万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1504 暇なみ1370

2014年09月30日 | 万葉短歌

2014-0930-man1504
万葉短歌1504 暇なみ1370

暇なみ 五月をすらに 我妹子が
花橘を 見ずか過ぎなむ  高安

1370     万葉短歌1504 ShuD550 2014-0930-man1504

いとまなみ さつきをすらに わぎもこが
  はなたちばなを みずかすぎなむ
高安(たかやす)=08-1444歌参照(題詞)。「高田女王の父(…)。高安王と同人。」(講談社版『万葉集事典』)この名では、集中この一首だけ。
【編者注】題詞は「高安歌一首」。「夏相聞」十三首(1498~1510)の第7首。
【訓注】暇(いとま)。我妹子(わぎもこ=吾妹児)。


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万葉短歌1503 我妹子が1369

2014年09月29日 | 万葉短歌

万葉短歌1503 我妹子が1369

我妹子が 家の垣内の さ百合花
ゆりと言へるは いなと言ふに似る  紀豊河

1369     万葉短歌1503 ShuD548 2014-0929-man1503

わぎもこが いへのかきつの さゆりばな
  ゆりといへるは いなといふににる
紀豊河(きの とよかは)=原文では「紀朝臣(あそみ)豊河」。「天平十一年(739)正月十三日、正六位上から外(げ)従五位下になった人。歌はこの一首のみ。」
【編者注】題詞は「紀朝臣豊河歌一首」。「夏相聞」十三首(1498~1510)の第6首。
【訓注】我妹子(わぎもこ=吾妹児)。垣内(かきつ)。さ百合(さゆり=佐由理)。ゆり(由利)[下記注]。いな(不欲)。
【編者注-ゆり】花ではない訓読「ゆり」。「ゆり(名)≪上代語≫のち。後日。将来。」(旺文社『全訳古語辞典』)用例は以下のとおり。
 11-2467 路の辺の草深百合のゆり(後)もと言ふ 妹が命を我れ知らめやも  柿本人麻呂
 18-4087 灯火の光に見ゆるさ百合花(左由理婆奈) ゆり(由利)も逢はむと思ひそめてき  内蔵伊美吉縄麻呂
 18-4088 さ百合花(左由理婆奈)ゆり(由里)も逢はむと思へこそ 今のまさかもうるはしみすれ   大伴家持


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万葉短歌1502 五月の1368

2014年09月28日 | 万葉短歌

五月の 花橘を 君がため
玉にこそ貫け 散らまく惜しみ  大伴坂上郎女

1368     万葉短歌1502 ShuD547 2014-0928-man1502

さつきの はなたちばなを きみがため
  たまにこそぬけ ちらまくをしみ
大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563歌参照。
【編者注】題詞は「大伴坂上郎女歌一首」。「夏相聞」十三首(1498~1510)の第5首。
【訓注】五月(さつき)。玉(たま=珠)。散らまく惜しみ(ちらまくをしみ=零巻惜美)。


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万葉短歌1501 ほととぎす1367

2014年09月27日 | 万葉短歌

2014-0927-man1501
万葉短歌1501 ほととぎす1367

ほととぎす 鳴く峰の上の 卯の花の
憂きことあれや 君が来まさぬ  小治田広耳

1367     万葉短歌1501 ShuD546 2014-0927-man1501

ほととぎす なくをのうへの うのはなの
  うきことあれや きみがきまさぬ
小治田広耳(をはりだの ひろみみ)=08-1476歌参照。
【編者注】題詞は「小治田朝臣(あそみ)広耳歌一首」。「夏相聞」十三首(1498~1510)の第4首。
【訓注】ほととぎす(霍公鳥)。峰(を=峰)。卯の花(うのはな=宇乃花)[宇=憂]。憂きこと(うきこと=猒事)。
【類歌】10-1988 うぐひすの通ふ垣根の卯の花の 憂きことあれや君が来まさぬ  


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万葉短歌1500 夏の野の1366

2014年09月26日 | 万葉短歌

2014-0926-man1500
万葉短歌1500 夏の野の1366

夏の野の 茂みに咲ける 姫百合の
知らえぬ恋は 苦しきものぞ  大伴坂上郎女

1366     万葉短歌1500 ShuD544 2014-0926-man1500

なつののの しげみにさける ひめゆりの
  しらえぬこひは くるしきものぞ
大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563歌参照。
【編者注】題詞は「大伴坂上郎女歌一首」。「夏相聞」十三首(1498~1510)の第3首。
【訓注】夏の野(なつのの=夏野)。茂みに咲ける(しげみにさける=繁見丹開有)。姫百合(ひめゆり=姫由理)[下記注]。知らえぬ恋(しらえぬこひ=不所知恋)。苦しきもの(くるしきもの=苦物)。
【編者注-ひめゆり】訓読「ひめゆり」は、集中この一首だけ。「秘め」「知らえぬ恋」と掛ける。ほかは、「くさふかゆり=草深由利、07-1257」、「さゆり=佐由理、08-1503」、「ゆり=由利、08-1503」など。


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万葉短歌1499 言繁み1365

2014年09月25日 | 万葉短歌

2014-0925-man1499
万葉短歌1499 言繁み1365

言繁み 君は来まさず ほととぎす
汝れだに来鳴け 朝戸開かむ  大伴四綱

1365     万葉短歌1499 ShuD542 2014-0925-man1499

ことしげみ きみはきまさず ほととぎす
  なれだにきなけ あさとひらかむ
大伴四綱(おほともの よつな)=03-0329歌参照。
【編者注】題詞は「大伴四綱宴吟(えんぎんの)歌一首」。「夏相聞」十三首(1498~1510)の第2首。
【訓注】言繁み(ことしげみ=事繁)。ほととぎす(霍公鳥)。汝れだに(なれだに=汝太尓)。


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万葉短歌1498 暇なみ1364

2014年09月24日 | 万葉短歌

- 夏相聞 -

万葉短歌1498 暇なみ1364
2014-0924-man1498
万葉短歌1498 暇なみ1364

暇なみ 来まさぬ君に ほととぎす
我れかく恋ふと 行きて告げこそ  大伴坂上郎女

1364     万葉短歌1498 ShuD541 2014-0924-man1498

いとまなみ きまさぬきみに ほととぎす
  あれかくこふと ゆきてつげこそ
大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563歌参照。
【編者注】題詞は「大伴坂上郎女歌一首」。部立て「夏相聞」十三首(1498~1510)の第1首。
【訓注】暇なみ(いとまなみ=無暇)。ほととぎす(霍公鳥)。我れ(あれ=吾)。


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万葉短歌1497 筑波嶺に1363

2014年09月23日 | 万葉短歌

2014-0923-man1497
万葉短歌1497 筑波嶺に1363

筑波嶺に 我が行けりせば ほととぎす
山彦響め 鳴かましやそれ  高橋虫麻呂

1363     万葉短歌1497 ShuD538 2014-0923-man1497

つくばねに わがゆけりせば ほととぎす
  やまびことよめ なかましやそれ
高橋虫麻呂(たかはしの むしまろ)=原文に作者名なし。ここでは左注による。06-0972歌参照。
【編者注】題詞は「惜不登筑波山歌一首」。左注に、「右一首高橋連(たかはしの むらじ)虫麻呂之歌中出」。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第33首。
【訓注】筑波嶺(つくばね=筑波根)。我が(わが=吾)。ほととぎす(霍公鳥)。山彦響め(やまびことよめ=山妣児令響)[下記注]。それ(其)。
【編者注-やまびこ】訓読「やまびこ」の集中表記は次のとおり。(合計7回)
 山彦=06-0971、09-1762、10-1937。
 山妣兒=08-1497。
 山妣姑=08-1602、15-3680。
 山響=09-1761。


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万葉短歌1496 我がやどの1362

2014年09月22日 | 万葉短歌

2014-0922-man1496
万葉短歌1496 我がやどの1362

我がやどの なでしこの花 盛りなり
手折りて一目 見せる子もがも  大伴家持

1362     万葉短歌1496 ShuD537 2014-0922-man1496

わがやどの なでしこのはな さかりなり
  たをりてひとめ みせるこもがも
大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】題詞は「大伴家持石竹花歌一首」。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第32首。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋前)。なでしこの花(なでしこのはな=瞿麦乃花)[下記注]。
【編者注-なでしこ】訓読「なでしこ」(合計33回)の集中表記は次のとおり。
 「石竹」=03-0408、-0464、08-1496、10-1970、18-4086、18-4135、19-4225(計7回)。
 「瞿麦」=03-0464、08-1448、-1496、-1510、-1538、-1549、-1610(2回)、-1616、10-1972、-1992(計11回)。
 「奈泥之故」=17-4008、-4010、18-4070、-4113、-4114、19-4231、-4232(計7回)。
 「那泥之古」=18-4113(計1回)。
 「奈弖之故」=20-4442、-4443、-4446、-4447、-4449、-4450、-4451(計7回)。


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万葉短歌1495 あしひきの1361

2014年09月21日 | 万葉短歌

2014-0921-man1495
万葉短歌1495 あしひきの1361

あしひきの 木の間立ち潜く ほととぎす
かく聞きそめて 後恋ひむかも  大伴家持

1361     万葉短歌1495 ShuD535 2014-0921-man1495

あしひきの このまたちくく ほととぎす
  かくききそめて のちこひむかも
大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】「大伴家持霍公鳥歌二首」の第二首。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第31首。
【訓注】あしひきの(足引乃)。木の間立ち潜く(このまたちくく=許乃間立八十一)。ほととぎす(霍公鳥)。


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万葉短歌1494 夏山の1360

2014年09月20日 | 万葉短歌

2014-0920-man1494
万葉短歌1494 夏山の1360

夏山の 木末の茂に ほととぎす
鳴き響むなる 声の遥けさ  大伴家持

1360     万葉短歌1494 ShuD535 2014-0920-man1494

なつやまの こぬれのしげに ほととぎす
  なきとよむなる こゑのはるけさ
大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】題詞は「大伴家持霍公鳥歌二首」、その第一首。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第30首。
【訓注】夏山(なつやま)[下記注]。木末の茂(こぬれのしげ=木末乃繁)。ほととぎす(霍公鳥)。響む(とよむ=響)。
【編者注-四季の山】集中の表記用例は次のとおり。
 「春山」=01-0016、-0052、08-1421、-1451、09-1684、10-1829、-1890、-1892、-1923、-1926、13-3234(計11回)。
 「夏山」=08-1894(計1回)。
 「秋山」=01-0016(3回)、02-0092、-0106、-0137、-0208、-0217、07-1409、08-1516、-1584、09-1703、10-2177、-2179、-2184、-2218、-2232、-2243、13-3234(計19回)。
 「冬山」=0回。


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万葉短歌1493 我がやどの1359

2014年09月19日 | 万葉短歌

2014-0919-man1493
万葉短歌1493 我がやどの1359

我がやどの 花橘を ほととぎす
来鳴き響めて 本に散らしつ  大伴村上

1359     万葉短歌1493 ShuD534 2014-0919-man1493

わがやどの はなたちばなを ほととぎす
  きなきとよめて もとにちらしつ
大伴村上(おほともの むらかみ)=08-1436歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴村上橘歌一首」。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第29首。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋前)。ほととぎす(霍公鳥)。響めて(とよめて=令動而)。散らしつ(ちらしつ=令散都)。


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万葉短歌1492 君が家の1358

2014年09月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌1492 君が家の1358

君が家の 花橘は なりにけり
花なる時に 逢はましものを  遊行女婦

1358     万葉短歌1492 ShuD532 2014-0918-man1492

きみがいへの はなたちばなは なりにけり
  はななるときに あはましものを
遊行女婦(うかれめ)=未詳。[06-0966歌左注]
【編者注】題詞は、「橘歌一首 遊行女婦」。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第28首。
【訓注】なりに(成尓)。花なる時に(はななるときに=花有時尓)。逢はましものを(あはましものを=相益物乎)。
【類歌】かはづ鳴く井手の山吹散りにけり 花のさかりに逢はましものを  「古今集」02-0125(春歌下)(一説橘清友)


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万葉短歌1491 卯の花の1357

2014年09月17日 | 万葉短歌

2014-0917-man1491
万葉短歌1491 卯の花の1357

卯の花の 過ぎば惜しみか ほととぎす
雨間も置かず こゆ鳴き渡る  大伴家持

1357     万葉短歌1491 ShuD531 2014-0917-man1491

うのはなの すぎばをしみか ほととぎす
  あままもおかず こゆなきわたる
大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴家持雨日聞霍公鳥喧歌一首」。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第27首。
【訓注】卯の花(うのはな=宇乃花)。ほととぎす(霍公鳥)。雨間(あまま)。こゆ鳴き渡る(こゆなきわたる=従此間喧渡)[08-1476]。


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万葉短歌1490 ほととぎす1356

2014年09月16日 | 万葉短歌

2014-0916-man1490
万葉短歌1490 ほととぎす1356

ほととぎす 待てど来鳴かず あやめぐさ
玉に貫く日を いまだ遠みか  大伴家持

1356     万葉短歌1490 ShuD530 2014-0916-man1490

ほととぎす まてどきなかず あやめぐさ
  たまにぬくひを いまだとほみか
大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴家持霍公鳥歌一首」。「夏雑歌」三十三首(1465~1497)の第26首。
【訓注】ほととぎす(霍公鳥)。あやめぐさ(菖蒲草)。玉に貫く日(たまにぬくひ=玉尓貫日)。いまだ遠み(いまだとほみ=未遠美)。


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