万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

休載期間

2021年05月31日 | 万葉短歌

2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠

訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
  さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

【2021年06月01日】2010年11月01開設から 38**日
【アクセス数】トータル閲覧数1025***PV トータル訪問数307***UU


万葉短歌3981 あしひきの3700

2021年05月30日 | 万葉短歌

2021-0530-man3981
万葉短歌3981 あしひきの3700

あしひきの 山きへなりて 遠けども
心し行けば 夢に見えけり  大伴家持

3700     万葉短歌3981 ShuI238 2021-0530-man3981

□あしひきの やまきへなりて とほけども
  こころしゆけば いめにみえけり
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第92首。「述恋緒歌一首并短歌」の短歌4首の第3首。
【訓注】あしひきの(安之比奇能)。きへ(伎敝)。夢(いめ=伊米)。


万葉短歌3980 ぬばたまの3699

2021年05月29日 | 万葉短歌

2021-0529-man3980
万葉短歌3980 ぬばたまの3699

ぬばたまの 夢にはもとな 相見れど
直にあらねば 恋やまずけり  大伴家持

3699     万葉短歌3980 ShuI238 2021-0529-man3980

□ぬばたまの いめにはもとな あひみれど
  ただにあらねば こひやまずけり
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第91首。「述恋緒歌一首并短歌」の短歌4首の第2首。
【訓注】ぬばたまの(奴婆多麻乃)。夢(いめ=伊米)。もとな(母等奈)。恋(こひ=孤悲)。


万葉短歌3979 あらたまの3698

2021年05月28日 | 万葉短歌

2021-0528-man3979
万葉短歌3979 あらたまの3698

あらたまの 年返るまで 相見ねば
心もしのに 思ほゆるかも  大伴家持

3698     万葉短歌3979 ShuI238 2021-0528-man3979

□あらたまの としかへるまで あひみねば
  こころもしのに おもほゆるかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第90首。題詞「述恋緒(れんしょを)歌一首并短歌」のあと長歌(3978)、続けて短歌4首。これはその第1首。3982歌左注参照。
【編者注-心もしのに】「しっとりなびくように」(『詳説・・・』)。「心もうちしおれるばかり」(依拠本)。<近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ>(03-0266)など、集中9首に使われる。
【原文】17-3979  安良多麻乃 登之可敝流麻泥 安比見祢婆 許己呂毛之努尓 於母保由流香聞  大伴家持


万葉短歌3977 葦垣の3697

2021年05月27日 | 万葉短歌

2021-0527-man3977
万葉短歌3977 葦垣の3697

葦垣の 外にも君が 寄り立たし
恋ひけれこそば 夢に見えけれ  大伴家持

3697     万葉短歌3977 ShuI227 2021-0527-man3977

□あしかきの ほかにもきみが よりたたし
  こひけれこそば いめにみえけれ
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第88首。末尾に「短歌二首」、の第2首。左注に、「三月五日大伴宿祢家持臥病(やまひにふして)作之」。
【訓注】葦垣(あしかき=安之可伎)。外(ほか=保加)。寄り立たし(よりたたし=余里多々志)[「一人ぽつねんと人を思うて立つさま」]。夢(いめ=伊米)。


万葉短歌3976 咲けりとも3696

2021年05月26日 | 万葉短歌

2021-0526-man3976
万葉短歌3976 咲けりとも3696

咲けりとも 知らずしあらば 黙もあらむ
この山吹を 見せつつもとな  大伴家持

3696     万葉短歌3976 ShuI227 2021-0526-man3976

□さけりとも しらずしあらば もだもあらむ
  このやまぶきを みせつつもとな
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第87首。漢序文(要旨)に、昨暮(さくぼ)の来使、今朝(こんてう)の累信は辱(かたじけな)し、いささかに拙詠(せつえい)を裁(つく)る、と。続けて、「七言一首」の七言律詩八句。末尾に「短歌二首」、これはその第1首。次注左注参照。
【原文】17-3976  佐家理等母 之良受之安良婆 母太毛安良牟 己能夜万夫吉乎 美勢追都母等奈  大伴家持
【類歌】10-2293  咲友 不知師有者 黙然将有 此秋芽子乎 令視管本名  作者未詳
10-2293  咲けりとも知らずしあらば黙もあらむ この秋萩を見せつつもとな  作者未詳


万葉短歌3975 我が背子に3695

2021年05月25日 | 万葉短歌

2021-0525-man3975
万葉短歌3975 我が背子に3695

我が背子に 恋ひすべながり 葦垣の
外に嘆かふ 我れし悲しも  大伴池主

3695     万葉短歌3975 ShuI219 2021-0525-man3975

□わがせこに こひすべながり あしかきの
  ほかになげかふ あれしかなしも
○大伴池主(おほともの いけぬし)=08-1590歌注参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第86首。末尾に短歌二首の第2首。左注に、「三月五日大伴宿祢池主」。


万葉短歌3974 山吹は3694

2021年05月24日 | 万葉短歌

2021-0524-man3974
万葉短歌3974 山吹は3694

山吹は 日に日に咲きぬ うるはしと
我が思ふ君は しくしく思ほゆ  大伴池主

3694     万葉短歌3974 ShuI219 2021-0524-man3974

□やまぶきは ひにひにさきぬ うるはしと
  あがもふきみは しくしくおもほゆ
○大伴池主(おほともの いけぬし)=08-1590歌注参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第85首。題詞に、「七言晩春三日遊覧一首并(あはせて)序」。漢序文(要旨)に、上巳(じゃうし)の佳日(下記注)、曲水の七言律詩八句を詠みます、三月四日大伴宿祢池主、と。七言詩のあと、さらに漢序文(要旨)に、昨日の短懐(たんくゎい)に賜書を承り、敬(つつし)みて和(こた)ふる歌、と。続けて長歌(3973)、末尾に短歌二首、これはその第1首。3975左注参照。
【原文】17-3974  夜麻夫枳波 比尓々々佐伎奴 宇流波之等 安我毛布伎美波 思久々々於毛保由  大伴池主
【依拠本注-上巳の佳日】中国では、陰暦三月上巳(最初の巳(み)の日)を格別な吉日とする風があった。のちには曲水の宴が行なわれ、桃花と柳葉とを取り合わせて詩に詠むのを習いとした。その風は日本にも入ってきて、万葉後期にはとくに盛んになった(19-4151~53参照)。池主はその風雅の習いに沿って曲水の詩を詠み、遊覧かなわぬ家持を慰めたのである。

 


万葉短歌3972 出で立たむ3693

2021年05月23日 | 万葉短歌

2021-0523-man3972
万葉短歌3972 出で立たむ3693

出で立たむ 力をなみと 隠り居て
君に恋ふるに 心どもなし  大伴家持

3693     万葉短歌3972 ShuI200 2021-0523-man3972

□いでたたむ ちからをなみと こもりゐて
  きみにこふるに こころどもなし
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第83首。「更贈歌一首并短歌」の第3首。左注に、「三月三日大伴宿祢家持」。
【訓注】17-3972  伊泥多々武 知加良乎奈美等 許母里為弖 伎弥尓故布流尓 許己呂度母奈思  大伴家持


万葉短歌3971 山吹の3692

2021年05月22日 | 万葉短歌

2021-0522-man3971
万葉短歌3971 山吹の3692

山吹の 茂み飛び潜く うぐひすの
声を聞くらむ 君は羨しも  大伴家持

3692     万葉短歌3971 ShuI200 2021-0522-man3971

□やまぶきの しげみとびくく うぐひすの
  こゑをきくらむ きみはともしも
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第82首。「更贈歌一首并短歌」の第2首。
【訓注】山吹(やまぶき=夜麻扶枳)。飛び潜く(とびくく=登毗久々)。うぐひす(鸎)。羨し(ともし=登母之)。


万葉短歌3970 あしひきの3691

2021年05月21日 | 万葉短歌

2021-0521-man3970
万葉短歌3970 あしひきの3691

あしひきの 山桜花 一目だに
君とし見てば 我れ恋ひめやも  大伴家持

3691     万葉短歌3970 ShuI200 2021-0521-man3970

□あしひきの やまざくらばな ひとめだに
  きみとしみてば あれこひめやも
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第81首。題詞に、「更贈歌一首并(あはせて)短歌」、続けて長文の漢文序(要旨)に、弘大な御恩をいただいた譬えようもない喜びを歌にしました、と。さらに続けて長歌(17-3969)のあと、短歌の第1首。第3972歌左注参照。
【原文】17-3970  安之比奇能 夜麻左久良婆奈 比等目太尓 伎美等之見氐婆 安礼古非米夜母  大伴家持
【編者注-山柿之門】漢序文の中ごろに、「幼年(をさなきとし)未逕(いたらずして)山柿之門(さんしのもんに)」とある。この山柿之門四文字が、古来諸家を悩ませている。依拠本注は、諸説を詳しく紹介したあと、以下の結論を導く。山上憶良は家持の生活圏の人なので先達とは言えない身近の人、だから「山柿」には二人の先達歌人、柿本人麻呂・山部赤人を充てるのが妥当であろう。


万葉短歌3968 うぐひすの3690

2021年05月20日 | 万葉短歌

2021-0520-man3968
万葉短歌3968 うぐひすの3690

うぐひすの 来鳴く山吹 うたがたも
君が手触れず 花散らめやも  大伴池主

3690     万葉短歌3968 ShuI195 2021-0520-man3968

□うぐひすの きなくやまぶき うたがたも
  きみがてふれず はなちらめやも
○大伴池主(おほともの いけぬし)=08-1590歌注参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第79首。左注に、「沽洗(こせんの[陰暦三月の異名])二日掾(じょう)大伴宿祢池主」。
【訓注】うたがたも(宇多賀多母)[17-3949参照]。
【原文】17-3968  宇具比須能 伎奈久夜麻夫伎 宇多賀多母 伎美我手敷礼受 波奈知良米夜母  大伴池主


万葉短歌3967 山峡に3689

2021年05月19日 | 万葉短歌

2021-0519-man3967
万葉短歌3967 山峡に3689

山峡に 咲ける桜を ただ一目
君に見せてば 何をか思はむ  大伴池主

3689     万葉短歌3967 ShuI195 2021-0519-man3967

□やまがひに さけるさくらを ただひとめ
  きみにみせてば なにをかおもはむ
○大伴池主(おほともの いけぬし)=08-1590歌注参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第78首。題詞(漢文返辞、要旨)に、たちまちに辱芳音(はういんを かたじけな)みし翰苑(かんゑん)雲を淩(しの)ぐ。兼(さら)に倭詩を垂れて暮春の風景、紅桃、戯蝶、翠柳、嬌鶯を歌ふ。・・・いささかに談笑に擬(なそ)うらくのみ、と。次歌左注参照。
【訓注】山峡(やまがひ=夜麻我比)。桜(さくら=佐久良)。ただ一目(ただひとめ=多太比等米)。君(きみ=伎美)。


万葉短歌3966 うぐひすの3688

2021年05月18日 | 万葉短歌

2021-0518-man3966
万葉短歌3966 うぐひすの3688

うぐひすの 鳴き散らすらむ 春の花
いつしか君と 手折りかざさむ  大伴家持

3688     万葉短歌3966 ShuI191 2021-0518-man3966

□うぐひすの なきちらすらむ はるのはな
  いつしかきみと たをりかざさむ
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第77首。「守大伴宿祢家持贈掾大伴宿祢池主悲歌二首」の第2首。左注に、「二月廿九日大伴宿祢家持」。
【原文】17-3966  宇具比須乃 奈枳知良須良武 春花 伊都思香伎美登 多乎里加射左牟  大伴家持


万葉短歌3965 春の花3687

2021年05月17日 | 万葉短歌

2021-0517-man3965
万葉短歌3965 春の花3687

春の花 今は盛りに にほふらむ
折りてかざさむ 手力もがも  大伴家持

3687     万葉短歌3965 ShuI190 2021-0517-man3965

□はるのはな いまはさかりに にほふらむ
  をりてかざさむ たぢからもがも
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第76首。題詞に、「守大伴宿祢家持贈掾大伴宿祢池主悲歌二首」。続けて漢詩(要旨)に、枉疾(わうしつ)累旬(るいじゅん)に苦しみ百神を祷恃(こひたの)み、なほ身体疼羸(どうるい)筋力怯軟(けふぜん)にして展謝(てんしゃ)に堪(あ)へず。されど春朝春花春苑春暮春鶯春林の今、独り帷幄(ゐあく)の裏(うち)に臥していささかに寸分の歌を作る、と[下記注]。その第1首。
【訓注】手力(たぢから=多治可良)[「手の力。腕力」(『詳説古語辞典』)。03-0419手力毛欲得(たぢからもがも)、など集中3か所]。
【依拠本注-漢文の序】倭歌(やまとうた)に漢文の序(前文)を付すという形態は、父旅人の報凶問歌(05-0793)に始まるもので、旅人と憶良のあいだでしきりに用いられた方式・・・。家持自身にあっては、・・・弟書持への贈歌3911~3においてはじめて用いている・・・。
【原文】17-3965  波流能波奈 伊麻波左加里尓 仁保布良牟 乎里氐加射佐武 多治可良毛我母  大伴家持