アナーキー小池の反体制日記

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#2543 記し継ぐべきこと ⑫ 滝川市の利雪構想(中)

2018年01月01日 | マチの事件簿
がひょ~ん、いえ、賀春です、今年もよろしく、なんてね。
年をまたいでの記し継ぐべきシリーズ、昨年の続きです。
滝川市の利雪構想崩壊の顛末、を続けます。

何度か委員会を開催し、おざなりの報告書ができました。
残念なことに、ボクはその報告書の内容を覚えていません。
ただ、媚山教授は第一回の委員会でこのマチをモデルとして実証実験を行うことをあきらめていました。
結局、空知地方の利雪検討実証実験を行うところは近隣の美唄市になったのです。

媚山教授はその後も精力的に利雪に取り組み、名誉教授となっている現在も第一人者として活動しています。
その媚山氏が中心となって進めた美唄市の“利雪”は、世界から注目を集めるほどのものになっているのです。

“利雪”は主に、冬に降った雪を蓄え、夏の冷房に用いるものです。
農作物(米・麦など)は、夏季間、冷房を施した倉庫に保管しなければ品質が落ちてしまいます。
今までは電気を使った冷房機を用いていましたが、雪を活用することにより、経費の削減、さらには地球に優しいエコなエネルギー源としての評価もされているのです。

雪の利用は、美唄市ですでに実用化されています。
マンション全館の冷房に用いられています。
事務所や住居への導入も実施されています。
もちろん穀物倉庫での利用も、です。
この空知地方は冬はとても寒いのですが、夏は意外ととても暑いのです。
年寄りが熱中症で死んでしまうほど暑いのです。

新たな用途が注目を集めています。
データ・センターの冷却としての雪の利用です。
データ・センターとはインターネットのサーバーといわれる大型コンピュータや通信機器などをまとめておく施設です。
ネットなどの進展によりデータ・センターは大型化しており、その機器から発せられる熱が誤作動を生む可能性があると問題となっていました。
美唄市では、雪の冷熱システムを利用した「ホワイト・データ・センター」を計画中で、電力コストの9割ダウンを目指しているのです。

コンピュータの故障や誤作動による金融機関や交通機関の混乱が始終起きています。
今やコンピュータが正常に働かなければ日常生活すらおくられない、そんな時代なのです。

大型コンピュータは大量の電力を消費し、大量の熱を発します。
大量に発せられる熱を放っておいたら、大型コンピュータは過熱して故障してしまいます。
大型コンピュータは冷却が必要なのです。

そして、災害によるコンピュータの損壊の危険が懸念されています。
大地震や河川氾濫による洪水などで、コンピュータはいとも簡単に壊れてしまいます。
損壊によるデータの消滅は、甚大な損失をもたらします。
今の時代、データが消え去ることは、ある意味致命的なのです。
官庁や大手企業は、離れたところに予備のデータ・センターを求めようとしています。

続きます。
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