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読書感想文 「働かないアリに意義がある」 No207

2011-01-22 13:22:38 | 日記
『働かないアリに意義がある』(長谷川秀祐,メディアファクトリー新書)

アリやハチなどの集団社会を営む昆虫を社会性昆虫という。
その中でも働くだけで不妊のメスが存在する昆虫社会を真社会生物というらしい。
女王の子供の面倒、つまり妹の面倒を見続ける訳だが
姉にとっては自分が子供を産むよりも妹の面倒を見るほうが
自分の遺伝子を残せる可能性が高まる場合があるらしい。
つまり受精卵がメスになり、未受精卵がオスになるような昆虫では、
同じ両親から生まれた姉妹間で一方の遺伝子が他方に存在する確率は3/4となり、
自分の娘の世話をする遺伝子よりも自分の妹の世話をする遺伝子の方が
コピーを後の世代に残しやすくなるということになる。
女王の遺伝子には女王として行動する遺伝子情報も
ワーカーとして働く遺伝子情報も存在している。
そして女王の遺伝子だけが自然淘汰により進化していく。
たまに働かずに子供を生む遺伝子を持った女王もどきが登場すると
その種族は女王もどきばかりになりワーカーが足りなくなり滅びてしまうらしい。
排除するシステムが無いのでこれによる絶滅の危険性は高いらしい。
※女王もどきのことをコロニー内の裏切り者という意味でチーター:cheaterと呼ぶ

昆虫は思考しないのでワーカーも仕事に熟練することなく
たんたんと仕事をし続けるそうだ。
そして働きすぎると過労死してしまう。
この社会では働き始める反応閾値というものに多様性があって
7割のワーカーは働いていないそうだ。
しかし異常事態が発生した場合などで過労がたたり
常に働いている2割が過労死してしまうと働かない蟻が働き出す。
これは常に全員がまじめに働くシステムよりも淘汰に強いそうだ。
つまりいざという時のために余力を残している方が有利ということで
例えば巣作り中にモグラが巣を壊す異常事態が発生して
卵を移動する場合など新鮮な労働力をすぐに使えることになる。
この反応閾値に多様性をもたらすのが
女王の別の部族との交尾による交配だそうだ。

この本を読むと進化論 自然選択=淘汰による進化により
遺伝情報だけでも社会生活を行えることが分かった気になる。

しかしさらに考えていくとやはり壁に突き当たる。
DNAは塩基の配列でこれにより蛋白質が作られる。
しかしDNA情報がどのように嗜好や働き蜂の8の字ダンスや
8の字ダンスの意味を理解する行動にOUTPUT出来るのだろうか?
餌を見つけると本能に従って踊る働き蜂が偶然産まれて
さらにたまたまその踊りを見るとどこかに行きたくなる蜂が産まれて
各方向に飛ぶ蜂の中に偶然踊った蜂と同じ餌を見つける蜂が
いた場合に初めてその二つの本能が結びつき遺伝的に優位となるのだが
この優位性が働き蜂ではなく親の女王蜂の遺伝子に組み込まれないと
遺伝子の進化には結びつかない。
DNAのランダムな変化だけで
多種多様な動植物の行動が作られることが理解出来ない。
そのためのランダムな突然変異数は
進化の時間軸と整合が取れるのだろうか?
あるいはDNA的嗜好や行動等の自然選択による進化の先に
人間が感情を持つという変異が発生する余地があるのだろうか?
つまり今いる猿もいつかは高度な知能を持つようになるということだが
その進化の流れに特異点はないのだろうか?

人類は淘汰の中で美という概念を紛れこましてしまい
本来持つ遺伝子の進化力や生命力の強さを失っている。
記紀では木花咲耶姫を選択して磐長姫を排除したという記述に現れている。
記紀にはその結果として生命力を失い寿命は短くなったと書かれている。
まさに人類はこの瞬間に別の方向への進化を選択した訳だ。
人類は所有という概念やお金や戦争を発明していき
淘汰される弱者は生命力でなく
その個人の経済力と軍事力に由来するようにとなってしまった。
体が弱くてもハーレムを持つ王様が一番子供を残すのだ。
神のシステムから離れひとり立ちした人類は
そのために未来に対して自ら責任を持つ必要が出てきた訳だ。

しかしながら完全に本能から独立したわけでもなく
利己的な遺伝子に操られているのだという話もある。
弓梓弓と水の女神 断片集② No173」で
母系社会から男系社会のへの変遷の理由に疑問符をつけていたが
戦国の世で遺伝的に子孫繁栄させるためには
母系社会より一夫多妻制の男系社会の方が有利なようだ。
実際に戦国時代に負けた男系一族は根絶やしにされているが
母から母に引き継がれるミトコンドリアのDNA遺伝子は生き残っている。
これが母系社会であれば母・娘も含めて根絶やしにされることになる。
利己的な遺伝子に操られるかは疑問があるし
日本における男系への変遷には中国の男系社会・儒教の影響も
あったろうと思われるが、遺伝子説も捨てがたい。

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