万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌3638 これやこの3380

2020年06月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌3638 これやこの3380

これやこの 名に負ふ鳴門の 渦潮に
玉藻刈るとふ 海人娘子ども  〇

3380     万葉短歌3638 ShuH119 2020-0630-man3638

□これやこの なにおふなるとの うづしほに
  たまもかるとふ あまをとめども
〇田辺秋庭(たなべの あきには)=「伝未詳。渡来系の人で、外交関係にかかわることの多かった田辺氏の一族か。」
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第61首。男。「過大島鳴門而経再宿(さいしゅく)之後追作歌二首」の第1首、左注に、「右一首田辺秋庭(たなべの あきには)」。
【訓注】これやこの(巨礼也己能)。鳴門(なると=奈流門)。うづしほ(宇頭之保)。海人娘子ども(あまをとめども=安麻乎等女杼毛)。


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万葉短歌3637 草枕3379

2020年06月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌3637 草枕3379

草枕 旅行く人を 伊波比島
幾代経るまで 斎ひきにけむ  〇

3379     万葉短歌3637 ShuH108 2020-0629-man3637

□くさまくら たびゆくひとを いはひしま
  いくよふるまで いはひきにけむ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第60首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第8首。
【訓注】伊波比島(いはひしま=伊波比之麻)[前歌参照]。


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万葉短歌3636 家人は3378

2020年06月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌3636 家人は3378

家人は 帰り早来と 伊波比島
斎ひ待つらむ 旅行く我れを  〇

3378     万葉短歌3636 ShuH108 2020-0628-man3636

□いへびとは かへりはやこと いはひしま
  いはひまつらむ たびゆくわれを
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第59首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第7首。
【訓注】伊波比島(いはひしま=伊波比之麻)[下記注]。我れ(われ=和礼)。
【依拠本注-伊波比島】(要旨)山口県熊家郡上関〔(くまげぐん かみのせき)町〕の祝島(いわいしま)ではなく、同所付近大畠(おおばたけ)の瀬戸の一部をなす大島(屋代島。前出)の鳴門の辺り、大島の先端か前島なる小島ではないか。


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万葉短歌3635 妹が家道3377

2020年06月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌3635 妹が家道3377

妹が家道 近くありせば 見れど飽かぬ
麻里布の浦を 見せましものを  〇

3377     万葉短歌3635 ShuH108 2020-0627-man3635

□いもがいへぢ ちかくありせば みれどあかぬ
  まりふのうらを みせましものを
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第58首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第6首。
【訓注】麻里布の浦(まりふのうら=麻理布能宇良)[3630、3632参照]。


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万葉短歌3634 筑紫道の3376

2020年06月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌3634 筑紫道の3376

筑紫道の 可太の大島 しましくも
見ねば恋しき 妹を置きて来ぬ  〇

3376     万葉短歌3634 ShuH108 2020-0626-man3634

□つくしぢの かだのおほしま しましくも
  みねばこひしき いもをおきてきぬ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第57首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第5首。
【訓注】筑紫道(つくしぢ)[「筑紫(九州)へ行く道中の」]。可太の大島(かだのおほしま=可太能於保之麻)[3631番歌注参照]。しましくも(思末志久母)[集中12か所出現]。


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万葉短歌3633 安波島の3375

2020年06月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌3633 安波島の3375

安波島の 逢はじと思ふ 妹にあれや
安寐も寝ずて 我が恋ひわたる  〇

3375     万葉短歌3633 ShuH108 2020-0625-man3633

□あはしまの あはじとおもふ いもにあれや
  やすいもねずて あがこひわたる
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第56首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第4首。
【訓注】安波島(あはしま=安波思麻)[3631参照]。安寐(やすい=夜須伊)。我が恋(あがこひ=安我故非)。


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万葉短歌3632 大船に3374

2020年06月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌3632 大船に3374

大船に かし振り立てて 浜清き
麻里布の浦に 宿りかせまし  〇

3374     万葉短歌3632 ShuH108 2020-0624-man3632

□おほぶねに かしふりたてて はまぎよき
  まりふのうらに やどりかせまし
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第55首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第3首。
【訓注】大船(おほぶね)。かし(可之)[「船をつなぐために水中に立てる棒杭」]。浜清き(はまぎよき=波麻芸欲伎)[「<芸>は濁音仮名。<~ぎよし>と連濁するのは集中この例のみ」]。麻里布(まりふ)[3630参照]。


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万葉短歌3631 いつしかも3373

2020年06月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌3631 いつしかも3373

いつしかも 見むと思ひし 安波島を
外にや恋ひむ 行くよしをなみ  〇

3373     万葉短歌3631 ShuH108 2020-0623-man3631

□いつしかも みむとおもひし あはしまを
  よそにやこひむ ゆくよしをなみ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第54首。男。「周防国玖河郡麻里布浦行之時作歌八首」の第2首。
【訓注】いつしかも(伊都之可母)。安波島(あはしま=安波之麻)[「当時<大島>と称した山口県大島郡屋代島〔(やしろじま。現:大島郡周防大島(すおうおおしま)町)〕のそのオホシマをアハ(ム)シマ(逢は島)と呼びなしたものと見られる」]。


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万葉短歌3630 真楫貫き3372

2020年06月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌3630 真楫貫き3372

真楫貫き 船し行かずは 見れど飽かぬ
麻里布の浦に 宿りせましを  〇

3372     万葉短歌3630 ShuH108 2020-0622-man3630

□まかぢぬき ふねしゆかずは みれどあかぬ
  まりふのうらに やどりせましを
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第53首。男。「周防国(すはのくにの)玖河郡(くがのこほりの)麻里布浦行之時作歌八首」、その第1首。
【訓注】真楫貫き(まかぢぬき=真可治奴伎)[下記注]。麻里布の浦(まりふのうら=麻里布能宇良)[「山口県岩国市の北部、室の木町の海岸付近」]。宿りせましを(やどりせましを=也杼里世麻之乎)[宿り(名)+せ(<す>の未然形)+まし(反仮想の推量助詞)+を(ここでは第2句の係結び助詞)]。周防国(すはのくに)[「山口県東南部・・・記紀に<周芳(スハ)>とある」]。
【編者注-まかぢ】集中に18か所出現。直前には3627(長歌)真可治之自奴伎(まかぢしじぬき)、その前に3611麻可治之自奴伎(~)。ただし、08-1453(長歌)二梶繁貫(~)については、対応保留。


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万葉短歌3629 秋去らば3371

2020年06月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌3629 秋去らば3371

秋去らば 我が船泊てむ 忘れ貝
寄せ来て置けれ 沖つ白波  〇

3371     万葉短歌3629 ShuH099 2020-0621-man3629

□あきさらば わがふねはてむ わすれがひ
  よせきておけれ おきつしらなみ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第52首。男。「属物発思歌一首 幷短歌」の、「反歌二首」の第2首。
【訓注】秋去らば(あきさらば=安伎左良婆)。我が船(わがふね=和我布祢)。忘れ貝(わすれがひ=和須礼我比)[2795注参照]。置けれ(おけれ=於家礼)[下記注]。
【編者注-れ】上の「拾へれど」、この「置けれ」の「れ」。「完了の助動詞<り>の已然形・命令形。」(『詳説古語辞典』)


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万葉短歌3628 玉の浦の3370

2020年06月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌3628 玉の浦の3370

玉の浦の 沖つ白玉 拾へども
またぞ置きつる 見る人をなみ  〇

3370     万葉短歌3628 ShuH098 2020-0620-man3628

□たまのうらの おきつしらたま ひりへども
  またぞおきつる みるひとをなみ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第51首。男。3627番長歌「属物発思(しょくぶつはっしの)歌一首 幷(あはせて)短歌」の「反歌二首」、その第1首。
【訓注】玉の浦(たまのうら=多麻能宇良)[「岡山県倉敷市玉島あたり」。長歌にも同用字]。なみ(奈美)[〈無み〉=〈なし〉]。


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万葉短歌3626 鶴が鳴き3369

2020年06月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3626 鶴が鳴き3369

鶴が鳴き 葦辺をさして 飛び渡る
あなたづたづし ひとりさ寝れば  〇

3369     万葉短歌3626 ShuH091 2020-0619-man3626

□たづがなき あしへをさして とびわたる
  あなたづたづし ひとりさぬれば
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第49首。男。3625番長歌「古挽歌(こばんか)一首」の「反歌一首」。左注に、「右丹比大夫(たぢひのまへつきみ)悽愴(かなしぶる)亡妻歌」(下記注)。
【訓注】鶴(たづ=多都)。葦辺(あしへ=安之敝)。たづたづし(多頭多頭志)[「拠り所がなく不安な気持を表わす形容詞」。04-0575痛多豆多頭思(あなたづたづし)、04-0709路多豆多頭四(]みちたづたづし)、など]。
【編者注-左注】依拠本の、「…存在しなかったと見る方が自然・・・」注記にしたがい、作者未詳の扱いとする。


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万葉短歌3624 我れのみや3368

2020年06月18日 | 万葉短歌

2020-0618-man3624
万葉短歌3624 我れのみや3368

我れのみや 夜船は漕ぐと 思へれば
沖辺の方に 楫の音すなり  〇

3368     万葉短歌3624 ShuH088 2020-0618-man3624

□われのみや よふねはこぐと おもへれば
  おきへのかたに かぢのおとすなり
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第47首。男。「従長門浦舶出之夜仰観月光作歌三首」の第3首。
【訓注】我れ(われ=和礼)。夜船(よふね=欲布祢)[集中3か所。10-2015夜船滂動(よふねこぐなる)、-2020夜船滂而(よふねをこぎて)]。楫の音(かぢのおと=可治能於等)。


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万葉短歌3623 山の端に3367

2020年06月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3623 山の端に3367

山の端に 月傾けば 漁りする
海人の灯火 沖になづさふ  〇

3367     万葉短歌3623 ShuH088 2020-0617-man3623

□やまのはに つきかたぶけば いざりする
  あまのともしび おきになづさふ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第46首。男。「従長門浦舶出之夜仰観月光作歌三首」の第2首。
【訓注】山の端(やまのは=山乃波)。月傾けば(つきかたぶけば=月可多夫気婆)[下記注]。沖になづさふ(おきになづさふ=於伎尓奈都佐布)[集中2か所。15-3625(長歌)於伎尓奈都佐布]。
【編者注-つきかたぶきぬ(月傾きぬ)】この形式の表現は、集中に以下7か所。01-0048月西渡(つきかたぶきぬ)、10-2298月斜焉(~)、11-2667月傾(~)、11-2820出来月之 傾二手荷(いでくるつきの かたぶくまでに)、15-3623月可多夫気婆(つきかたぶけば)、17-3955月加多夫伎奴(~)、20-4311月可多夫伎奴(~)。


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万葉短歌3622 月読の3366

2020年06月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌3622 月読の3366

月読の 光を清み 夕なぎに
水手の声呼び 浦み漕ぐかも  〇

3366     万葉短歌3622 ShuH088 2020-0616-man3622

□つくよみの ひかりをきよみ ゆふなぎに
  かこのこゑよび うらみこぐかも
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第45首。男。「従長門浦舶出之夜仰観月光作歌三首」の第1首。
【訓注】月読の(つくよみの=月余美乃)[「つくよみ」は集中8か所に出現。04-0670月読之、-0671月読之、06-0985月読壮子(つくよみをとこ)、など]。夕なぎ(ゆふなぎ=由布奈芸)。水手(かこ=加古)。


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