4月相場も終わった。ウォール街では業績相場の色彩が一段と強まった。
4月はダウ平均+2.4%、S&P500+2.7%、ナスダック+3.3%と昨年12月以来の上昇率を記録した。5ヵ月間の連続高である。昨日は建設機械の最大手キャタビラーの決算発表があったが、利益が5倍に増えた。新興国での好調な需要が業績を押し上げた。NY市場でのけん引役のひとつになった。
ウォール街では4月初めには昨年と同じような調整局面を予想する向きも多かったが、そのような見方をはねのけ高値引けになったのは、バーナンキ議長の金融政策に対しての信頼感がある。株価高が消費を喚起し、世の中のムードを変え景気の回復に役立つという固い信念をもつだけに、ウォール街の信頼感が一段と高まる。グリーンスパン時代と異なって政策の透明度が高い。
昨日も金、銀の貴金属相場に資金が流入し、銀のETF(SLV)が大商いになった。1980に記録した市場最高値を抜くのも時間の問題になってきた。引続き強弱が対立し、ショートカバー(売り方の買い戻し)が相場高の弾みになっている。
今週の米バロンズ誌は全米152人のファンドマネジャーを対象に恒例の「Big Money Poll」の結果を掲載している。昨年秋にはNY株の先行きへの強気は27%であったが、今回は45%になった。
ほかの市場では新興国株のほかに日本に注目する向きが13%あり、「もっとも有望」としているのには注目される。逆張りの視点からである。特に円相場が対ドルで下落するのは時間の問題とみる。
連休明けには東京市場でも決算発表が本格化するが、個別物色の動きが一段と強まるだろう。
ナブテスコ(6268)が1株25円(前期9円・予想は18円)への増配を連休前に発表した。決算面でもサブライズがありそうだ。