2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
【2020年11月01日】2010年11月01開設から満10年 35**日
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2020-1030-man3763
万葉短歌3763 旅と言へば3500
旅と言へば 言にぞやすき すべもなく
苦しき旅も 言にまさめやも 中臣宅守
3500 万葉短歌3763 ShuH294 2020-1030-man3763
□たびといへば ことにぞやすき すべもなく
くるしきたびも ことにまさめやも
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第41首、贈答歌群48首(3731~3778)の第33首。男。
【訓注】旅(たび=多婢)。すべもなく(須敝毛奈久)。苦しき旅(くるしきたび=久流思伎多婢)。
2020-1029-man3762
万葉短歌3762 我妹子に3499
我妹子に 逢坂山を 越えて来て
泣きつつ居れど 逢ふよしもなし 中臣宅守
3499 万葉短歌3762 ShuH294 2020-1029-man3762
□わぎもこに あふさかやまを こえてきて
なきつつをれど あふよしもなし
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第40首、贈答歌群48首(3731~3778)の第32首。男。
【訓注】我妹子(わぎもこ=和伎毛故)。逢坂山(あふさかやま=安布左可山)[10-2283相坂山、13-3236(長歌)相坂山、など5か所]。
2020-1028-man3761
万葉短歌3761 世間の3498
世間の 常の理 かくさまに
なり来にけらし すゑし種から 中臣宅守
3498 万葉短歌3761 ShuH294 2020-1028-man3761
□よのなかの つねのことわり かくさまに
なりきにけらし すゑしたねから
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第39首、贈答歌群48首(3731~3778)の第31首。男。
【訓注】世間(よのなか=与能奈可)[02-0210(長歌)世間、-0211(長歌)世中、など<よのなか>訓の出現は45か所]。常の理(つねのことわり=都年能己等和利)。かくさまに(可久左麻尓)[「配流の地にいること」]。すゑし種(すゑしたね=須恵之多祢)[「<据う>・・・起因、要因」。14-3415可久古非牟等夜 多祢物得米家武(かくこひもとや たねもとめけむ)]。
2020-1027-man3760
万葉短歌3760 さ寝る夜は3497
さ寝る夜は 多くあれども 物思はず
安く寝る夜は さねなきものを 中臣宅守
3497 万葉短歌3760 ShuH294 2020-1027-man3760
□さぬるよは おほくあれども ものもはず
やすくぬるよは さねなきものを
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第38首、贈答歌群48首(3731~3778)の第30首。男。
【訓注】さ寝る夜(さぬるよ=左奴流欲)。物思はず(ものもはず=毛能毛波受)。安く寝る夜(やすくぬるよ=夜須久奴流欲)。さね(佐祢)。
2020-1026-man3759
万葉短歌3759 たちかへり3496
たちかへり 泣けども我れは 験なみ
思ひわぶれて 寝る夜しぞ多き 中臣宅守
3496 万葉短歌3759 ShuH294 2020-1026-man3759
□たちかへり なけどもあれは しるしなみ
おもひわぶれて ぬるよしぞおほき
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第37首、贈答歌群48首(3731~3778)の第29首。男。
【訓注】たちかへり(多知可敝里)。我れ(あれ=安礼)。思ひわぶれて(おもひわぶれて=於毛比和夫礼弖)。寝る夜(ぬるよ=奴流欲)。
2020-1025-man3758
万葉短歌3758 さす竹の3495
さす竹の 大宮人は 今もかも
人なぶりのみ 好みたるらむ 中臣宅守
3495 万葉短歌3758 ShuH294 2020-1025-man3758
□さすだけの おほみやひとは いまもかも
ひとなぶりのみ このみたるらむ
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第36首、贈答歌群48首(3731~3778)の第28首。男。
【訓注】さす竹(さすだけ=佐須太気)[02-0167(長歌)刺竹之 皇子宮人(さすたけの みこのみやひと)、など。<だけ><たけ>は同義」。大宮人(おほみやひと)。人なぶり(ひとなぶり=比等奈夫理)[「人をおもちゃにして困らせること」]。
2020-1024-man3757
万葉短歌3757 我が身こそ3494
我が身こそ 関山越えて ここにあらめ
心は妹に 寄りにしものを 中臣宅守
3494 万葉短歌3757 ShuH294 2020-1024-man3757
□あがみこそ せきやまこえて ここにあらめ
こころはいもに よりにしものを
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第35首、贈答歌群48首(3731~3778)の第27首。男。
【訓注】わが身(あがみ=安我未)。関山(せきやま=世伎夜麻)[「関や山」]。心(こころ=許己呂)。
2020-1023-man3756
万葉短歌3756 向ひ居て3493
向ひ居て 一日もおちず 見しかども
いとはぬ妹を 月わたるまで 中臣宅守
3493 万葉短歌3756 ShuH294 2020-1023-man3756
□むかひゐて ひとひもおちず みしかども
いとはぬいもを つきわたるまで
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第34首、贈答歌群48首(3731~3778)の第26首。男。
【訓注】一日もおちず(ひとひもおちず=一日毛於知受)[3652一日毛於知受、との2か所だけ]。いとはぬ妹(いとはぬいも=伊等波奴伊毛)[他例は 11-2378不猒吾(いとはずあれは)]。
2020-1022-man3755
万葉短歌3755 愛しと3492
愛しと 我が思ふ妹を 山川を
中にへなりて 安けくもなし 中臣宅守
3492 万葉短歌3755 ShuH294 2020-1022-man3755
□うるはしと あがもふいもを やまかはを
なかにへなりて やすけくもなし
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第33首、贈答歌群48首(3731~3778)の第25首。男。
【訓注】愛し(うるはし=宇流波之)。我が思ふ妹(あがもふいも=安我毛布伊毛)。山川(やまかは)。へなりて(敝奈里弖)[「隔てとなっていて」。04-0765一隔山 重成物乎(ひとへやま へなれるものを)、-1464軽引山乃 隔者(たなびくやまの へなれれば)、など]。
2020-1021-man3754
万葉短歌3754 過所なしに3491
過所なしに 関飛び越ゆる ほととぎす
多我子尓毛 やまず通はむ 中臣宅守
3491 万葉短歌3754 ShuH294 2020-1021-man3754
□くゎそなしに せきとびこゆる ほととぎす
みやこがこにも やまずかよはむ
〇中臣宅守(なかとみの やかもり)=第3723番歌注参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第32首、贈答歌群48首(3731~3778)の第24首。男。
【訓注】過所(くゎそ)[「公から与えられる関所の通行許可証。・・・関所手形・・・」]。ほととぎす(保等登芸須)。多我子尓毛(みやこがこにも[依拠本試訓])[下記注]。
【編者注-多我子尓毛】訓義未詳句。ここでは依拠本の試訓を示す。依拠本の諸説紹介を参照。編者はさらに、竹生政資「万葉集3754番歌の難訓句<多我子尓毛>について」(2011年12月15日、電網版)を参照。竹生試訓は「かにもかくにも」。
2020-1020-man3753
万葉短歌3753 逢はむ日の3490
逢はむ日の 形見にせよと たわや女の
思ひ乱れて 縫へる衣ぞ 狭野弟上娘子
3490 万葉短歌3753 ShuH286 2020-1020-man3753
□あはむひの かたみにせよと たわやめの
おもひみだれて ぬへるころもぞ
〇狭野弟上娘子は(さのの おとかみの をとめ)=第3723番歌参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第31首、贈答歌群48首(3731~3778)の第23首。女。左注に、「右九首娘子」。
【編者注-たわや女】03-0379(長歌)膝折伏 手弱女之(ひざをりふして たわやめの)、04-0543(長歌)千遍雖念 手弱女(ちたびおもへど たわやめの)、など10か所に出現。〈たをやめ〉訓は、ない。
【原文】15-3763 安波牟日能 可多美尓世与等 多和也女能 於毛比美太礼弖 奴敝流許呂母曽 狭野弟上娘子
2020-1019-man3752
万葉短歌3752 春の日の3489
春の日の うら悲しきに 後れ居て
君に恋ひつつ うつしけめやも 狭野弟上娘子
3489 万葉短歌3752 ShuH286 2020-1019-man3752
□はるのひの うらがなしきに おくれゐて
きみにこひつつ うつしけめやも
〇狭野弟上娘子は(さのの おとかみの をとめ)=第3723番歌参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第30首、贈答歌群48首(3731~3778)の第22首。女。
【訓注】春の日の(はるのひの=波流乃日能)。うら悲しきに(うらがなしきに=宇良我奈之伎尓)。君に恋ひつつ(きみにこひつつ=君尓古非都々)。うつしけめやも(宇都之家米也母)。
2020-1018-man3751
万葉短歌3751 白栲の3488
白栲の 我が下衣 失はず
持てれ我が背子 直に逢ふまでに 狭野弟上娘子
3488 万葉短歌3751 ShuH286 2020-1018-man3751
□しろたへの あがしたごろも うしなはず
もてれわがせこ ただにあふまでに
〇狭野弟上娘子は(さのの おとかみの をとめ)=第3723番歌参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第29首、贈答歌群48首(3731~3778)の第21首。女。
【訓注】白栲(しろたへ=之呂多倍)。我が(あが=安我)。持てれ(もてれ=毛弖礼)[「<持てあれ>の約」]。我が背子(わがせこ=和我世故)。
2020-1017-man3750
万葉短歌3750 天地の3487
天地の 底ひのうらに 我がごとく
君に恋ふらむ 人はさねあらじ 狭野弟上娘子
3487 万葉短歌3750 ShuH286 2020-1017-man3750
□あめつちの そこひのうらに あがごとく
きみにこふらむ ひとはさねあらじ
〇狭野弟上娘子は(さのの おとかみの をとめ)=第3723番歌参照。
【編者注】中臣宅守・・・六十三首(3723~3785)の第28首、贈答歌群48首(3731~3778)の第20首。女。
【訓注】天地(あめつち=安米都知)[<あめつち>訓の出現は62か所、<天地>以外の原文表記は、ここのほか、0814阿米都知、2089乾坤、3287乾坤、など僅か]。底ひ(そこひ=曽許比)[「底の方、そこの底」。集中、ここだけ]。我が(あが=安我)。さね(左祢)[「真実、実際の意の副詞」。09-1794核不所忘(さねわすらえず)、14-3391左祢見延奈久尓(さねみえなくに)]。
【原文】15-3750 安米都知乃 曽許比能宇良尓 安我其等久 伎美尓故布良牟 比等波左祢安良自 狭野弟上娘子