yoosanよしなしごとを綴る

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2005年、韓国・慶州~晋州のマウル=集落で風水観に着目した予行調査を実施

2016年04月03日 | studywork

2005 「韓国・慶州~晋州のマウル」 日韓研究交流会 /2005.6記
 2005年6月に韓国で日韓研究交流会が開かれた。その研究会にあわせ、かねがね気になっていた韓国では風水観が集落空間を決定づけているかの予行調査を実施した。

その予行調査で得た主な知見は、
 1 集落の成立要件の第1は、背山臨水の地形である
 2 集落構成あるいは構成要素となる住居構成は、入口側を低く、奥側を高くする
 3 集落構成あるいは構成要素となる住居構成は、入口側を狭く、奥側を広くする
 4 空間構成のさまざまなところに陰陽の決まりがある:朝(昼=陽)風景を借りて、夕(夜=陰)風景を返す・・・例えば、住居・庭・垣根・屋敷外へと風景が展開する構成をとる
 5 空間構成のさまざまなところに天地人の決まりがある:住居には基壇を設ける(=地)、高床を支える柱は丸柱(=人)とする、高床(デチョン)は天上を意味し、手すり(ケチャナンガ)は雲の流れを意味するためのデザインが施される、デチョンは天上であり、人は仙人のごとく、広く世界を見る心の重要性を悟る空間である
 6 敷地内にはサランチェ(離れ、男の空間)、アンチェ(主屋、女の空間)、サダン(祠堂、祖先の空間)があり、それぞれ現在(活動の中心)、未来(子どもを育てる)、過去(祖先をまつる)を意味する
 7 住居の細部意匠は非対称で形や大きさがすべて異なる、これは多様性の共存を意味し、あるいはさまざまな方法があることを暗示する、子どもの教育の場にもなっている
 8 子どもの教育の場としても使われる集落の書堂は高い位置にあり、上りがきついが、これは勉学や人生の道のりを暗示し、上りつめたときの到達観、広々とした世界観を会得することができる
 9 書堂では視界が広がり広い視野、高い希望を持つことや、天と地を見て目上の人、目下の人を考えるなど、教育の場としての意味を持つ
などである。
 この予行調査で韓国における風水観が集落空間を決定づけていることを確信し、本調査が立案された。

 

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