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つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

「名画と読むイエス・キリストの物語」は、イエスが磔刑を予知しながらエルサレムに向かう謎を証している

2016年04月05日 | 斜読

b413 名画と読むイエス・キリストの物語 中野京子 大和書房 2012 /2016.3読 (斜読・日本の作家一覧)
この本は、イエスの受胎告知から始まり磔刑、復活までの生涯を、名画を挿入しながら描き出すことに主眼を置いている。
 中野氏もp8~はじめにで、「ヨーロッパ美術に触れるとき・・もっとも理解しにくいのが宗教画・・素人には聖書が歯の立たない難物・・(この本は)手引き書を目指した・・(イエスが)どんな時代に生まれ、何をして、なぜ殺され、いつ復活したかの流れが曖昧という読者を想定している」と述べている。
 
 まさにタイトルのように「名画と読むイエス・キリストの物語」であり、イエス・キリストの生涯をたどれたこと、イエスがなぜ予知しながらもエルサレムに向かい磔刑にされたのかの謎も改めて理解できたこと、大勢の画家が聖書をどのようにとらえ、表現しようとしたかが挿入された絵を通して理解できたことなど、得るものは少なくなかった。
 中野氏の描写も素晴らしく、行間にイエスの慈愛がにじんでいた。

目次は、第1章 幼子イエス、第2章 洗礼、第3章 荒野の修業、第4章 伝道、第5章 奇蹟、第6章 女たち、第7章 使徒たち、第8章 エルサレム、第9章 最後の晩餐、第10章 ゲッセマネ、第11章 裁判、第12章 磔刑、第13章 復活 で、聖書を元にイエスの生涯を紹介している。

 本の冒頭に、イエスと使徒たちの相関図、イエスの足跡を記したイスラエルの地図、巻末に用語解説があり、理解を助けてくれる。もしイスラエル旅行を予定している方がいればぜひこの本を持参されることをおすすめする。

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