万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌3435 伊香保ろの3180

2019年11月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌3435 伊香保ろの3180

伊香保ろの 沿ひの榛原 我が衣に
着きよらしもよ ひたへと思へば  〇

3180     万葉短歌3435 ShuG400 2019-1130-man3435

いかほろの そひのはりはら わがきぬに
  つきよらしもよ ひたへとおもへば
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第7首。男。
【訓注】伊香保(いかほ=伊可保)。榛原(はりはら=波里波良)[01-0057仁保布榛原(にほふはりはら)、03-0280真野乃榛原(まののはりはら)、など]。我が衣(わがきぬ=和我吉奴)。着きよらしもよ(つきよらしもよ=都伎与良之母与)[下記注]。ひたへ(比多敝)[「<一重(ひとへ)>の訛り」。2-0207(長歌)千重乃一隔母(ちへのひとへも)、ほか]。
【依拠本注-着きよらしもよ】「着(つ)きよろし」と同じで、染め上がりの具合がよろしい、の意。相性のよいことの譬え。


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万葉短歌3434 上つ毛野3179

2019年11月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌3434 上つ毛野3179

上つ毛野 安蘇山つづら 野を広み
延ひにしものを あぜか絶えけむ  〇

3179     万葉短歌3434 ShuG400 2019-1129-man3434

かみつけの あそやまつづら のをひろみ
  はひにしものを あぜかたえけむ
〇=出典未詳。 【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第6首。女。
【訓注】上つ毛野(かみつけの=可美都家野)。安蘇山(あそやま=安蘇夜麻)[3404。所在未詳]。あぜか(安是加)[3369安是加、など]。


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万葉短歌3433 薪伐る3178

2019年11月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌3433 薪伐る3178

薪伐る 鎌倉山の 木垂る木を
松と汝が言はば 恋ひつつやあらむ  〇

3178     万葉短歌3433 ShuG396 2019-1128-man3433

たきぎこる かまくらやまの こだるきを
  まつとながいはば こひつつやあらむ
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第5首。男。左注に、「右三首相模国歌(さがむのくにのうた)」。
【訓注】伐る(こる=許流)[07-1403(旋)燎木伐 殆之国(たききこり ほとほとしくに)]。鎌倉山(かまくらやま=可麻久良夜麻)[「鎌倉市周辺の丘陵」]。汝(な=奈)。恋ひ(こひ=古非)。相模国(さがむのくに)[「神奈川県の大部分」]。


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万葉短歌3432 足柄の3177

2019年11月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌3432 足柄の3177

足柄の わを可鶏山の かづの木の
我を誘さねも 門さかずとも  〇

3177     万葉短歌3432 ShuG396 2019-1127-man3432

あしがりの わをかけやまの かづのきの
  わをかづさねも かづさかずとも
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第4首。男。
【訓注】足柄(あしがり=阿之賀利)。わを可鶏山の(わをかけやまの=可鶏夜麻能)[「<我を懸け>を懸ける表現だが、<可鶏山>は所在未詳」]。かづの木(かづのき=可頭乃木)[「ぬるでの木・・・穀の木。男の譬え」]。我を誘さねも(わをかづさねも=和乎可豆佐祢母)[「足柄方言に、嫁にやる、娘を男の家に連れ出す意のカヅスが残存するという」]。門さかず(かづさかず=可豆佐可受)[「難解」。20-4386和加々都乃(わがかづの、我が門(かづ)の)]。


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万葉短歌3431 足柄の3176

2019年11月26日 | 万葉短歌

2019-1126-man3431 万葉短歌3431 足柄の3176

足柄の 安伎奈の山に 引こ舟の
後引かしもよ ここば子がたに  〇

3176     万葉短歌3431 ShuG396 2019-1126-man3431

あしがりの あきなのやまに ひこふねの
  しりひかしもよ ここばこがたに
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第3首。女。
【訓注】足柄(あしがり=阿之我里)[3338参照]。安伎奈の山(あきなのやま=安伎奈乃夜麻)[箱根連山の一、所在未詳]。引こ舟(ひこふね=比古布祢)[「<引こ>は<引く>の東国形」]。後引かしもよ(しりひかしもよ=斯利比可志母与)[「うしろ髪を引かれるような未練がましい・・・<もよ>は詠嘆の助詞]。ここば子がたに(ここばこがたに=許己波故賀多尓)[こんなにも「子のせいで」]。


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万葉短歌3430 志太の浦を3175

2019年11月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌3430 志太の浦を3175

志太の浦を 朝漕ぐ舟は よしなしに
漕ぐらめかもよ よしこさるらめ  〇

3175     万葉短歌3430 ShuG395 2019-1125-man3430

しだのうらを あさこぐふねは よしなしに
  こぐらめかもよ よしこさるらめ
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第2首。女。左注に、「右一首駿河国(するがのくにの)歌」。
【訓注】志太の浦(しだのうら=斯太能宇良)[静岡県焼津市など(旧志太郡)の海岸]。よしなしに(与志奈之尓)[「<よし>は理由、根拠」]。


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万葉短歌3429 遠江3174

2019年11月24日 | 万葉短歌

*** 万葉集 巻14 譬喩歌(3429-3437、9首) 始 ***

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万葉短歌3429 遠江3174

遠江 引佐細江の みをつくし
我れを頼めて あさましものを  〇

3174     万葉短歌3429 ShuG393 2019-1124-man3429

とほつあふみ いなさほそえの みをつくし
  あれをたのめて あさましものを
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第1首。男。左注に、「右一首遠江国(とほつあふみのくにの)歌」。
【訓注】遠江(とほつあふみ=等保都安布美)[静岡県西部]。引佐細江(いなさほそえ=伊奈佐保曽江)[静岡県浜松市北区細江町。奥浜名湖の別名]。みをつくし(水乎都久思)[’水脈つ串’。航路標識。「<身を尽(つく)し>(・・・)を懸けているのかもしれない」]。我れ(あれ=安礼)。あさましものを(安佐麻之物能乎)[「<あさ>は浅くなる・・・<まし>は仮想、<ものを>は逆説」]。


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万葉短歌3428 安達太良の3173

2019年11月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌3428 安達太良の3173

安達太良の 嶺に伏す鹿猪の ありつつも
我れは至らむ 寝処な去りそね  〇

3173     万葉短歌3428 ShuG388 2019-1123-man3428

あだたらの ねにふすししの ありつつも
  あれはいたらむ ねどなさりそね
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第76首。男。左注に、「右三首陸奥国歌」。
【訓注】安達太良(あだたら=安太多良)[「福島県二本松市西方の安達太良山」。14-3437美知乃久能 安太多良末由美(みちのくの あだたらまゆみ)]。鹿猪(しし=思之)。我れ(あれ=安礼)。寝処(ねど=祢度)[「東歌だけに見える語」]。

*** 万葉集 巻14 相聞(3353-3428、76首) 終 ***


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万葉短歌3427 筑紫なる3172

2019年11月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌3427 筑紫なる3172

筑紫なる にほふ子ゆゑに 陸奥の
可刀利娘子の 結ひし紐解く  〇

3172     万葉短歌3427 ShuG388 2019-1122-man3427

つくしなる にほふこゆゑに みちのくの
  かとりをとめの ゆひしひもとく
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第75首。女。
【訓注】筑紫(つくし)[「ここでは九州の総称」]。陸奥(みちのく=美知能久)[「<東歌>における<陸奥>は、・・・福島県にあたるもの」]。可刀利(かとり)[「<縑>から起こった地名・・・所在未詳」]。


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万葉短歌3426 会津嶺の3171

2019年11月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌3426 会津嶺の3171

会津嶺の 国をさ遠み 逢はなはば
偲ひにせもと 紐結ばさね  〇

3171     万葉短歌3426 ShuG388 2019-1121-man3426

あひづねの くにをさとほみ あはなはば
  しのひにせもと ひもむすばさね
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第74首。男。
【訓注】会津嶺(あひづね=安比豆祢)[「福島県の磐梯山・・・<会津>は陸奥の国の郡名」]。逢はなはば(あはなはば=安波奈波婆)[「<なは>は、打消の助動詞<なふ>(3375)の未然形」]。せも(勢毛)[「<せむ>の東国形」]。さね(佐祢)[(依拠本注要旨)男が女への親愛の情を示し、希求を込めた敬語表現]。


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万葉短歌3425 下つ毛野3170

2019年11月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌3425 下つ毛野3170

下つ毛野 安蘇の川原よ 石踏まず
空ゆと来ぬよ 汝が心告れ  〇

3170     万葉短歌3425 ShuG384 2019-1120-man3425

しもつけの あそのかはらよ いしふまず
  そらゆとこぬよ ながこころのれ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第73首。男。左注に、「右二首下野国歌」。
【訓注】下つ毛野(しもつけの=志母都家務)。安蘇(あそ=安素)[「下野の国の郡名]。川原よ(かはらよ=河泊良欲)[「<よ>は通過地を示す助詞」]。心告れ(こころのれ=己許呂能礼)[下記注]。
【依拠本注-心告れ】「心」について「告る」というのは、集中ここだけの表現で、珍しい。


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万葉短歌3431 足柄の3176

2019年11月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3431 足柄の3176

足柄の 安伎奈の山に 引こ舟の
後引かしもよ ここば子がたに  〇

3176     万葉短歌3431 ShuG396 2019-1126-man3431

あしがりの あきなのやまに ひこふねの
  しりひかしもよ ここばこがたに
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3429-3437、9首)の第3首。女。
【訓注】足柄(あしがり=阿之我里)[3338参照]。安伎奈の山(あきなのやま=安伎奈乃夜麻)[箱根連山の一、所在未詳]。引こ舟(ひこふね=比古布祢)[「<引こ>は<引く>の東国形」]。後引かしもよ(しりひかしもよ=斯利比可志母与)[「うしろ髪を引かれるような未練がましい・・・<もよ>は詠嘆の助詞]。ここば子がたに(ここばこがたに=許己波故賀多尓)[こんなにも「子のせいで」]。


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万葉短歌3424 下つ毛野3169

2019年11月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3424 下つ毛野3169

下つ毛野 三毳の山の 小楢のす
まぐはし子ろは 誰が笥か持たむ  〇

3169     万葉短歌3424 ShuG384 2019-1119-man3424

しもつけの みかものやまの こならのす
  まぐはしころは たがけかもたむ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第72首。男。
【訓注】下つ毛野(しもつけの=之母都家野)[栃木県]。三毳の山(みかものやま=美可母乃夜麻)[「佐野市と〔栃木市〕とのあいだにある山。大田和(おおたわ)山(青竜ケ岳)とも・・・」]。のす(能須)[3413参照]。まぐはし(麻具波思)[3407参照]。


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万葉短歌3423 上つ毛野3168

2019年11月18日 | 万葉短歌

2019-1118-man3423
万葉短歌3423 上つ毛野3168

上つ毛野 伊香保の嶺ろに 降ろ雪の
行き過ぎかてぬ 妹が家のあたり  〇

3168     万葉短歌3423 ShuG379 2019-1118-man3423

かみつけの いかほのねろに ふろよきの
  ゆきすぎかてぬ いもがいへのあたり
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第71首。男。左注に、「右廿二首上野国歌」。
【訓注】上つ毛野(かみつけの=可美都氣努)。伊香保(いかほ=伊可抱)。降る雪(ふろよき=布路与伎)[「<降ろ>は<降る>の東国形。<雪(よき)>は<雪(ゆき)>の東国語」]。


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万葉短歌3422 伊香保風3167

2019年11月17日 | 万葉短歌

2019-1117-man3422
万葉短歌3422 伊香保風3167

伊香保風 吹く日吹かぬ日 ありと言へど
我が恋のみし 時なかりけり  〇

3167     万葉短歌3422 ShuG379 2019-1117-man3422

いかほかぜ ふくひふかぬひ ありといへど
  あがこひのみし ときなかりけり
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第70首。男。
【訓注】伊香保(いかほ=伊可保)。我が恋(あがこひ=安我古非)。


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