アナーキー小池の反体制日記

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#1771 東洋ゴムデータ改竄事件(上)

2015年10月26日 | 犯罪と防犯と審判
大企業の犯罪シリーズ第3弾は、東洋ゴム工業試験データ改竄(ざん)事件です。
東洋ゴムの試験データ改竄が明らかになったのは、なんと今回で3回目なのです。
悪質ですので、1回目からの悪行を検証しましょう。

1回目は2007年の断熱パネルの性能偽装です。
ゴム会社が建物の断熱パネルを製造していたなんて意外でした。
そして、その製造していた該当断熱パネルは耐火性が求められるのだけど、認定試験を受ける際のサンプルには燃えにくい物質を混ぜていたというのです。
しかし販売される製品には、その物質は使われていなかったのです。(製品は、認定基準の1/3程度の性能しかありません。なんともVWの排ガス事件と構図が似ています))
問題の断熱パネルは1992年から販売され、学校など176の建物で使われていました。
性能の偽装は歴代の担当者が把握していましたが。2007年10月、「ニチアス」の耐火性能の偽装が発覚し、この時点で初めて上司に報告があり偽装が明らかになったものです。
なぜ断熱パネルに耐火性を備えたパネルが使われるのか?それは火事の歳、燃え広がるのを防ぐためです。
防火認定を不正取得したこの断熱パネルは、延焼を避けなければならない箇所などに、法律で設置が義務付けられているものなのです。
1/3しか耐火性がないこのパネルでは、免れるはずの延焼が起き、焼死者が出るかもしれません。
人の生死にかかわる重大な偽装で、犯罪です。

2回目は今年3月の免震ゴム性能データ改竄(ざん)です。
同社が製造・販売した建築物の免震機構に用いられるゴム製部品について、不良品の出荷や性能データの偽装が発覚しました。
免震ゴムの免震とは、構造設計の考え方の一つで、地震力を抑制することによって構造物の破壊を防止することを意味します。
免震は地震力をなるべく受けない(免れる)ことを指すのです。
免震では、建築物の場合には基礎部分に免震工事を行い、震動を吸収するための金属板とゴムを交互に重ねた積層ゴムアイソレータが広く使われます。
その肝心な積層ゴムアイソレータの性能データ改竄です。
もちろん良い方向への改竄ではなく、効果が薄いのに基準どおりの効果があるように見せかける性能データ改竄です。
大きな地震が起きたら、耐えうるべきものが壊れてしまうのです。
今大きな問題となっているマンションの基礎杭不正疑惑と同様、建物を文字通り根底から揺るがす、人の生死にかかわる重大な偽装で、犯罪です。
データ偽装が行われていた3種類の製品は大臣認定が取り消されました。
日本国内の自治体の庁舎・マンション・病院で使用されており、棟数は55に及ぶとされています。
これを受けて同社は6月に山本社長らの引責辞任を発表しました。

犯罪はもう1回あるのですが、長くなりますので次回に続きます。
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