マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、平尾水分神社おんだ祭

2007年03月03日 13時59分41秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
初乙女還幸。

(H19. 1.18 Kiss Digtal N撮影)

<追苗取之事>
若い五月女の若苗取るやこの女の手は 「囃子:取る手もいくえ 取らん手もいくえ」

奥の白石はつばくろがすくんだる今年の稲は 「囃子:七輪に八升付八輪に九升」

京から下る伏黒の稲は 「囃子:かうではいろとなる いろいろとなる」

吉野山の桜は 「囃子:八重のこまの桜よ」

天野寺の桜は 「囃子:八重のこまの桜よ」

奈良の京の桜は 「囃子:八重のこまの桜よ」

此の当所の桜は 「囃子:八重のこまの桜よ」

池の尻のしょうぶを一引ひいたれば 「囃子:根も白し葉も白し風が吹けばさざんだ」

池の尻のこも草を一引ひいたれば 「囃子:根も白し葉も白し風が吹けばさざんだ」

とび草の花を手にちょいとつみいれて ゴマの葉にざらざら


続、平尾水分神社おんだ祭

2007年03月03日 13時58分40秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
追苗オンダの儀。

若宮さんが退去されると最後に「追苗」おんだが続く。

大当に続いて初乙女、小頭の順に幾回も回りつつ囃子を受けて「若い五月女の若苗取るやこの女の手は 奥の白石はつばくろがすくんだる今年の稲は」と唱え大団円。

初乙女は再び担がれて社務所へ戻っていきます。

焚き火を燃やし甘酒の接待で熱いもてなしを受けた祭りの夜は静かに幕を閉じていく。

(H19. 1.18 Kiss Digtal N撮影)

続、平尾水分神社おんだ祭

2007年03月03日 13時56分09秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
若宮さんのコヨリ。

田植が無事に終わると田植え休息の間食(けんずい)に移ります。

けんずい持ちはけんずいの桶を担いで「世の中が良ければ良ければ良ければ」と唱えながらお出まし。

そして、「若宮さん」と呼ばれるたくさんのコヨリ巻いた黒い翁面の人形が小当に抱かれて登場します。

患部に当てれば病い平癒するというまじないの若宮さんのコヨリ。

私は肩、私は腰なんよと貰いにでる行列が並ぶ。

(H19. 1.18 Kiss Digtal N撮影)


続、平尾水分神社おんだ祭

2007年03月03日 13時53分38秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
芋つむぎの儀。

(H19. 1.18 Kiss Digtal N撮影)

<鍬初之事>
えんやっと打越して候えば 餅ごわいの香がほっとした 三社大明神の御御供に参らせ候て猶残候 所は日本国大明神 小神の御御供に参らせ候て猶残候 所をば氏子達に耕らわせて猶残候 所をば戌亥の角に宝の山ともたとえたり

えんやっと打越して候えば 古酒の香がふうとした 三社大明神の御神酒に参らせ候て猶残候 所をば日本国大明神 小神の御神酒に参らせ候て猶残候 所をば氏子達に能らわせて
猶残候 所をば戌亥の角に酒の泉ともたとえたり

えんやっと打越して候えば あやにしきよふらんの香がはっとした 三社大明神の御戸帳に参らせ候て猶残候 所をばおんぼうたちのけさのしき衣がいに参らせ候て猶残候 所をば戌亥の角に宝山とも納めたり

<掛初之事>
福太郎も徳太郎も牛を引きだせかけぞめするぞ させいさせいかいにこうたる牛なれば 月に六才雨を雨をと申す

<苗代角打之事>
一の国からこんだ打つ おのこが打ちやはじめよし 所よしよぅし  「囃子:よしよぅし 所よしよぅし」

<苗代しめる事>大夫は左のほうへクワの金具を、右のほうへ柄を置き 柄を三回扇でたたいて拍子をとる (*この所作がたいへんユニーク)
吉事はこの当所へしっとしっとしっと 悪い事は西の海へずう

<水入る事>
福徳えほうの方よりすみにすんだる水をくわくわくわ

<水戸祭之事>
まちに万束せまちに千束きにまとう みにふとうおふねおふねあさあさと 寸の稲つぼ尺のほうたれ枡付はあらもと しらず壱斗弐井  「囃子:ここちょうし」

<福の種を蒔事>
まこよまこよ 福の種をまこよ
おかたたちの肩えは かたびら餅の 種をまこよまこよ わらべたちの肩えは きさだ餅の 種をまこまこよ ことのばらの肩えは こやなごの種をまこよまこよ おんぼうたちの肩えは けさなごの種をまこよまこよ  「囃子:まこよまこよ 福の種をまこよ」

<一番子の間に芋つむぐ事> 
吉事は此当所へくるりくるりくるり 悪い事は西の海へずうぼうぼうぼう

<二番子の間に春田打事>(打出の小槌)
春鍬やそよんな  「囃子:打出の小槌」 

<三番子の間にくだまき鳥追事>
吉事は此当所へくるりくるりくるり 悪い事は西の海へずうぼうぼうぼう

<苗取之事>

若い初乙女をしともみもんだれば 実は立ったら竹になる四石蒔いた苗を 「囃子:いっとろぞ四石蒔いた苗を」



続、平尾水分神社おんだ祭

2007年03月03日 07時26分44秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
鍬初めの儀。

祭典時刻を迎えると氏子一同は三社大明神の神殿に登り、暗闇の中で神官の御田植神事が行われます。

おんだ祭の祭事は氏子らが初乙女をおぶられて舞台に登場し始まります。

大当は目出たい言葉が連なる三社大明神を讃える「鍬初め」祝い詞を詠みあげます。

鍬を振り上げて「掛初」「苗代角打」の儀。

次に大当はクワ置いて柄を扇子で三回叩きながら「吉事はこの当所へしっとしっとしっと 悪い事は西の海へずう」っと拍子をとる「苗代しめ」。

拍子といい扇子の所作、台詞は滑稽で非常にユニークなものでつい聞きほれてしまいます。

続いて「水入り」「水戸祭」を経て、「まこよまこよ 福の種をまこよ」の台詞を謡いながら神殿に向かってタネを蒔く「福の種蒔き」。

そして「芋つむぎ」「春田打」「くだまき鳥追」と続き、ようやく初乙女の出番です。

大当は鍬を担ぎ、笠を背にした初乙女は手に苗を持ち小当が続く順で舞台を右回りしながら「若い初乙女をしともみもんだれば」と謡う「苗取」の儀式。

謡い終えると初乙女は苗と笠を持ち換えて今度は左回りしながら謡う「御田植」の儀。


(H19. 1.18 Kiss Digtal N撮影)