『桃と太郎』は行きがかり上、鬼の棲むと言う「東京」へ山形新幹線に乗って鬼を探しに行きました。余り気乗りのしない『鬼退治』でありますから、意図的に寝坊し、朝6時54分発上りの電車に乗り遅れることも心配されましたが、そこは団体行動だからと自分に言い聞かせ乗車だけはしました。車内の暇つぶしにと駅の売店で藤沢周平さんの短編小説など買って(後々これが思わぬ結末を迎えることに成るのでありますが…)朝から缶ビール…これだけで意外と上機嫌、現代の『桃と太郎』は「黍団子」なんぞ貰わなくたって、ビールひと缶であっさり家来になって付いて行ってしまうのであります^^;
小説を読みながら…他人の分の缶ビールまで分捕って、相席の上司と話し込んでいる内に、高々2時間20分の乗車時間は瞬く間に過ぎてしまったのであります。目指すは天空の城「東京スカイツリー」、田舎と違って往来する人々が多い東京で「鬼」を探すには、高い所から眺めて探すのが一番であるはず…しかし、探し出すべき「鬼」の情報は、東京駅丸の内口の「小判(Koban)」で…「交番」かぁ…早々と手に入れたのでありました。
昭和50年の連続企業爆破事件の犯人のひとりとされている「桐島聡」当時21歳…生きていたとしても今では58歳のオジサンであり、指名手配写真のような髪型や眼鏡を掛けているとも思えない。主犯格とされている「大道寺あや子」が国外逃亡を続けているという前提で、共犯とされる事件について公訴時効が中断している事件なのであります。学生運動が下火となり、一部は「極左暴力集団」と化した時代の犯罪…事件の内容を検索していると「日本赤軍」であるとか「腹腹時計」「アジト」など、少年時代に耳にした言葉が羅列されているのであります。
歪められた左翼思想と革命理論…優秀な大学生の化学知識も、当時の除草剤から爆薬を作るなどという愚挙を犯してしまったもの…人々の記憶からも消え去ろうとしている事件を思い出しながら、現代の『桃と太郎』の旅は、「御触書」を頼りに賞金稼ぎの旅に変わるのでありましたとさ^^;
つづく。