吉田一氣の熊本霊ライン 神霊界の世界とその源流

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日本的アニミズムと「ねこタクシー」 No234

2011-02-21 01:21:43 | 日記
昨年貸してもらった「ねこタクシー」を見た。
カンニング竹山と御子神さんという猫が登場する映画だった。
映画の内容はともかく、今時の世相を感じてしまった。
カンニング竹山は間瀬垣 勤という主人公役となっている。
間瀬垣は元中学校の教師だったが、
対人恐怖症のために教師を辞めて現在はタクシー運転手をしている。
タクシー会社での成績はびりから2番のブービーで月収は10万円台。
マンションに住んでいて中学生の娘がいる。
どうも嫁も働いているようでそちらが家計を支えているようだ。
主人公の間瀬垣は、なんとも遣る瀬無い人生を歩んでいる。
嫁は教師への復職を願っているが本人は全く自信が無い。
中3の娘からも疎ましいというか毛嫌いされている。
どうにも抜け出せない沼に陥ってもがいているような状況だ。
こんな場合、人は常に救いの手や奇跡をどこか遠くに期待するものだ。
抜けそうで抜け出せない沼は嵌まったことがことが無い人間には
その脱力感は決して分からないと感じている。
救いの手をどこかで期待していたであろうある日に
むかで中児童遊園という三個土管が置かれている公園で
御子神という名札をさげた三毛猫と出会う。
追い払ったこの猫がなぜかタクシーの後部座席に座っていて
すぐにお客が来たためにそのまま出発するのだが、
猫を話題として初めてお客さんとの会話がうまくいく経験をする。
その時はお客さんを降ろしたあとに猫を元の公園に戻しに行く。
しばらく経ったある時つり銭詐欺にあった婆さんの家を探し当てて
そこで御子神さんと再び出会う。
その婆さんの家は大量の捨て猫がたむろするネコ屋敷だったのだ。
縁を感じて動物禁止のマンションで飼えない筈なのに
後先無くこの猫を貰って帰る事になる間瀬垣。
ドラマとして当然の展開だが、
まるで小学生の子供がしかられるように嫁から叱咤される。
ところがこの時になぜか娘が助け舟を出してくれて
この御子神さんは無事家族の一員となる。
娘は初めて父親の意思というものを感じて共感したという。
間瀬垣はこの御子神さんと行動を共にするうちに
タクシーの成績もあがり対人恐怖症からも開放されるのだが
保健所から動物虐待の疑いをかけられてしまう。・・・・・以上概略

本来「御子神」とは親も神でありその子に当たる神のことを御子神というのだが
ここでは『ネコ神』という意味に取られる。
アニミズムとは無機物や生物に神霊を感じるものだが、
間瀬垣はこのネコに神そのものを見ている訳ではない。
さりとて藁にすがる思いというものでもない。
しかし心の奥底でこの御子神さんに頼りそして『聖別』している。
ほのぼのとした恋ごころという言葉があるが、
間瀬垣にとってはほのぼのとしたアニミズムの芽生えがそこにはある。
最近よく日本人が言葉にする『勇気をもらった』状態である。
これは頼りになる「名犬ラッシー」とは全く違う。
『聖別』とはそこに神聖なる「なにごとか」を見て
その扱いを別にすることであるが、
一般には占いの道具や祭祀具やお守りなどに対して
儀式を行い特別な存在とすることをいう。
間瀬垣には信仰心の原初がそこに見受けられる。
日本的アニミズムとはこのようにして日本人の心の奥底に
根付いてきたように思える。
どことなく縁を感じ、御子神から何かを学ぶのである。
最後に教師に戻るのだが、最初の授業の前に
遺品となった御子神のネームプレートをじっと眺めてから教室に入る。

このシーンはアメリカだとキリスト教団体から横槍が入りそうだ。
お守りはイコンか十字架と相場が決まっている。
例えばトップガンなんかでも自分を勇気付けてくれた亡き友人グースの
形見のネームタグ(ドッグタグ認識票)も
最後は卒業とばかりに海に投げ捨てなければならない。
タイタニックでも老婆となったローズは青い宝石を海に返すが
あれも死を前にして地上の宝は天国に持っていけないという暗示になっている。

話が変わるが、そういう自分もこのネコに何かを感じた。
調べてみるとこの猫は数万匹に一匹というオスの三毛猫だそうだ。
「みーすけ」が実名で元は野良猫であったという。
それが飼い主から動物プロダクションに譲られたという。

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