海運、造船が動き始めた。
昨年と同じように日米とも株式相場は6月が一番底になり、夏相場があるというのが、われわれの相場観であるが、そのリード株のひとつが造船株である。
東京市場での造船株というのは数が少ない。再編成のために数が少なくなったのと、大手の造船会社が造船部門の縮小を図ったからである。韓国の台頭で競争力をなくし、付加価値の少ない分野であるために、日本のメーカーは力を入れず、縮小均衡の政策をとった。
いまや地球経済は大きく変貌した。モノの動きは「北」→「北」が中心であったのが、「北」→「南」、「南」→「北」、「南」→「南」と運搬ルートが拡大し、複雑化した。
造船の単価はここ10年で3倍近くになった。これまでにはみられなかった現象である。1970年代の一時期にもタンカーを中心に中古船の価格が上昇したことがあるが、今回は構造的に需給が大きく変化してきた。
これまで仕手的な銘柄とみていた造船株の評価もすっかり変わった。
名村造船所(7014)に注目。日本の数少ない造船会社である。韓国、中国との熾烈な競争が続くが、受注の大半が国内の海運会社である。日本の海運会社は手元流動性が豊かになり、品質面では抜群の国産の新造船を選ぶ。
2007年3月期の受注は売上げの2倍近い数字になった。2004~2005年の第1次設備増強計画がここへきてフル回転。第2次も2006~2007にかけて進行中。
業績面での飛躍はこれからである。