日本のメディアにはヘッジファンド性悪説が支配しているのか、苦境に立った悪い話は紹介されるが、悪気流のなかで、健闘しているファンドや、大儲けしたニュースはなかなか伝わらない。
K・ローゼンが運営するヘッジファンドの「ローゼン・キャピタル・パートナーズ」は7月のパーフォーマンスは+2.97%で、1~7月は+28.71%であった。
1998年のスタート以来の成果は2.9倍で、市場平均の+10.7%を大きく上回った。
彼の運用戦略はオプション取引に特化しており、すべての取引はヘッジしている。機関投資家が3月のベアースターンズ破綻以来、プット(売る権利)買いに力点をおいて取引したのに対して、オプションのヒストリカル・ボラティリティ(HV)が3月以来、18~20%変動したが、VIX指数は30%の変動したことに注目した。
オプション取引の理論値に対して市場では50%のプレミアムを出した(割高で取引された)。
それをショート(空売り)し、割高でないオプションでヘッジした(買い)。
ローゼンは「いつもなにかに取引しているということは避ける。チャンスとみたときには動くが、取引をまったくしない期間もある。“商品相場ブームのよろめき”と“大統領選”が株価とオプションの変動率を高める。キャシュ・ポジションを高めることに不安を感じる必要はない。チャンスは必ずやってくる。しかし何時来るかの予想はしないことだ」と語っている。
過去10年間の波乱時に成功してきた運用者の話である。
投資戦略を立てる上では含蓄のある言葉だ。