ウォール街でも新年度の幕開けは明るかった。
ダウ平均は上昇し2007年12月以来の高値になった。サブプライム問題が表面化する前の水準である。相場のけん引役は製造業、エネルギーなどの景気敏感株であった。足元の景況感を示すISM(製造業)指数が53.4と2月の52.7を上回ったことを好感した。
4月相場に対しての期待感が強い。4月は習性として過去5年間、相場は上がりダウ平均は月間で平均+4.5%になった。記憶に新しいところでは2009年4月で現在の上昇トレンドのスタート台になった時期である。
昨日の東京市場でも4月相場の幕開けは好調であったが騰落指数は51.4%と値下り銘柄の方が多かった。上昇セクターの圏外にいた投資家が多く、相場の内容の割には満足感のない相場の内容であった。
ただ一方、新高値銘柄は208とことしに入ってから初めて200の大台に乗せた。業種やテーマよりも個別物色の人気の強い相場の内容でストック・ピッカーズの活躍する相場展開だ。
例えば日立製作所(6501)が新高値をつけたが、重電三社ではひとり気をはき売買代金も三菱UFJと並んで2番目になった。血の出るようなリストラを断行し収益力の回復が顕在化してきたのを買う。
先行きこのような視点で人気銘柄が輩出していけば、個人投資家の株への関心も高まる。
東京市場でも底流ではこのような人気が芽生えてきたことは注目点である。
世界最大の債券ファンドを運用するピムコのビル・グロスが債券から株式関連のETFのファンド力を入れ始めたことも株式市場には追い風である。