万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2020年12月31日 | 万葉短歌

2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
 
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
  さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

【2021年01月01日】2010年11月01開設から 36**日
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万葉短歌3825 食薦敷き3560

2020年12月30日 | 万葉短歌

2020-1230-man3825
万葉短歌3825 食薦敷き3560

食薦敷き 青菜煮て来む 梁に
行縢懸けて 休めこの君  ○

3560     万葉短歌3825 ShuH460 2020-1230-man3825

□すごもしき あをなにてこむ うつはりに
  むかばきかけて やすめこのきみ
○=作者未詳、長忌寸意吉麻呂(依拠本注「のちに追補されたと見なされる意吉麻呂の物名歌、その一」)。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第10首。男。題詞に、「詠行騰蔓菁食薦屋樑歌」、読下して、「行縢(むかばき)、蔓菁(あをな)、食薦(すごも)、屋梁(うつはり)を詠む歌」。下記編者注参照。
【訓注】食薦(すごも)[「食卓に敷いて上に料理を置くための具。薦製の敷物。<食(す)>は簀」]。青菜(あをな=蔓菁)[「字義はかぶらな。ここは食用青菜の総称」]。梁(うつはり=樑)[「空張(うつは)り。家の棟を受ける梁」]。行縢(むかばき=行騰)[「腰に付けて前に垂らし、腿(もも)から下を被(おお)うもの。実用には毛皮製。乗馬の折などに用いる」]。
【編者注-騰、縢、樑、梁】依拠本の原文は「行騰、屋樑」、同読下しは「行縢、屋梁」の用字。電網版『漢典』の記事(部分)は、騰=「téng/奔跑,跳躍/fly; gallop」、縢=「téng/縢封闭/bind, tie up」、樑=「liáng/建築物的橫樑/bridge; beam」、梁=「liáng/架在墙上或柱子上支撑房顶的横木,泛指水平方向的长条形承重构件/bridge; beam」。


万葉短歌3824 さし鍋に3559

2020年12月29日 | 万葉短歌

2020-1229-man3824
万葉短歌3824 さし鍋に3559

さし鍋に 湯沸かせ子ども 櫟津の
檜橋より来む 狐に浴むさむ  長忌寸意吉麻呂

3559     万葉短歌3824 ShuH456 2020-1229-man3824

□さしなべに ゆわかせこども いちひつの
  ひばしよりこむ きつねにあむさむ
○長忌寸意吉麻呂(ながのいみき おきまろ)=「人麻呂とほぼ同時代、持統・文武朝の歌人で、人麻呂よりは後輩の人。作品は短歌に限られ、旅の歌と即興の戯笑歌に才を発揮した。」 01-0057、02-0143~4、03-0238、-0265、など。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第9首。男。題詞に「長忌寸意吉麻呂歌八首」。左注に、衆(もろもろ)酒飲していた夜漏三更(やろうさんかう=真夜中)、狐の声が聞こえた、意吉麻呂、衆諸(もろひと)から饌具(せんぐ=飲食容器)等を使って歌をと迫られて、と。(ただし依拠本に拠り、この一首だけを意吉麻呂歌とする。)
【訓注】さし鍋(さしなべ=刺名倍)[「つぎ口と柄のある鍋らしい」]。子ども(こども=子等)[「宴席などの同じ場にいる、目下の者たちに呼びかける言葉」]。櫟津(いちひつ)=奈良県「天理市櫟本(いちのもと)のあたり」。来む(こむ=来許武)[「左注の<狐声>にあたる・・・」。「コムコムとやって来る狐」]。浴むさむ(あむさむ=安牟佐武)[「<浴むす>は浴びせる」]。


万葉短歌3823 橘の3558

2020年12月28日 | 万葉短歌

2020-1228-man3823
万葉短歌3823 橘の3558

橘の 照れる長屋に 我が率寝し
童女放髪は 髪上げつらむか   ○

3558     万葉短歌3823 ShuH450 2020-1228-man3823

□たちばなの てれるながやに わがゐねし
  うなゐはなりは かみあげつらむか
○=未詳、椎野連長年(しひののむらじ ながとし)。前歌左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第8首。男。題詞に「決云」。前歌を椎野連長年が手直ししたという形。
【対比】原文で対比する。
16-3822  橘 寺之長屋尓 吾率宿之 童女波奈理波 髪上都良武可
16-3823  橘之 光有長屋尓 吾率宿之 宇奈為放尓 髪挙都良武香


万葉短歌3822 橘の3557

2020年12月27日 | 万葉短歌

2020-1227-man3822
万葉短歌3822 橘の3557

橘の 寺の長屋に 我が率寝し
童女放髪は 髪上げつらむか   ○

3557     万葉短歌3822 ShuH449 2020-1227-man3822

□たちばなの てらのながやに わがゐねし
  うなゐはなりは かみあげつらむか
○=未詳、古歌。下記左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第7首。男。題詞に「古歌曰」。左注に、この歌は、椎野連長年(しひののむらじ ながとし)が脈(とり)みて(=診断して)いくつか誤っている、だから(私椎野連長年なら)、と(次歌へ)。
【訓注】橘の寺(たちばなのてら=橘寺)[「奈良県高市郡明日香村の橘にあった聖徳太子創建の寺」]。長屋(ながや)[「長い棟を持ち、僧尼の起居するいくつかの個室を区切った建物」]。我が率寝し(わがゐねし=吾率宿之)。童女放髪(うなゐはなり)[「十歳前後の少女」]。髪上げ(かみあげ=髪上)[「<髪上ぐ>は、成人した女性が、それまで垂らしていた髪を結い上げること」]。


万葉短歌3821 うましもの3556

2020年12月26日 | 万葉短歌

2020-1226-man3821
万葉短歌3821 うましもの3556

うましもの いづくか飽かじ 尺度らし
角のふくれに しぐひ合ひにけむ  ○

3556     万葉短歌3821 ShuH445 2020-1226-man3821

□うましもの いづくかあかじ さかとらし
  つののふくれに しぐひあひにけむ
○=未詳、児部女王(こべの おほきみ)。下記左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第6首。女。左注に、右は、尺度(さかと)娘子が高き姓(かばね)の美人(うまひと=高位の男性)の求婚を拒んで下(ひく)き姓の醜士(しこを=下位の男性)と結婚した、そのことを児部女王が嗤咲(わら)って歌を栽作(つく)って、と。依拠本は、「この類の歌を・・・かりに<嗤笑歌(ししょうか)>と呼ぶ」。
【訓注】うましもの(美麗物)。いづくか飽かじ(いづくかあかじ=何所不飽矣)[「そう思いこんだら、どこを取っても気に召すのかなあ」]。角のふくれ(つののふくれ=角乃布久礼)[「<角>は相手の男の氏の名。・・・<ふくれ>は肥満な人をそしる語」]。しぐひ合ひ(しぐひあひ=四具比相)[「同衾する・・・卑猥な言葉らしい。いまだほかに例を見ない」]。


万葉短歌3820 夕づく日3555

2020年12月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌3820 夕づく日3555

夕づく日 さすや川辺に 作る屋の
形をよろしみ うべ寄そりけり  ○

3555     万葉短歌3820 ShuH442 2020-1225-man3820

□ゆふづくひ さすやかはへに つくるやの
  かたをよろしみ うべよそりけり
○=未詳、小鯛王(こだひの おほきみ)。下記左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第5首。男。左注に、右二首は、小鯛王、宴居の日にまづ吟詠する歌、王更(また)の名は置始多久美(おきそめのたくみ)、と。
【訓注】夕づく日(ゆふづくひ=夕付日)[「夕方に近づいた日」。08-1564秋付者(あきづけば)、19-2272秋就者(あきづけば)、15-3645伊敝都可受之弖(いへつかづして)、-3720伊敝都久良之母(いへつくらしも)、など]。屋(や)[住居・屋敷が「家」、家屋・建物・部屋が「屋」]。


万葉短歌3819 夕立の3554

2020年12月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌3819 夕立の3554

夕立の 雨うち降れば 春日野の
尾花が末の 白露思ほゆ  ○

3554     万葉短歌3819 ShuH442 2020-1224-man3819

□ゆふだちの あめうちふれば かすがのの
  をばながうれの しらつゆおもほゆ
○=未詳、小鯛王(こだひの おほきみ)。次歌左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第4首。男。次歌左注参照。
【訓注】春日野(かすがの)[「平城京東郊の高台」。この訓での出現は、36か所]。尾花(をばな=草花)。末(うれ)。


万葉短歌3818 朝霞3553

2020年12月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌3818 朝霞3553

朝霞 鹿火屋が下の 鳴きかはづ
偲ひつつありと 告げむ子もがも  ○

3553     万葉短歌3818 ShuH437 2020-1223-man3818

□あさがすみ かひやがしたの なきかはづ
  しのひつつありと つげむこもがも
○=未詳、河村王(かはむらの おほきみ)。左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第3首。男。左注に、右二首は宴居(えんきょ)の時の、河村王の常の行(わざ)、と。ただし依拠本注に、「河村王という人の宴居の時の誦詠歌。だから、王自身の歌とはいえない。」
【訓注】鹿火屋(かひや=香火屋)[「野荒らしの鹿を追うための火を焚く小屋」]。かはづ(川津)[「河鹿」]。


万葉短歌3817 かるうすは3552

2020年12月22日 | 万葉短歌

2020-1222-man3817
万葉短歌3817 かるうすは3552

かるうすは 田廬の本に 我が背子は
にふぶに笑みて 立ちませり見ゆ  ○

3552     万葉短歌3817 ShuH437 2020-1222-man3817

□かるうすは たぶせのもとに わがせこは
  にふぶにゑみて たちませりみゆ
○=未詳、河村王(かはむらの おほきみ)。次歌左注参照。
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第2首。男。脚注(読下し)に、「田廬は<たぶせ>の反(はん)[「読者に向かって注したもの」]」。次歌左注参照。
【訓注】かるうす(可流羽須)[「韓臼(からうす)であろう。二人向き合ってギッタンバッコン式に踏む。・・・ここは美女の譬え・・・」]。田廬(たぶせ)[「田んぼの粗末な仮小屋。・・・野暮な男の譬え・・・」]。にふぶに(二布夫尓)[「にんまりと笑うさま」。集中に2か所。18-4116(長歌)夏野能 佐由利能波奈能 花咲尓 々布夫尓恵美天(なつののの さゆりのはなの はなゑみに にふぶにゑみて)]。


万葉短歌3816 家に有る3551

2020年12月21日 | 万葉短歌

2020-1221-man3816
万葉短歌3816 家に有る3551

家に有る 櫃に鏁さし 収めてし
恋の奴が つかみかかりて  穂積親王

3551     万葉短歌3816 ShuH434 2020-1221-man3816

□いへにある ひつにかぎさし をさめてし
  こひのやつこが つかみかかりて
○穂積親王(ほづみの みこ)=「天武天皇の皇子。母は蘇我赤兄の娘、大蕤娘(おほぬの いらつめ)。・・・和銅八年(715)七月二十七日没。年五十前か。異母妹但馬皇女との恋は著名。・・・文武四年(700)・・・以降、皇子を親王、皇女を内親王と記す。」
【編者注】第2部(3816-3854、三十九首)の第1首。男。題詞は、「穂積親王御歌一首」。左注に、穂積親王が宴飲(えんいん)の日、酒酣(たけなは)の時に、好んで誦(よ)んだ歌、と。
【原文】16-3816  家尓有之 櫃尓鏁刺 蔵而師 恋乃奴之 束見懸而  穂積親王


万葉短歌3815 白玉の3550

2020年12月20日 | 万葉短歌

2020-1220-man3815
万葉短歌3815 白玉の3550

白玉の 緒絶えはまこと しかれども
その緒また貫き 人持ち去にけり  ○

3550     万葉短歌3815 ShuH430 2020-1220-man3815

□しらたまの をだえはまこと しかれども
  そのをまたぬき ひともちいにけり
○=作者未詳、女(をみな)の父母(おや)。
【編者注】第1部(3786-3815、三十首)の第30首。男?女? 題詞は、「答歌一首」。左注(由縁)に、夫君(せのきみ)に棄(す)てられ他(あた)し氏(うぢ)に改適(かいせき)した娘子(をとめ)、ある壮士(をとこ)が未婚と思って女(をみな)の父母(おや)に請う歌を贈る(3814)、事情を知らないと考えた父母、壮士に答歌を、と。
【訓注】白玉(しらたま)。緒(を)。


万葉短歌3814 白玉は3549

2020年12月19日 | 万葉短歌

2020-1219-man3814
万葉短歌3814 白玉は3549

白玉は 緒絶えしにきと 聞きしゆゑに
その緒また貫き 我が玉にせむ  ○

3549     万葉短歌3814 ShuH430 2020-1219-man3814

□しらたまは をだえしにきと ききしゆゑに
  そのをまたぬき わがたまにせむ
○=作者未詳、壮士(をとこ)。
【編者注】第1部(3786-3815、三十首)の第29首。男。題詞は、「贈歌一首」。次歌の左注(由縁)参照。
【訓注】白玉(しらたま=真珠)[下記注]。緒(を)。
【編者注-真珠】原文に「真珠」表記は、集中に6か所。07-1341真珠付、12-2853真珠服、13-3263(長歌)真珠奈須、16-3814真珠者、18-4101(長歌題詞)為贈京家願真珠歌一首、19-4169(長歌)真珠乃。我が玉(わがたま=吾玉)。


万葉短歌3813 我が命は3548

2020年12月18日 | 万葉短歌

2020-1218-man3813
万葉短歌3813 我が命は3548

我が命は 惜しくもあらず さ丹つらふ
君によりてぞ 長く欲りせし  ○

3548     万葉短歌3813 ShuH423 2020-1218-man3813

□わがいのちは をしくもあらあず さにつらふ
  きみによりてぞ ながくほりせし
○=作者未詳、車持娘子(くるまもちの をとめ)。
【編者注】第1部(3786-3815、三十首)の第28首。女。或本反歌と左注(前歌参照)。
【訓注】我が命(わがいのち=吾命)。さ丹つらふ(さにつらふ=散追良布)[03-0420(長歌)狭丹頬相、40-0509(長歌)狭丹頬相、など]。


万葉短歌3812 占部をも3547

2020年12月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3812 占部をも3547

占部をも 八十の衢も 占問へど
君を相見む たどき知らずも  ○

3547     万葉短歌3812 ShuH423 2020-1217-man3812

□うらへをも やそのちまたも うらとへど
  きみをあひみむ たどきしらずも
○=作者未詳、車持娘子(くるまもちの をとめ)。
【編者注】第1部(3786-3815、三十首)の第27首。女。3811は長歌、12は反歌、13は或本反歌と左注。題詞は「恋夫君歌一首 并短歌」(下記編者注)。左注に、車持娘子、長年夫(つま)の来訪がないので恋の病が重くなって瀕死になった、夫君(せのきみ)を呼び寄せて渧(なみだ)を流して、と。
【編者注-夫君】訓は、3811題詞では「ふくん」、3810、13左注では「せのきみ」。
【訓注】占部(うらへ=卜部)。八十の衢(やそのちまた=八十乃衢)[「<占部>は本式の占い、<八十の衢>」は私的な占い]。たどき(多時)。