今週を含めて2010年の相場もあと残すこと2週間余になった。第4週はクリスマスにはいるので、第3週は年内では実質的には最後の売買の週にはいる。
ウォール街ではヘッジファンドを始め機関投資家は2010年の運用に一区切りをつけ着地点に進む。
相場には外部の大きな材料が出ない限り大きな変動は見込まず、関心は2011年の相場環境と運用戦略の検討にはいる。
最近の材料で面での関心事は中国でのインフレの進行である。11月の消費者物価が+5.1%と過去28週では最高の上昇率になった。中国の中央銀行は先週の準備率の引き上げに続いて、今週は金利の引き上げに踏み切る可能性が出てきた。
想起されるのは日本の昭和40年代の後半と、現在の中国と類似点である。
日本は田中内閣のもと列島改造計画を打ち出し、経済の拡大政策を打ち出したところへインフレ問題が浮上し、そこへオイルショックに直面した。インフレが加速したが、経済資源の面で弾力性のあった日本経済はオイルショックを乗り切り、昭和50年代の日本の繁栄の時代に突入した。
当時の日本経済と現在の中国が2重写しになる。
インフレを経験しながら中国は国内の資源の活性化を進め、一段と国際社会でのプレゼンスを高め、世界経済のエンジン役としての地位を強化し、新興国がその余波に乗る。
この点が50年代の日本が活躍した時期とは異なり、世界経済には成長を持続させる原動力が存在する。
引き続き2011年も新興国での資金運用に力いれるとともに、中国、新興国の躍進で恩恵をうけるセクターに投資では注力しよう。
今週は金融株と商品関連に力を入れたい。