万葉短歌-悠山人編

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2019年12月31日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠
 
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
 さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

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万葉短歌3465 高麗錦3210

2019年12月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌3465 高麗錦3210

高麗錦 紐解き放けて 寝るがへに
あどせろとかも あやに愛しき  ○

3210     万葉短歌3465 ShuG444 2019-1230-man3465

□こまにしき ひもときさけて ぬるがへに
  あどせろとかも あやにかなしき
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第11首。男。
【訓注】高麗錦(こまにしき=巨麻尓思吉)。寝るがへに(ぬるがへに=奴流我倍尓)[「<がへに>は<が上(うへ)>に」]。あどせろ(安杼世呂)[「<あど>はどのように、何と、の意。・・・<せろ>は・・・<せよ>」]。あやに愛しき(あやにかなしき=安夜尓可奈之伎)[下記注]。
【編者注-あやに】「あやに」の用例は夥しいが、「あやにかなし」は、次の9か所。02-0159(長歌)綾哀(あやにかなしみ)、-0196(長歌)綾尓憐(あやにかなしみ)、14-3408安夜尓可奈思母(あやにかなしも)、-3462安夜尓可奈思佐(あやにかなしさ)、-3465安夜尓可奈之伎(あやにかなしき)、-3479安夜尓可奈之毛(あやにかなしも)、-3537安夜尓可奈思母(あやにかなしも)、20-4387阿夜尓加奈之美(あやにかなしみ)、-4432阿夜尓可奈之毛(あやにかなしも)。


万葉短歌3464 人言の3209

2019年12月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌3464 人言の3209

人言の 繁きによりて まを薦の
同じ枕は 我はまかじやも  ○

3209     万葉短歌3464 ShuG444 2019-1229-man3464

□ひとごとの しげきによりて まをごもの
  おなじまくらは わはまかじやも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第10首。女。(「諸注多く、男の歌」)
【訓注】人言(ひとごと=比登其登)。まを薦(まをごも=麻乎其母)[「<ま><を>は<真><小>の意の接頭語。接頭語二つを重ねること、<さを鹿>(06-0953)の類がある」。06-0953竿壮鹿之(さをしかの)、-1047(長歌)狭男壮鹿者(さをしかは)、-1050(長歌)左男鹿者(さをしかは)、など]。我は(わは=和波)。


万葉短歌3463 間遠くの3208

2019年12月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌3463 間遠くの3208

ま遠くの 野にも逢はなむ 心なく
里のみ中に 逢へる背なかも  ○

3208     万葉短歌3463 ShuG444 2019-1228-man3463

□まとほくの のにもあはなむ こころなく
  さとのみなかに あへるせなかも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第9首。女。
【訓注】ま遠くの(まとほくの=麻等保久能)[「<ま>は接頭語」。04-0700不近(まとほくの)、14-3441麻等保久能、など]。心(こころ=己許呂)。み中(みなか=美奈可)[「<み>は人里の真ん中を恐れ親しんだ接頭語。」 03-0319(長歌)国之三中従(くにのみなかゆ)]。背な(せな=世奈)。


万葉短歌3462 あしひきの3207

2019年12月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌3462 あしひきの3207

あしひきの 山沢人の 一沢に
まなと言ふ子が あやに愛しさ  ○

3207     万葉短歌3462 ShuG433 2019-1227-man3462

□あしひきの やまさはびとの ひとさはに
  まなといふこが あやにかなしさ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第8首。男。
【訓注】あしひきの(安志比奇乃)。一沢に(ひとさはに=比登佐波尓)[「沢中で」]。まな(麻奈)[愛子(まなご)の<まな>(通説)ではなく、禁止・制止の意、と依拠本に詳注]。あやに愛しさ(あやにかなしさ=安夜尓可奈思佐)[下記注]。
【編者注-あやにかなし】巻14(東歌)に出現するのは、次の5か所。3408安夜尓可奈思母(あやにかなしも)、3462安夜尓可奈思佐(あやにかなしさ)、3465安夜尓可奈之伎(あやにかなしき)、3479安夜尓可奈之毛(あやにかなしも)、3537安夜尓可奈思母(あやにかなしも)。


万葉短歌3461 あぜと言へか3206

2019年12月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌3461 あぜと言へか3206

あぜと言へか さ寝に逢はなくに ま日暮れて
宵なは来なに 明けぬしだ来る  ○

3206     万葉短歌3461 ShuG433 2019-1226-man3461

□あぜといへか さねにあはなくに まひくれて
  よひなはこなに あけぬしだくる
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第7首。女。
【訓注】あぜと言へか(あぜといへか=安是登伊敝可)[「何と言えばいいのか、どういうわけですか」。下記注]。さ寝(さね=佐宿)[「<さ寝(ぬ)>の名詞形。共寝すること」。14-3366佐祢尓和波由久(さねにわはゆく)]。ま日暮れて(まひくれて=真日久礼弖)[「<ま>は、ここは<日>をほめる接頭語」]。宵な(よひな=与比奈)[「<背な>(3444)の類」]。来なに(こなに=許奈尓)[「来ずに」]。明けぬしだ(あけぬしだ=安家奴思太)[「<明けぬしだ>は<明けぬるしだ>の意。<しだ>は時の意を示す東国語」]。
【編者注-あぜ、あぜか】1 あぜ(何)=(上代東国方言、副詞)どうして、どのように。2 あぜ(何)か=(上代東国方言、副詞「何」+係助詞「か」)なぜか、どういうわけでか)。以上、『詳説古語辞典』要約。


万葉短歌3460 誰れぞこの3205

2019年12月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌3460 誰れぞこの3205

誰れぞこの 屋の戸押そぶる 新嘗に
我が背を遣りて 斎ふこの戸を  ○

3205     万葉短歌3460 ShuG433 2019-1225-man3460

□たれぞこの やのとおそぶる にふなみに
  わがせをやりて いはふこのとを
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第6首。女。
【訓注】誰れぞ(たれぞ=多礼曽)。押そぶる(おそぶる=於曽夫流)[「<押し振る>で、がたがたと押し動かすこと」]。新嘗(にふなみ=尓布奈未)[「<新(にひ)の饗(あ)へ>の意で、<新嘗(にひなへ)>の訛り」。にひなへ]。我が背(わがせ=和我世)。斎ふ(いはふ=伊波布)。


万葉短歌3459 稲搗けば3204

2019年12月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌3459 稲搗けば3204

稲搗けば かかる我が手を 今夜もか
殿の若子が 取りて嘆かむ  ○

3204     万葉短歌3459 ShuG433 2019-1224-man3459

□いねつけば かかるあがてを こよひもか
  とののわくごが とりてなげかむ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第5首。女。
【訓注】かかる(可加流)[皸る・皹る。ひびが切れる。あかぎれができる。(『詳説古語辞典』)]。我が手(あがて=安我手)。今夜(こよひ=許余比)。若子(わくご=和久胡)。


万葉短歌3458 汝背の子や3203

2019年12月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌3458 汝背の子や3203

汝背の子や 等里の岡道し なかだ折れ
我を音し泣くよ 息づくまでに  ○

3203     万葉短歌3458 ShuG433 2019-1223-man3458

□なせのこや とりのをかちし なかだをれ
  あをねしなくよ いきづくまでに
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第4首。女。
【訓注】汝背(なせ=奈勢)[「妻が夫を親しんで呼んだ言葉」。02-0165弟世登吾将見(いろせとあがみむ、弟背)、16-3885(長歌)名兄乃君(なせのきみ、汝背)]。等里(とり)[地名]。なかだ折れ(なかだをれ=奈可太乎礼)[「半ばで折れ曲がって」]。我を音し(あをねし=安乎祢思)。


万葉短歌3457 うちひさす3202

2019年12月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌3457 うちひさす3202

うちひさす 宮の我が背は 大和女の
膝まくごとに 我を忘らすな  

3202     万葉短歌3457 ShuG433 2019-1222-man3457

うちひさす みやのわがせは やまとめの
  ひざまくごとに あをわすらすな
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第3首。女。
【訓注】我が背(わがせ=和我世)。
大和女(やまとめ=夜麻登女)。我を(あを=安乎)。


万葉短歌3456 うつせみの3201

2019年12月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌3456 うつせみの3201

うつせみの 八十言のへは 繁くとも
争ひかねて 我を言なすな  

3201     万葉短歌3456 ShuG433 2019-1221-man3456

うつせみの やそことのへは しげくとも
  あらそひかねて あをことなすな
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第2首。女。
【訓注】うつせみの(宇都世美能)[下記注]。言のへ(ことのへ=許登乃敝)[依拠本、「<言のは>の訛り・・・<言の重(へ)・・・<言の上(へ)>」の諸説を紹介]。我(あ=安)。
【編者注-うつせみ】集中の出現は、以下に示す全40回。01-0013(長歌)虚蝉、-0024空蝉、-0150(長歌)空蝉、-0199(長歌)打蝉、-0210(長歌)打蝉、打蝉、03-0443(長歌)欝蝉、-0465虚蝉、-0466(長歌)打蝉、-0482打背見、04-0597宇都蝉、-0619(長歌)空蝉、-0729欝肝、-0733空蝉、08-1453(長歌)虚蝉、-1629(長歌)打蝉、09-1785(長歌)虚蝉、-1787(長歌)虚蝉、10-1857空蝉、11-2642虚蝉、12-2932虚蝉、-2960虚蝉、-2961虚蝉、-3107空蝉、-3108空蝉、-3292打蝉、13-3332(旋)空蝉、14-3456宇都世美、17-3962(長歌)宇都世美、18-4106(長歌)宇都世美、-4125(長歌)宇都世美、19-4160(長歌)宇都勢美、-4162宇都世美、-4185宇都世美、-4189(長歌)宇都勢美、-4211(長歌)宇都勢美、-4214(長歌)宇都勢美、-4220(長歌)宇都世美、-4408(長歌)宇都世美、-4468宇都世美。


万葉短歌3455 恋しけば3200

2019年12月20日 | 万葉短歌

*** 万葉集 巻14 相聞(3455-3566、112首) 始 ***

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万葉短歌3455 恋しけば3200

恋しけば 来ませ我が背子 垣つ柳
末摘み枯らし 我れ立ち待たむ  

3200     万葉短歌3455 ShuG433 2019-1220-man3455

こひしけば きませわがせこ かきつやぎ
  うれつみからし われたちまたむ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第1首。女。 【訓注】恋(こひ=古非)。我が背子(わがせこ=我勢古)。我れ(われ=和礼)。


万葉短歌3454 庭に立つ3199

2019年12月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3454 庭に立つ3199

庭に立つ 麻手小衾 今夜だに
夫寄しこせね 麻手小衾  

3199     万葉短歌3454 ShuG423 2019-1219-man3454

にはにたつ あさでこぶすま こよひだに
  つまよしこせね あさでこぶすま
〇=出典未詳。
【編者注】雑歌(3438-3454、17首)の第17首。女。
【訓注】庭(には=尓波)。麻手小衾(あさでこぶすま=安佐提古夫須麻)[「麻で作った掛蒲団」]。夫寄しこせね(つまよしこせね=都麻余之許西祢)[「夫(つま)をここに呼び寄せられるようにしておくれ。・・・女が男を<夫(つま)>と客観的に称するのは、東国の歌ではここだけである」]。

*** 万葉集 巻14 雑歌(3438-3454、17首) 終 ***


万葉短歌3453 風の音の3198

2019年12月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌3453 風の音の3198

風の音の 遠き我妹が 着せし衣
手本のくだり まよひ来にけり  

3198     万葉短歌3453 ShuG423 2019-1218-man3453

かぜのとの とほきわぎもが きせしきぬ
  たもとのくだり まよひきにけり
〇=出典未詳。
【編者注】雑歌(3438-3454、17首)の第16首。男。
【訓注】風の音(かぜのと=可是能等)[<と>は<おと>(音)。01-0003(長歌、2か所)奈加弭乃 音為奈利(なかはずの おとすなり)、奈加弭乃 音為奈里(なかはずの おとすなり)、-0077大夫之 鞆乃音為奈利(ますらをの おとすなり)、など]。手本のくだり(たもとのくだり=多母登乃久太利)[「袖の縫い返しの折目をいうか」]。


万葉短歌3452 おもしろき3197

2019年12月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3452 おもしろき3197

おもしろき 野をばな焼きそ 古草に
新草交り 生ひば生ふるがに  

3197     万葉短歌3452 ShuG423 2019-1217-man3452

おもしろき のをばなやきそ ふるくさに
  にひくさまじり おひばおふるがに
〇=出典未詳。
【編者注】雑歌(3438-3454、17首)の第15首。男。
【訓注】おもしろき(於毛思路伎)[04-0746如是憾怜(かくおもしろく)、07-1081夜渡月乎 憾怜(よわたるつきを おもしろみ)、07-1240面白四手 古昔所念(おもしろくして いにしへおもほゆ)、16-3791(長歌)野辺尾回者 面白見(のへをめぐれば おもしろみ)]。