足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

インフレは起こらない・・・新興市場のリバイバル物語

2005-05-19 18:45:30 | 株式
相場の基調を一転させたのはNY株の動きだ。
特に注目されるのは金利の動向である。世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス(ピムコ)が「インフレの恐れは少ない。中国の低賃金がインフレを抑制する。それに米国債には内外から資金が流れてくる。3~5年は金利は3~4.5%で安定する」とウェブ上で語ったのが引き金。かってのアビー・コーヘン(ゴールドマン・サックス)よりも、世界の株価に大きな影響力をもつ。これまで抜群の成果を上てきた実践家だけに、世界中の投資家が注目する。金利の上昇を見込んで、債券をショート(カラ売り)していた向きの、買戻しも入った。
結果的には日本の相場を動かす原動力になった。
新興市場も底入れした感じだ。本日の日経新聞の第1面に「新興3市場・経済に活力」という記事が掲載された。かねての私の持論の「日本産業の再生は新興企業がになう」という見方に強力な賛同者が出てきた。
東京市場はNY株の傘の中に入ってしまっているが、全く異質の市場は新興市場だ。ここで底入れしたなら、昨年後半のような下げトレンドはまだ先ということになる。
いま注目しているのはエムティーアイ(9438・JQ)だ。1999年に公開された。当時は携帯電話のダイレクトメールなどによる販売で注目された。しかし光通信が大株主で、ネット・バブル崩壊とともに大きく売られた。ここへきてビジネスモデルが携帯電話へのコンテンツ配信に変貌、売り上げの60%を超えてきた。ほかに保険のテレマーケッテングによる販売が5%弱。
後発だがFOMA向けの着うたでは4位に浮上してきた。
1株当たり売り上げは22万3000円。PSR(株価÷1株当たり売り上げ)は1倍を超えたところ。
ネット株のリバイバル物語にのる。山の頂上までの道のりは、幸い遠い銘柄の一つである。