2009年3月9日、NYダウ平均は666ドルで大底いれした。株価はほぼ2倍近くに上昇した。
ウォール街では機関投資家をはじめ、これまで慎重姿勢を通してきた個人投資家の資金が市場に流れはじめた時に中東での騒乱が、株価に衝撃を与えた。
早くもスタフグレーション説(景気停滞とインフレ)が出ていている。
弱気論の台頭である。
そんな中で「年末のS&P500は1600まで上がる」と予想する強気の運用者がある。ヘッジファンドのロバート・モルトビー(Singular Research)である。彼の根拠は本年のS&P500の1株利益が$100に達するという企業業績の好調にある(現在のコンセンサスは$95)。
また需給面ではポートフォリオに占める個人の株式比率が37%と10年来の低水準にあることにも注目している。彼は2008年の金融危機の到来をいち早く当てた実績をもつ。
中東での民主化運動の広がりという、いつかはやってくるとみていた動きが、意外に早く起こったことに、世界の投資家は大きな戸惑いを持ちはじめた。
先週の強気ムードが一転して弱気に変わったが、東京市場でも人気株が5~10%下落した。
どこで買いを入れるかの検討を始めるときがきたとみたい。
今回の混乱は短期のテクニカル指標の過熱と、地政学的リスクが重なった。