万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2668 二上に2480

2017年11月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌2668 二上に2480

二上に 隠らふ月の 惜しけども
妹が手本を 離るるこのころ   

2480     万葉短歌2668 ShuF308 2017-1130-man2668

ふたかみに かくらふつきの をしけども
 いもがたもとを かるるこのころ

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第50首。男。
【訓注】二上(ふたかみ)[奈良県葛城(かつらぎ)市旧当麻(たいま)町の西の二上山。「大和の平原の西に当たり、月の入る方向…」]。隠らふ月(かくらふつき=隠経月)[11-2666注参照]。手本(たもと=田本)。離るる(かるる=加流類)。


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万葉短歌2667 真袖もち2479

2017年11月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌2667 真袖もち2479

真袖もち 床うち払ひ 君待つと
居りし間に 月かたぶきぬ   

2479     万葉短歌2667 ShuF308 2017-1129-man2667

まそでもち とこうちはらひ きみまつと
 をりしあひだに つきかたぶきぬ

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第49首。女。
【依拠本注】佐佐木『評注』には、「純情一途の歌である。必ずおとづれて来るものと信じ、いそいそと愛人を迎へる準備をして待つてゐる。時は刻々と移つてゆく。しかも懐かしの姿は見えず、月は漸く傾きかけて来た。けれどもまだ断念する気にはなれないのである」・・・赤染衛門の、
 やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな [後拾遺和歌集 恋2](12-680)
と比較し、・・・絶賛に及んでいる。
【原文】11-2667  真袖持 床打払 君待跡 居之間尓 月傾  作者未詳


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万葉短歌2666 妹が目の2478

2017年11月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌2666 妹が目の2478

妹が目の 見まく欲しけく 夕闇の
木の葉隠れる 月待つごとし   

2478     万葉短歌2666 ShuF308 2017-1128-man2666

いもがめの みまくほしけく ゆふやみの
 このはごもれる つきまつごとし

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第48首。男。
【訓注】夕闇(ゆふやみ)。木の葉隠れる(このはごもれる=木葉隠有)[下記注]。
【依拠本注-隠】コモルともカクルとも訓む字。『時代別国語大辞典(上代編』に、「カクルは視界内から外へ去るという動きをあらわし、コモルは対象が奥に入りかくれた状態をあらわすという点にその差が認められる」とある。


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万葉短歌2665 月しあれば2477

2017年11月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌2665 月しあれば2477

月しあれば 明くらむわきも 知らずして
寝て我が来しを 人見けむかも   

2477     万葉短歌2665 ShuF307 2017-1127-man2665

つきしあれば あくらむわきも しらずして
 ねてわがこしを ひとみけむかも

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第47首。男。
【訓注】わき(別)[04-0716夜昼 云別不知(よるひると いふわきしらず)、10-1915春雨之 零別不知(はるさめの ふるわきしらず)、11-2536年月之 徃覧別毛(としつきの ゆくらむわきも)、など]。寝て我が来しを(ねてわがこしを=寐吾来乎)。


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万葉短歌2664 夕月夜2476

2017年11月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌2664 夕月夜2476

夕月夜 暁闇の 朝影に
我が身はなりぬ 汝を思ひかねて   

2476     万葉短歌2664 ShuF307 2017-1126-man2664

ゆふづくよ あかときやみの あさかげに
 あがみはなりぬ なをおもひかねて

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第46首。女。
【原文】11-2664  暮月夜 暁闇夜乃 朝影尓 吾身者成奴 汝乎念金手  作者未詳


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万葉短歌2663 ちはやぶる2475

2017年11月25日 | 万葉短歌

2017-1125-man2663
万葉短歌2663 ちはやぶる2475

ちはやぶる 神の斎垣も 越えぬべし
今は我が名の 惜しけくもなし   

2475     万葉短歌2663 ShuF303 2017-1125-man2663

ちはやぶる かみのいがきも こえぬべし
 いまはわがなの をしけくもなし

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第45首。男。
【訓注】ちはやぶる(千葉破)。斎垣(いがき=伊垣)。我が名(わがな=吾名)。惜しけくもなし(をしけくもなし=惜無)。


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万葉短歌2662 我妹子に2474

2017年11月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌2662 我妹子に2474

我妹子に またも逢はむと ちはやぶる
神の社を 祷まぬ日はなし   

2474     万葉短歌2662 ShuF303 2017-1124-man2662

わぎもこに またもあはむと ちはやぶる
 かみのやしろを のまぬひはなし

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第44首。男。
【訓注】我妹子に(わぎもこに=吾妹児)。ちはやぶる(千羽八振)。祷まぬ(のまぬ=不祷)[11-2660参照]。


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万葉短歌2661 霊ぢはふ2473

2017年11月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌2661 霊ぢはふ2473

霊ぢはふ 神も我れをば 打棄てこそ
しゑや命の 惜しけくもなし   

2473     万葉短歌2661 ShuF303 2017-1123-man2661

たまぢはふ かみもわれをば うつてこそ
 しゑやいのちの をしけくもなし

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第43首。女。
【訓注】霊ぢはふ(たまぢはふ=霊治波布)[<「ちはふ」は霊力を実現させて加護する意。> 09-1753(長歌)女神毛 千羽日給而(めかみも ちはひたまひて)]。我れを(われを=吾)。打棄て(うつて=打棄)。しゑや命の(しゑやいのちの=四恵也寿之)。惜しけくもなし(をしけくもなし=恡無)。


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万葉短歌2660 夜並べて2472

2017年11月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌2660 夜並べて2472

夜並べて 君を来ませと ちはやぶる
神の社を 祷まぬ日はなし   

2472     万葉短歌2660 ShuF303 2017-1122-man2660

よならべて きみをきませと ちはやぶる
 かみのやしろを のまぬひはなし

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第42首。女。
【訓注】ちはやぶる(千石破)[02-0101千磐破 神曽著常云(ちはやぶる かみぞつくといふ)、-0199(長歌)千磐破、03-0404千磐破 神之社四(… かみのやしろし)、など]。祷まぬ(のまぬ=不祈)[<「祷(の)む」は低頭して祈る意。> 03-0443(長歌)天地乃 神祇乞祷(あめつちの かみをこひのみ)、05-0906布施於吉弖 吾波許比能武(ふせおきて あれはこひのむ)、13-3284(長歌)天地之 神祇乎曽吾祈(… かみをぞあがのむ)、など]。
【原文】11-2660  夜並而 君乎来座跡 千石破 神社乎 不祈日者無  作者未詳


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万葉短歌2659 争へば2471

2017年11月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌2659 争へば2471

争へば 神も憎ます よしゑやし
よそふる君が 憎くあらなくに   

2471     万葉短歌2659 ShuF300 2017-1121-man2659

あらそへば かみもにくます よしゑやし
 よそふるきみが にくくあらなくに

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第41首。女。
【訓注】憎ます(にくます=悪為)[<「す」は尊敬の助動詞で、親愛の色が強い。> 01-0021尓苦久有者(にくくあらば)、07-1397憎者不有手(にくくはあらずて)、10-1990憎毛有目(にくくもあらめ)、11-2542二八十一不在国(にくくあらなくに)、など]。よしゑやし(縦咲八師)。よそふる(世副流)[寄せて副える]。


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万葉短歌2658 天雲の2470

2017年11月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌2658 天雲の2470

天雲の 八重雲隠り 鳴る神の
音のみにやも 聞きわたりなむ   

2470     万葉短歌2658 ShuF300 2017-1120-man2658

あまくもの やへくもがくり なるかみの
 おとのみにやも ききわたりなむ

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第40首。女。
【訓注】八重雲隠り(やへくもがくり=八重雲隠)。鳴る神(なるかみ=鳴神)。


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万葉短歌2657 神なびに2469

2017年11月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌2657 神なびに2469

神なびに ひもろき立てて 斎へども
人の心は まもりあへぬもの   

2469     万葉短歌2657 ShuF300 2017-1119-man2657

かむなびに ひもろきたてて いはへども
 ひとのこころは まもりあへぬもの

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第39首。女。
【訓注】神なび(かむなび=神名火)[「神の来臨して籠る、土の高く盛り上がっている所」。03-0324(長歌)三諸乃 神名備山尓(みもろの かむなびやまに)、06-0969神名火乃 淵者浅而(かむなびの ふちはあせにて)、07-1125霞立良武 甘南備乃里(かすみたつらむ かむなびのさと)、など]。ひもろき(紐呂寸)[[常緑樹などを植え立てて、神の依り憑く所としたもの」。集中ここだけ。下記注]。斎ふ(いはふ=忌)[「我が身を清めて神に祈る意」]。
【編者注-ひもろき】『詳説古語辞典』は、同見出し語に「ひもろぎ」「ひぼろぎ」とも、として、(1)神籬(植物)、(2)胙(供物・食物)の漢字を記す。なお、胙(音読み:ソ)は膰(ハン)に同じ。


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万葉短歌2656 天飛ぶや2468

2017年11月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌2656 天飛ぶや2468

天飛ぶや 軽の社の 斎ひ槻
幾代まであらむ 隠り妻ぞも   

2468     万葉短歌2656 ShuF300 2017-1118-man2656

あまとぶや かるのやしろの いはひつき
 いくよまであらむ こもりづまぞも

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第38首。男。
【訓注】軽(かる)[奈良県橿原市大軽町。社は「一説に…畝傍山西南麓の軽古(かるこ)の社」]。槻(つき)[「欅の古名」。02-0210(長歌)堤尓立有 槻木之(つつみにたてる つきのきの)]。


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万葉短歌2655 紅の2467

2017年11月17日 | 万葉短歌

2017-1117-man2655
万葉短歌2655 紅の2467

紅の 裾引く道を 中に置きて
我れか通はむ 君か来まさむ   

2467     万葉短歌2655 ShuF299 2017-1117-man2655

くれなゐの すそびくみちを なかにおきて
 われかかよはむ きみかきまさむ

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第37首。女。左注に、「一云 須蘇衝河乎 又曰 待香将待」(すそつくかはを[裾漬く川を]/まちにかまたむ[待ちにか待たむ])。
【訓注】裾(すそ=襴)。我れか(われか=妾哉)。君か(きみか=公哉)[下記注]。
【編者注-妾】出現か所は、09-1727妾名(わがな)、11-2655妾哉(われか)、-2697(長歌)妾名、-2774妾思公(あがもふきみ)、13-3280(長歌)妾背児(わがせこ)、-3329妾耳(あのみ)、妾恋(あがこひ)、など。


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万葉短歌2654 君に恋ひ2466

2017年11月16日 | 万葉短歌

2017-1116-man2654
万葉短歌2654 君に恋ひ2466

君に恋ひ 寐寝ぬ朝明に 誰が乗れる
馬の足の音ぞ 我れに聞かする   

2466     万葉短歌2654 ShuF296 2017-1116-man2654

きみにこひ いねぬあさけに たがのれる
 うまのあのおとぞ われにきかする

=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2619~2807、189首)の第36首。女。
【訓注】寐寝ぬ朝明に(いねぬあさけに=寝不宿朝明)。足の音(あのおと=足音)[14-3387安能於登世受 由可牟古馬母我(あのおとせず ゆかむこまもが)]。我れに(われに=吾)。


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