万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1443 霞立つ1310

2014年07月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌1443 霞立つ1310

霞立つ 野の上の方に 行きしかば
うぐひす鳴きつ 春になるらし  丹比真人乙麻呂

1310     万葉短歌1443 ShuD466 2014-0730-man1443

かすみたつ ののうへのかたに ゆきしかば
  うぐひすなきつ はるになるらし
丹比真人乙麻呂(たぢひの まひとおとまろ)=脚注読下しに「屋主真人が第二子なり」。集中に一首だけ。
【編者注】題詞は「丹比真人乙麻呂歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第26首。
【訓注】野の上の方(ののうへのかた=野上乃方)。うぐひす(鸎)。鳴きつ(なきつ=鳴都)[≠鳴きぬ]。春になるらし(はるになるらし=春尓成良思)。


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万葉短歌1442 難波辺に1309

2014年07月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌1442 難波辺に1309

難波辺に 人の行ければ 後れ居て
春菜摘む子を 見るが悲しさ  丹比屋主真人

1309     万葉短歌1442 ShuD464 2014-0729-man1442

なにはへに ひとのゆければ おくれゐて
  はるなつむこを みるがかなしさ
丹比屋主真人(たぢひの やぬしの まひと)=原文では「大蔵少輔(おほくらのせうふ)丹比屋主真人」。06-1031参照。
【編者注】題詞は「大蔵少輔丹比屋主真人歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第25首。
【訓注】摘む子(つむこ=採児)。悲しさ(かなしさ=悲也)。


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万葉短歌1441 うち霧らし1308

2014年07月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌1441 うち霧らし1308

うち霧らし 雪は降りつつ しかすがに
我家の園に うぐひす鳴くも  大伴家持

1308     万葉短歌1441 ShuD462 2014-0728-man1441

うちきらし ゆきはふりつつ しかすがに
  わぎへのそのに うぐひすなくも
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢(すくね)家持」。「この歌の時、年十五歳程度。」(依拠本) 03-0403歌参照。
【編者注】題詞は「大伴宿祢家持鶯歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第24首。
【訓注】うち霧らし(うちきらし=打霧之)。降りつつ(ふりつつ=零乍)。しかすがに(然為我二)[07-1397=然為蟹]。我家(わぎへ=吾宅)。


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万葉短歌1440 春雨の1307

2014年07月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌1440 春雨の1307

春雨の しくしく降るに 高円の
山の桜は いかにかあるらむ  河辺東人

1307     万葉短歌1440 ShuD460 2014-0727-man1440

はるさめの しくしくふるに たかまとの
  やまのさくらは いかにかあるらむ
河辺東人(かはへの あづまひと)=原文では「河辺朝臣(あそみ)東人」。06-0978歌参照。
【編者注】題詞は「河辺朝臣東人歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第23首。
【訓注】春雨(はるさめ)[波流佐米=17-3969、18-4138]。しくしく(敷)。高円(たかまと)[奈良市春日山南、02-0230]。


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万葉短歌1439 時は今1306

2014年07月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌1439 時は今1306

時は今 春になりぬと み雪降る
遠山の辺に 霞たなびく  中臣武良自

1306     万葉短歌1439 ShuD459 2014-0726-man1439

ときはいま はるになりぬと みゆきふる
  とほやまのへに かすみたなびく
中臣武良自(なかとみの むらじ)=原文では「中臣朝臣(あそみ)武良自」。未詳。中臣朝臣宅守(やかもり。15-3727~)の従兄弟?
【編者注】題詞は「中臣朝臣武良自歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第22首。
【訓注】時は今(ときはいま=時者今)。みゆき降る(みゆきふる=三雪零)。霞たなびく(かすみたなびく=霞多奈婢久)。


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万葉短歌1438 霞立つ1305

2014年07月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌1438 霞立つ1305

霞立つ 春日の里の 梅の花
花に問はむと 我が思はなくに  大伴駿河麻呂

1305     万葉短歌1438 ShuD457 2014-0725-man1438

かすみたつ かすがのさとの うめのはな
  はなにとはむと わがおもはなくに
大伴駿河麻呂(おほともの するがまろ)=原文では「大伴宿祢駿河丸」。03-0400歌参照。
【編者注】題詞は「大伴宿祢駿河丸歌一首」。「丸」は「麻呂」に同じ。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第21首。梅花は家持義妹坂上二嬢(おといらつめ)?
【訓注】山のあらし(やまのあらし=山下風)。花(はな=波奈)。我が思はなくに(わがおもはなくに=吾念奈久尓)。


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万葉短歌1437 霞立つ1304

2014年07月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌1437 霞立つ1304

霞立つ 春日の里の 梅の花
山のあらしに 散りこすなゆめ  大伴村上

1304     万葉短歌1437 ShuD455 2014-0724-man1437

かすみたつ かすがのさとの うめのはな
  やまのあらしに ちりこすなゆめ
大伴村上(おほともの むらかみ)=原文では「大伴宿祢村上」。08-1436歌参照。
【編者注】題詞は「大伴宿祢村上梅歌二首」、その第2首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第20首。
【訓注】山のあらし(やまのあらし=山下風)。


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万葉短歌1436 ふふめりと1303

2014年07月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌1436 ふふめりと1303

ふふめりと 言ひし梅が枝 今朝降りし
沫雪にあひて 咲きぬらむかも  大伴村上

1303     万葉短歌1436 ShuD455 2014-0723-man1436

ふふめりと いひしうめがえ けさふりし
  あわゆきにあひて さきぬらむかも
大伴村上(おほともの むらかみ)=原文では「大伴宿祢村上」。「宝亀二(771)四正六上より従五位下、同十一月肥後介、同三・四阿波守(…)。天平勝宝六(754)一の大伴氏集宴の折、民部少丞(…)。」(講談社『万葉集事典』)
【編者注】題詞は「大伴宿祢村上梅歌二首」、その第1首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第19首。
【訓注】ふふめり(含有)。今朝降りし(けさふりし=今旦零四)。沫雪(あわゆき)[08-1420]。あひて(相而)。咲きぬらむ(さきぬらむ=将開)。


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万葉短歌1435 かはづ鳴く1302

2014年07月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌1435 かはづ鳴く1302

かはづ鳴く 神なび川に 影見えて
今か咲くらむ 山吹の花  厚見王

1302     万葉短歌1435 ShuD453 2014-0722-man1435

かはづなく かむなびがはに かげみえて
  いまかさくらむ やまぶきのはな
厚見王(あつみの おほきみ)=04-0668歌参照。
【編者注】題詞は「厚見王歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第18首。
【訓注】かはづ(河津)。神なび川(かむなびがわ=甘南備河)[08-1419。飛鳥川?竜田川?]。影(かげ=陰)。咲く(さく=開)。山吹の花(やまぶきのはな=山振乃花)。
【訓注】春日の里(かすがのさと=春日里)[奈良市春日山南、白毫寺町辺]。
【派生歌】今もかも咲きにほふらむ橘の 小島の崎の山吹の花 (『古今集』春歌下、2-121)
 逢坂の関の清水にかげ見えて 今や引くらむ望月の駒 (『拾遺集』秋、3-170)
 春ふかみ神なび川にかげ見えて うつろひにけり山吹の花 (『金葉集』春部、1-78)
 かはづ鳴く神なび川に咲く花の いはぬ色をも人のとへかし (『新勅撰集』恋歌一、11-691)


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万葉短歌1434 霜雪も1301

2014年07月21日 | 万葉短歌

2014-0721-man1434
万葉短歌1434 霜雪も1301

霜雪も いまだ過ぎねば 思はぬに
春日の里に 梅の花見つ  大伴三林

1301     万葉短歌1434 ShuD452 2014-0721-man1434

しもゆきも いまだすぎねば おもはぬに
  かすがのさとに うめのはなみつ
大伴三林(おほともの みはやし)=未詳。[04-0552 三依?]
【編者注】題詞は「大伴宿祢三林梅歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第17首。


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万葉短歌1433 打ち上る1300

2014年07月20日 | 万葉短歌

2014-0720-man1433
万葉短歌1433 打ち上る1300

打ち上る 佐保の川原の 青柳は
今は春へと なりにけるかも  大伴坂上郎女

1300     万葉短歌1433 ShuD450 2014-0720-man1433

うちのぼる さほのかはらの あをやぎは
  いまははるへと なりにけるかも
大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563参照。
【編者注】題詞は「大伴坂上郎女柳歌二首」、その第2首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第16首。
【訓注】川原(かはら=河原)。春へと(はるへと=春部登)。なりにけるかも(成尓鶏類鴨)。


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万葉短歌1432 我が背子が1299

2014年07月19日 | 万葉短歌

2014-0719-man1432
万葉短歌1432 我が背子が1299

我が背子が 見らむ佐保道の 青柳を
手折りてだにも 見むよしもがも  大伴坂上郎女

1299     万葉短歌1432 ShuD450 2014-0719-man1432

わがせこが みらむさほぢの あをやぎを
  たをりてだにも みむよしもがも
大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563参照。
【編者注】題詞は「大伴坂上郎女柳歌二首」、その第1首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第15首。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾背児)。佐保道(さほぢ)[奈良市佐保。06-0955、08-1447]。


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万葉短歌1431 百済野の1298

2014年07月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌1431 百済野の1298

百済野の 萩の古枝に 春待つと
居りしうぐひす 鳴きにけむかも  山部赤人

1298     万葉短歌1431 ShuD449 2014-0718-man1431

くだらのの はぎのふるえに はるまつと
  をりしうぐひす なきにけむかも
山部赤人(やまべの あかひと)=原文には「山部宿祢(すくね)赤人」。01-0318歌参照。
【編者注】題詞は「山部宿祢赤人歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第14首。
【訓注】百済野(くだらの)[奈良県北葛城郡広陵町百済]。萩(はぎ=芽)。古枝(ふるえ)。うぐひす(鸎)。


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万葉短歌1430 去年の春1297

2014年07月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌1430 去年の春1297

去年の春 逢へりし君に 恋ひにてし
桜の花は 迎へけらしも  若宮年魚麻呂

1297     万葉短歌1430 ShuD446 2014-0717-man1430

こぞのはる あへりしきみに こひにてし
  さくらのはなは むかへけらしも
若宮年魚麻呂(わかみやの あゆまろ)=01-0388、89歌参照。
【編者注】第1428歌は、反歌を欠く長歌。第1429歌は長歌(題詞「桜花歌一首 并短歌」)。第1430歌は「反歌」。左注読下しに、「右の二首は、若宮年魚麻呂誦(よ)む。」「春雑歌」三十首(1418~1447)の第13首。
【訓注】去年の春(こぞのはる=去年之春)。逢へりし君(あへりしきみ=相有之君)。


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万葉短歌1427 明日よりは1296

2014年07月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌1427 明日よりは1296

明日よりは 春菜摘まむと 標めし野に
昨日も今日も 雪は降りつつ  山部赤人

1296     万葉短歌1427 ShuD438 2014-0716-man1427

あすよりは はるなつまむと しめしのに
  きのふもけふも ゆきはふりつつ
山部赤人(やまべの あかひと)=原文には「山部宿祢(すくね)赤人」。01-0318歌参照。
【編者注】題詞は「山部宿祢赤人歌四首」(1424~1427)、その第4首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第10首。
【訓注】明日、昨日、今日(あす、きのふ、けふ)。摘まむ(つまむ=将採)。標めし野(しめしの=標之野)。雪は降りつつ(ゆきはふりつつ=雪波布利管)。


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