週末のポールソン財務長官と両院の関係議員とのやりとりは、まるでドキュメンタリー映画をみるような感じであった。
インターネットの流すニュースのおかげである。特にグーグルがはじめた「グーグル・クローム」という新閲覧ソフトは、同社のうたい文句どおりスピードが速く、これまでのマイクロソフトの製品より、はるかに使い勝手がよいし、入手したい情報が、こちらの手の内を見透かしたように、画面に侵入してくる。まさにどこからくるのか、「侵入」ということばがぴったりである。
ワシントン・ポストによると、土曜日(現地時間)の3時過ぎ、ウォーレン・バフェットと親しい議員が電話でバフェットの意見を求めた。金融安定化法案の議論が大詰めを迎えているときである。
バフェットはかねて「現在は真珠湾攻撃を受けたときのようなショックを国民が受けている」と語っているほど、金融市場には未知の事態に対しての恐怖感を読んでいる。
この議員にバフェットは何を話したかは、知る由もないが、その後、ポールソン財務長官との議論の席に、バフェットの意見が持ち込まれた。
このような事態の推移が、PCのモニターの前で座っているだけで、知ることができる。
「グーグル・クローム」が、蜘蛛の巣のように張りめぐらされた糸を伝って飛び込んでくるのは実にありがたい。
本日の東京市場は、議会での法案の先行きに不透明さを感じた。
心理的な因果が支配する市場人気のときだけに、波乱は仕方がないが、今週中にはひとつの方向性が出てくると思う。