NY市場は市場の予想通りの展開である。
オバマ勝利、ロムニー敗北を売っている。
2013年1月から始まるブッシュ政権による減税の廃止、財政支出の削減に懸念、それがユーロ危機、中国の景気減速への懸念にまで拡大した。
金融、エネルギーが売られた。NY市場をこれまで先導してきたグループである。
個別銘柄ではアップル(AAPL)の下落のショックが大きい。この日は$537と高値$705から-23.9%も短期間に暴落した。機関投資家の保有率が高くポートフォリオには必ず組入れる銘柄になっていた。20%以上の下落はテクニカル面では弱気のテリトリーにはいった。
今回の下落が改めていかにロムニー候補に期待していたかを証明した。
仮にロムニー候補が勝利しても目先の難題が解決されるわけではないが、市場が期待したのは「変化」である。4年前にオバマ大統領がチェンジ(change)を掲げて当選したことが想起される。市場がオバマ大統領に突きつけている最大の問題である。
NY株が暴落すると足元の好材料も見過ごす。この日、発表された失業保険件数は予想を下回り雇用問題は好転している。また貿易収支も改善した。日本の経常収支が悪化しているのとは対照的だ。
NY株にはこれまでから言われてきた問題を懸念する声が一段と高くなったが、相場がテクニカル面で調整を必要としていたことも確かである。
東京市場も決算発表が終幕にきた。2013年3月期の見通しは事前の予想を下回ったが、好調な銘柄の個別物色も散見される。相場が底入れたとき、これれのグループの人気がリードするだろう。