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すとう功の周回遅れ

元駅伝選手の「いろんなことに走り続けます」

ごみに関すること05

2010年07月28日 | ごみ問題

 名取市が最終処分場を2市2町で担当することになっています。相互台団地の南側に建設を考えていましたが、その候補地が揺らいでいるのです。地元住民との協議に入れない状態です。

 処分場の規模は70,000?と決して大きいものではありません。なぜ、地元協議は行われないのですか。もしかしたら、地元から最終処分場に悪いイメージがあるのでは。

 最終処分場と言っても、昔の最終処分場を思い出す方がいるのかも知れません。昔とはそんな昔ではありません。約30年前迄は今のような処分場ではありませんでした。

 生ゴミや産業廃棄物をそのまま棄てたのです。岩沼の場合は六角沼、今の南小学校の場所です。昭和16年に起きた台風の影響で、阿武隈川の堤防が決壊し六角沼なる大きな水たまりが出来たのです。

 昔は各家庭で生ゴミなどを処理していた時代であり、現在のように家庭ごみが大量に収集されなかったため、大きな問題ではありませんでした。しかし、仙台市などの大都市では大きな問題です。

 森郷最終処分場が利府町にあるのをご存じですか。仙台市等が昔、生ゴミ等をそのまま廃棄していた施設です。その影響で埋め立てたものを掘り起こし処理などをし、今でも稼働しています。

 現在の最終処分場は焼却施設から搬入されるものが多く、焼却灰で廃棄するものと、スラグで廃棄するものなど安全な施設と言っても過言ではありません。なぜなら、

 環境省の法令により厳しい基準の下、現在(平成18年11月改定)ではあのダイオキシンでさえ分解して川などに放流することになっているのです。

 最終処分場は安心安全な施設です。

 最終処分場には管理(オープン)型と遮断(クローズ)型があります。どちらも地下に廃水が漏れない構造になっており、浸出液処理設備なる水処理をします。管理型は屋根のないもので遮断型は屋根付と考えて下さい。

 管理型は主に焼却灰をそのまま埋め立てる方式であり、広大な土地に露天掘りみたいなものです。焼却灰と覆土で何層にも埋め立てていくのです。

 遮断型は大きな体育館みたいなもので屋根がついた施設です。雨水が入らない構造にしてスラグなどをそのまま埋めていくのです。それでも水処理施設は必要で維持管理費は掛かります。

 従来型の管理型と比較し、遮断型は水処理が長く年月で稼働するみたいです。

 ごみ焼却場と最終処分場を費用面から比較した場合、ごみ焼却場はスラグを作る溶融施設を導入したら1年間で約2億円の差が生じます。対して最終処分場では管理型と遮断型があるものの、水処理施設的は1~2千万円の差額です。

 施設完成後、15~20年差額は負担になります。(続く)


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ごみに関すること04

2010年07月27日 | ごみ問題

 溶融炉の機種について私なりに説明します。大きく分けると3つのタイプになります。1つめはストーカ炉という日本で多く使用される機種があります。燃焼する所が階段式になっており安定した運転が見込めるとあります。

 ストーカ炉は一度燃焼(900~1100℃)した後に、焼却灰を再度溶融(1300~1400℃)する方式がストーカ式+灰溶融設備です。従来はストーカ炉で燃焼したものをそのまま廃棄していました。

 灰溶融設備はプラズマ式などが有り、電気や燃料で灰をガラス状に溶融します。仙台市や福島県田村広域で視察したのはこの方式でした。

 2つめは流動床(リュウドウショウ)炉です。この名前から想像すると床が動くと思われますが、中に入っている砂とごみが動きながら燃焼(900~1100℃)するのです。流動床式にはストーカ式と同じくそのまま灰にするものと、

 流動式ガス化溶融炉(1300~1400℃)は溶融スラグまで作る方式があります。同じ方式で目的が違えば燃焼温度が異なります。この場合はストーカ炉と違い一体でスラグを作るのです。

 最後はシャフト炉です。これは製鉄会社が考えて溶鉱炉のようにごみを溶かすのです。この方式は溶融炉(1700~1800℃)のみで、灰は出てきません。シャフト炉から生成されたスラグは高温なので最良ですが、

 維持費が大変なのです。何でも溶かすので便利ではありますが、コークスと一緒に焼却します。秋田市を視察した際はコークスの燃料高騰分だけで補正予算額が数億円でした。

 生成したスラグはアスファルトの骨材料として使用されています。2市2町だけでアスファルトに使用すると、2300ton/年のスラグは、5%含有のエコアスファルト材34000?になります。

 これを仮に6mの舗装道路整備(5cm厚)に使用すると、1年間で約49kmの工事をしなければなりません。なお、岩沼だけで約30%のごみを出しますから約14kmの工事を毎年発注することになるのです。

 東北6県の内、宮城と青森を除く4県はエコアスファルトの使用を承認していますから、県道や国道に使用できます。しかし、宮城県は承認していませんから、国道や県道に使用できないのです。

 2市2町だけで使い切れる量ではありません。さてどうしましょう、余れば廃棄するしかありません。そこで最終処分場の容量が大きければと思うのです。

 最終処分場の用地選定は名取市が混迷?(続く)


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ごみに関すること03

2010年07月26日 | ごみ問題

 2市2町の亘名には焼却施設が2ヶ所あります。一つは名取市、もう一つが山元町にあります。そして最終処分場が岩沼と亘理町にあります。皆さんは、ごみ問題の中で「焼却施設」が重要だと思っていることでしょう。

 現状の焼却施設(名取市)は老朽化していますが、機械ですから改修すれば使用することは可能です。ただ、相当古くなっていますから闇雲にお金が掛かる場合が想定されます。

 私が問題視しているのは、最終処分場です。あと少しで満杯状態なのですが、長く持って平成26年迄かなと考えています。ここは日々棄てられるだけなので、改修のしようがありません。

 最終処分場は待ったなし状態です。焼却された灰や不燃物は必ず出てきますから最終処分場がなければ、高いお金を出して処分費・運搬費と共に他所へ依頼するしかありません。

 引受け先は少ないのが実態です。条件良く引受けてくれる所は遠方だったり、費用が嵩んだりと、良いことは想定されません。そうなれば結果的に2市2町民に負担がのし掛かることになります。

 最終処分を変な業者に頼んだりした場合に、不法投棄などの原因になりますから確実で、信頼性のある業者だと費用も嵩むのです。

 広く大きな最終処分場は仙台市を行政調査したときに感じました。100万人都市でありながら、富谷町と共に広域連携化し最終処分場を今後70年間心配しなくても良い施設を作ってありました。 これは感動でした。

 亘名の懸案は最終処分場をどうするかです。これによって焼却施設の計画が変ります。焼却施設は環境重視の解釈もあると一昨日書きましたが、最終処分場の容量で焼却施設の設計が大きく変ります。

 亘名が計画している最終処分場の容量は、仙台市が灰で棄てたと想定すると1年半も持たない小さな処分場です。これをスラグにして環境重視ということにすれば15年分の計画なのです。 とても小さい。

 なぜかというと、スラグは灰のままで棄てた場合は、約半分の容積になります。その内スラグの70%は再生可能な材料として使用することを謳っているからです。つまり灰で棄てるのに比べ15%迄少なくなります。

 再生可能なスラグはアスファルトやコンクリート2次製品に使用するのです。しかし、再生方法が確立していません。つまり、スラグを再生利用しなければ、ただ同然で棄てるだけになります。

 費用を掛けて作った処分場は15年持たないし、計画が実行できないことになります。当初考えていた計画が狂うことは目に見えています。私は他にも解決法が見いだせない状態でとても懸念しています。

 亘名の懸念はそれだけではありません。(続く)


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ごみに関すること02

2010年07月25日 | ごみ問題

 私達の会派「ピアネットいわぬま」はごみ問題について、昨年8月に仙台市の松森工場と、富谷町にある石積(イシヅモリ)最終処分場へ行政視察しました。そして今年3月には福島県田村広域行政組合に研修へ行きました。仙台市の焼却施設に関して、書いてみます。

 仙台市は3ヶ所の施設があります。松森工場(泉区)と今泉工場(太白区)・葛岡工場(青葉区)の3ヶ所です。いずれも600t/日と大きな焼却施設です。焼却実績は今泉86000t。葛岡129000t・松森は127000t/年です。

 完成年度は今泉が昭和60年と古く、続いて葛岡が平成7年、そして松森が平成17年に完成しています。今泉の焼却施設は築25年経過しています。一年間の焼却実績は少なくなっていますが、今でも施設は稼働しています。

 問題は松森の焼却場です。完成してから5年目と一番新しい焼却場ですが、他の2ヶ所(今泉・葛岡)と大きな違いはスラグ(焼却灰を溶融したもの)を作っていることです。

 施設建設に反対運動がありました。平成11年頃はいわゆるダイオキシンが大きな社会問題化し、松森建設時にも反対運動が発生しています。マスコミが大きく取り上げたことは皆さんご存じでしょう。 あの話しはどこに行ったのか、不思議ですね!

 反対運動の影響により、仙台市はダイオキシンがクローズアップされたことにより国の基準値0,1ナノグラムから、自主規制の0,01ナノグラムまで基準値を上げて建設しました。 これが間違いの基なのです。

 基準値を上げたことで生じたことは、余分(言い過ぎかもしれません?)なものを多く建設することになりました。必要でないのもの作らざるを得なくなったので、それだけお金がかかります。 ダイオキシン?聞こえなくなった。

 例えば、バグフィルター(煙突から排煙される手前の空気清浄機みたいな特殊なフィルター)で空気中の粉塵を何層にも取り除かなければなりません。基準値が高いのでフィルターは多く必要です。

 維持管理に影響があります。高価なバグフィルターは更新する期間が短くなる上、多くのフィルターを交換します。また別な機械なども多くあり、維持管理費への影響は大きくなりました。

 住民が反対運動を起こした結果、税金で賄われる施設の維持費は莫大です。同規模の葛岡と比較すれば、維持管理費が9億8000万円なのに対し、松森は18億円(平成18年実績)と実に2倍近く高いのです。

 間違った反対運動の影響は、税金に跳ね返ってきます。維持管理費は全て自治体の税金で賄われますから、焼却施設の方針や方法を決めること、そして機種を選定することはとても大切なのです。

 亘名では、ダイオキシンは問題視されていません。別なことです。(続く)


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ごみに関すること01

2010年07月24日 | ごみ問題

 岩沼市議会から選出され、亘理名取共立衛生処理組合(以下:亘名、ワタナと呼ぶ)の議員もしています。亘名は岩沼市を含む2市2町で構成し、各市町から4名ずつの議員が選出されています。

 組合の事務所が岩沼市に存在するためか、岩沼市長が管理者になっています。他に名取市・亘理町・山元町の各首長と議員16人で議会が構成されており、予算などの審議をします。

 今後15~20年に渡り運転されるであろう、「ごみ焼却施設」とごみの埋立地である「最終処分場」の建設が計画されています。平成24年度には双方が完成予定であり平成25年には稼働することになっていました。

 しかし、遅れているのです。ごみ焼却施設は発注してから最低3年~4年は掛かると言われており、入札後から契約に至るまで長い期間を要します。この期間だけでも1年以上掛かることがあります。

 契約に関し大事なことは、環境重視にこだわり膨大な維持費を掛けることが良いのか。入札金額が安ければ良いのか、ということではないのです。方針を決めていかに維持費を安くするか。他市町村が取り組んでいる大きな課題なのです。

 焼却施設には様々な焼却処理方法があり、また、各々のメーカーが存在しています。2市2町にあった処理方法を選定することは、大変重要なことであるが、とても難しいのです。

 基本計画上では環境重視の観点からより良い施設を作りましょう。ということになっています。これはむやみやたら高いものを作ると言うことではありません。環境を重視したものにしましょう。と言うことなのです。 お金は掛かります。

 もう一つややこしいのが、「ごみ焼却場」と「最終処分場」はセットということなのです。燃やしたごみは最終処分場に行きますから、最終処分場の容量なども焼却施設に関係してきます。

 時間がない上で、2市2町の考え方にも温度差が生じています。このことは後で詳しく書きます。

 また新たな問題が発生しました。(続く)


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