昨日の世界の市場はワシントンでのバーナンキ議長のスピーチに大きな関心をもった。
同議長は「雇用情勢をはじめ景気が力強い回復の足取りを取るまでは現在のゼロ金利を継続する」と強調した。ドル相場は対円では下落した。ただほかの通貨に対しては堅調で、この動きが金をはじめほかの商品相場にはマイナスの影響を与えた。
相場の先行きをみるには昨日のウォール街でのニュースは複雑だ。
シカゴ・オプション取引所のVIV(恐怖)指数は、先週末の21.25から22.10と小幅だが反転した。市場は相場の先行きには気迷い。
円相場は取引の多い12カ国の為替16のうち、上昇した数少ない通貨であった。
市場参加者は政府が打ち出す景気対策に目を向ける。行動の稚拙には苛立つ。
ここでの最大の関心事は円相場の動向である。それによってポートフォリオの中の輸出関連株のウェイトを決めなければならない。
先週来の東京市場での反騰は円安の恩恵を受ける銘柄がリードした。ハイテク株をはじめ、2007年までの人気銘柄であった任天堂(7974)が大商いになった。このトレンドが続くなら、円相場の目先95円への下落を先読みすることになる。輸出企業の下半期の円相場の目標値であるからだ。
ただNY株の動きには疲れは見えないのが心強い。ここでの小休止は年末高に向かっての歓迎される現象である。今週の日本の景気対策に円相場がどう反応するかが目先の最大の材料である。