足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

東京・NY市場が反転・・・アマゾン・コムに注目

2016-09-28 05:28:24 | 投資戦略
ニューヨークで恒例の「Delivering Alpha Conference」がCNBCによって開催された。米国の機関投資家、ヘッジファンド、政府関係者などが講演する場だ。世紀の投資家ビル・ミラー、ヘッジファンドのカール・アイカーン、レイ・ダリオ(最大の運用資産会社を運営)、カール・アイカーン、ジヤック・ルー(米財務長官)など豪華なメンバーが集まった。人気が集中したのは世紀の投資家ビル・ミラー(投資銀行レッグ・メイソン)だ。滅多にこの種の催しには顔を出さないが、それだけに参加者はその投資戦略に大きな関心を示した。
ビル・ミラーの具体的な戦略をみてみよう。まずS&P500をロング 10年国債をショートである。
彼は「米国債はS&P500と比較して割高である。金利水準は底値を打った。連銀の次回の利上げは時間の問題である。30年前の1987年9月までさかのぼると(1987年クラシュの1ヵ月前)の10年国債のPERは11倍、S&P500は同15.6倍であった。2016年9月の国債のPERは63.8倍、S&P500は18.5倍である。この収益率をみても株価が国債に比べていか割安かが分かるはずだ。
先行き連銀が利上げをすれば国債の価格は下落する。株式の投資価値は配当利回りと株価の値上がり益を合わせて判断するが、債券は利息だけである。ビル・ミラーは国債と株式の投資価
値を1987年の株式バブル時と現在を比較した。

1987年9月 2016年9月
10年国債 11倍 63.8倍
S&P500 15.6倍 18.5倍
6ヵ月財務証券 15.1倍 222.1倍
株式と同じように国債のPER(国債の時価÷利息)を計算し株式と比較するというビル・ミラー式の基準はユニークであり、説得力がある。
彼は金利について語ったが、米金利は底入れ、今後は正常化に向かうが、ヨーロッパと日本がマイナス金利政策を取る。しかし、これ以上の金利の引き下げには反対する。
以上が相場観で目先の相場の上下変動は気にしない。アマゾン・コム(AMZN)のほか、欧米の銀行株、医薬品について強気見通しを強調した。

昨日のNY株は2日間続落のあと反発した。週末のクリトンとトランプのTV討論後、クリントンが優勢が出たからだ。
また足元の景況感を示す個人消費、サービス業の指標が大きく上昇したことが好感された。
バイオ、ハイテク、銀行株が相場をリードした。先行きには明るさが戻ってきた。

昨日の東京市場も久しぶりにNY株に先行して反騰した。円高基調をはねのけ消費関連、医薬品株が買われた。ウォール街と同じように先行き光りが見える相場であった。

ビル・ミラーの推奨するアマゾン・コムに注目しよう。端株もオンライン取引で売買できる。