2011年の東京市場はあと5日間の立合いで終わる。
欧米の月曜日はクリスマス休暇だ。
NY市場は経験則からして年末の最終週は株高が多い。過去41年間のうち31回がプラスで終わった。ことしはこれといった材料はないが、やはりユーロ圏での金融不安が相場の最大の関心事として尾を引くが、目先は小康状態。
ウォール街で関心が出てきた新年のテーマの一つはIT関連である。
米国では企業の投資の大きな部門を占めるようになってきたのがIT投資である。ソフト関連である。インターネットが出現してから情報処理のスピードがこれまで考えられなかった次元のスピードで加速化され、企業の合理化投資の主流になってきた。増産のための設備投資ではなく、IT投資が企業の先行きを左右する。
ウォーレン・バフェットがこれまで「ハイテクには絶対に投資しない」という鉄則を破ってIBMの大株主になったのも、製造業が従来型の省力化投資だけでは限界が出てきたという確信をもったからである。銘柄分析の原理原則は曲げないが、これまでの基準でIBMを分析してその投資価値を再認識した。同社のROE(株主資本利益率)が60%以上あるのにはいまさらながら驚く。
数年前から米国では仮想化(バーチャル)が株式市場のテーマになりVMウエア(VMW)、オラクル(ORCL)などの人気株が出たが、新年は東京市場でもこの種のテーマで人気銘柄が出てくるとみる。ユーロ危機とは無縁の銘柄である。