足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

日欧米の株価の下落要因

2011-08-06 08:08:48 | 株式

世界最大の債券ファンドを運用するピムコ(Pimco)の共同経営者エル-エラリアンの相場分析が今回の世界的な株安についてのもっとも明快なものであった思う。彼の見方は次の通りだ。

    米国景気は広範囲にわたって鈍化してきた。個人には雇用市場の低迷、借金の支払いの重圧が続いている。連銀のQE2で資産価格が上昇して、個人の心理は好転したが、景気の自律回復という循環は実現しなかった。

    市場が政治不信に陥り、最近の政治の混迷でワシントンの統治能力に不信感を持ち始めた。

    ヨーロッパ金融危機は終焉しておらず、ギリシアに次いでイタリアとスペインに問題が波及する懸念があり、最後はユーロ圏の存続に問題が発展する。

これらの3つの問題の解決のためには株価の反転と市場が平静さを取り戻さなければならない。

世間を驚かせるような政策次第では相場には回復力があるだけに、その力を低評価すべきではない。市場外には大量の資金が温存されており、国際的な大企業のバランスシートは堅牢である。

もし政策が市場にうまく応えるタイミングを失すれば、向こう数週間の市場では不安が増幅され株価にさらなる下落をもたらせるだろう。

エラリアンが指摘した問題点に政策当局がどう動くかが先行きのカギを握る。