかったけど)
「S副市長・T部長に報告済み」なことが事実である、ことは自明なのに。

公務員が“責任の所在を上司に押し付けるため、文書をでっち上げる”なんて聞いたことがありません。
もし本当なら、N課長はとんでもない悪徳公務員です。
粉飾ですら商法違反の犯罪なのに、上司に責任をおっ被(かぶ)せる工作を行うなんて前代未聞です。
(そういえば厚生労働省で、このようなタチの悪い冤罪事件が起き、若い職員が厳罰を受けました)

S副市長・T部長に報告済み、と記されている文書は、N課長が自身が作成したものだ、と認めています。
議事録メモもれっきとした公文書ですので、ウソを記したのなら公文書偽造の責も問われます。

結局、市側調査委の「S副市長など(関係者)5人はそれぞれメモの内容は事実でないと証言した。メモを作成したN課長は粉飾がバレたときに身を守る証拠になるように作成した と証言した。」ことを議会も真に受けたふりをして決着したのですから、行政と調査委と滝川市議会の談合だったのです。

N課長は、一生 粉飾決算犯と、その責任を上司になすりつけようと画策した者、としての十字架を背負わねばなりません。
誰も、体制の維持のための人身御供だ と評価などしてくれません。

本当にN課長が「上司に責任を負わせるため議事録メモを捏造(ねつぞう)した」とするなら、それはそれで大きな犯罪です。
地方公務員としてどころか、人としてやってはいけないことをしてしまった、ハレンチ人と言われても仕方がないような愚劣な事件でした。
月給1割2ヶ月減額では到底済ますことができない不祥事でした。

続きます。
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