NY株は先週の4日間の続落のあとを受け、今週は2日間の続伸になった。
特に材料が出たわけではないが、あえて探せばユーロ圏の落ち着きだ。
ウォール街の関心事は引き続き金曜日のジャクソンホールでの世界中央銀行の総裁が結集するフォーラムにある。
昨年の同時期にはバーナンキ議長がQE2に言及しただけに、今回も何らかの政策の話しが出ると期待する向きも多い。
しかし昨日のウォール街では追加の緩和策に否定的なエコノミストの意見もみられた。
これ以上の緩和策はインフレという弊害を生むという懸念である。量的緩和の代替案として①中央銀行への準備預金に金利を付ける②ツイスト・オペレーション(短期債の買い上げと長期債の売り―を予想する向きも散見される。②の政策は短期を上げ、長期を下げるという金融政策だ。
いずれにしろバーナンキ議長は現実主義者で、これまでの学識から市場に安心感を生み出す行動をとることは十分に予想される。
市場ではVIX(恐怖)指数が7月22日の17.52から先週末は43.05になった。市場の不安心理がリーマンショック時に並ぶ状況であることは十分に承知している。
ヘッジファンドは慎重だ。
この波乱期には火の子を被らないように守りの姿勢である。相場が下落しても資産は平均より少ない下落率にとどめる戦略をとる。