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2007.2 中国・青島の歴史街区を調査、太平路~広西路でドイツ時代の徳国膠州郵政局などを記録

2017年10月13日 | studywork

 2006年9月、ドイツによる都市計画をいまに残す中国・青島の歴史街区調査を始めた。続きの調査を2007年2月に実施した。その概報を順次、再掲する。写真はホームページ参照。

2007.2 中国・青島の歴史街区調査初日・太平路~広西路あたり

 青島歴史街区調査は、2007年2月23日から27日に行った。
 成田-青島の直行便を利用すると、成田行きの早朝発が朝早く厳しいが、昼過ぎにはホテルにチェックインでき、午後に現地での調査をスタートさせることができる。ということで、今回は正味3日半の調査になった。
 調査隊は、これまでの調査に参加した3名と初めての参加の1名、計4名と、Q大学で日本語を専攻し、前回から私たちの調査に通訳として協力してくれているS君、同じく日本語専攻で、始めて通訳をお願いするD君の2名、私を入れて計7名、授業のあいまに応援に駆けつけてくれるS副教授の構成になる。

 成田-青島の直行便と5星のホテルのパックツアーがあり、航空券とホテルを別々に購入したときのおよそ半額と、格段に安い。この安さが4名も同行できる理由である。新市街の中心に位置するホテルにチェックイン後、ロビーでS君、D君、S先生と合流、さっそく調査地である旧市街に移動する。タクシーで20分ぐらい、10~15元=160~240円である。

 まず、青島湾に面した太平路沿いの泛海名人酒店のコーヒーショップに入る。この泛海名人酒店(下写真)はドイツ時代の1906年に亨利王子飯店として建てられたが、その後、いまの泛海名人酒店に建て替えられた。それでもヨーロッパの雰囲気は十分であり、コーヒーも値段は高い(25元=400円)が美味しい。
 ここで、今回の主たる調査の狙いを確認し、H・M君とD君、T・M君とS君の2組に分かれて調査を進めることにした。手始めに、太平路、その奥の広西路に建つ歴史建築を見て回り、記録の取り方をならした。

 記録した主な歴史建築は、泛海名人酒店の西隣に建つ旧亨利王子飯店の一部を利用した現桟橋賓館1912(上1写真)、その西隣に青島日報社・旧中央飯店1904(上2写真)、安徽路を北にのぼり広西路との交点に建つ徳国膠州郵政局1902(上3写真)、広西路を東に進み紅房子餐庁1905(上4写真)、さらに東に侯爵飯店1906(上5写真)が建つ。中山路に戻り、南に下ると青島倶楽部1911(次頁上写真)、東に青島大礼堂1935(次頁下写真)、泛海名人酒店を過ぎた向かいが徳華銀行1901になる。

 実際には、現在の建物に旧名称や建築年代が書いてあるわけではない。一部の建物に青島行政府がドイツ時代の重点建築として銘板をつけていることもあるが、数はいたって少ない。そこで、歴史建築の記録調査は、
①まず歴史的な建築を見つけ、写真を撮り、地図に位置をマークする。多くの建築は道路の反対側に行かないと全景が取れない。そのため、行ったり来たりが繰り返される。
②次いで通訳のS・D君に、住んでいる人か近くにいる人に建築年代や旧名称などを聞いてもらう。100年も前の話であるからほとんど正確なことは分からないが、手がかりはけっこうある。さらに、中を見せてもらえるか聞いてみる。通訳の二人が調査の主旨を簡単に説明してくれているので、対応は親切であるし、気さくに中を見せてくれることも多い。
③聞き取りや建物の特徴、現在の使い方や様子などをノートに記録して、次の建築に移る。

④青島の歴史建築を紹介している資料もいくつかあり、とりわけ網羅的に歴史建築を収録している「青島城市老建築」は重宝なのでいつも携行していて、歩きながらめくり、「老建築」と対照できたときはノートにページを入れておくことにした。

 青島の2月は三寒四温がはっきりしている。日が射すとコートがいらないほどポカポカだが、氷のような霧が覆い始めると鉛筆が持てないほど寒くなる。この日も午後4時半頃から寒さが厳しくなってきたので(気温11°湿度36%)、調査を切り上げることにした。

 帰りは、30分以上かかるが、わずか1元(16円)のバスに乗ってホテルに戻った。100数年前の初めての中国・上海では来るバス来るバス、すべてあふれるほどの超満員で往生したが、いまは交通網が充実してきている。バス路線や降りるバス停名が分かれば、値段も安いし、道路はバス優先なので便利である。
 ホテルに着いてからは、夕食までにデジカメの写真とノートの調査記録を照合、整理し、改めて「老建築」をめくっては対照できる歴史建築を探して一段落、夕食となる。

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