万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌0960 隼人の0870

2013年04月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌0960 隼人の0870

隼人の 瀬戸の巌も 鮎走る
吉野の滝に なほ及かずけり  大伴旅人

0870     万葉短歌0960 ShuC362 2013-0430-man0960

はやひとの せとのいはほも あゆはしる
  よしののたきに はのしかずけり
大伴旅人(おほともの たびと)=題詞原文には、「帥大伴卿」(そち おほともの まへつきみ)。第316歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「帥大伴卿、遥かに吉野の離宮(とつみや)を思(しの)ひて作る歌一首」。
【訓注】隼人(はやひと)。瀬戸(せと=湍門)。巌(いはほ=磐)。鮎(あゆ=年魚)。吉野(よしの=芳野)。なほ及かずけり(なほしかずけり=尚不及家里)。


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万葉短歌0959 行き帰り0869

2013年04月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌0959 行き帰り0869

行き帰り 常に我が見し 香椎潟
明日ゆ後には 見むよしもなし  宇努男人

0869     万葉短歌0959 ShuC358 2013-0429-man0959

ゆきかへり つねにわがみし かしひがた
  あすゆのちには みむよしもなし
宇努男人(うのの をひと)=題詞原文には「豊前守宇努首男人」(とよのみちのくちの かみ うのの おびと をひと)。
【編者注】題詞原文は、「豊前守宇努首男人歌一首」。
【訓注】行き帰り(ゆきかへり=徃還)。香椎(かしひ)。明日ゆ(あすゆ=従明日)。


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万葉短歌0958 時つ風0868

2013年04月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌0958 時つ風0868

時つ風 吹くべくなりぬ 香椎潟
潮干の浦に 玉藻刈りてな  小野老

0868     万葉短歌0958 ShuC358 2013-0428-man0958

ときつかぜ ふくべくなりぬ かしひがた
  しほひのうらに たまもかりてな
小野老(をのの おゆ)=題詞原文には、「大弐小野老朝臣」。小野大夫。第328歌参照。
【編者注】題詞原文は、「大弐小野老朝臣歌一首」。
【訓注】時つ風(ときつかぜ=時風)。香椎(かしひ)。潮干の浦(しほひのうら=潮干汭)。


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万葉短歌0957 いざ子ども0867

2013年04月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌0957 いざ子ども0867

いざ子ども 香椎の潟に 白栲の
袖さへ濡れて 朝菜摘みてむ  大伴旅人

0867     万葉短歌0957 ShuC358 2013-0427-man0957

いざこども かしひのかたに しろたへの
  そでさへぬれて あさなつみてむ
大伴旅人(おほともの たびと)=題詞原文には、「帥大伴卿」。第316歌参照。
【編者注】題詞原文は、「帥大伴卿歌一首」。
【訓注】いざ子ども(いざこども=去来児等)。香椎(かしひ)。白栲(しろたへ)。袖さへ(そでさへ=袖左倍)。濡れて(ぬれて=所沾而)。摘み(つみ=採)。


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万葉短歌0956 やすみしし0866

2013年04月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌0956 やすみしし0866

やすみしし 我が大君の 食す国は
大和もここも 同じとぞ思ふ  大伴旅人

0866     万葉短歌0956 ShuC356 2013-0426-man0956

やすみしし わがおほきみの をすくには
  やまともここも おなじとぞおもふ
大伴旅人(おほともの たびと)=題詞原文には、「帥大伴卿」。第316歌参照。
【編者注】題詞原文は、「帥大伴卿和歌一首」。
【訓注】やすみしし(八隅知之)。我が大君(わがおほきみ=吾大王)。食す国(をすくに=御食国)。大和もここも(やまともここも=日本毛此間毛)。同じとぞ思ふ(おなじとぞおもふ=同登曽念)。


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万葉短歌0955 さす竹の0865

2013年04月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌0955 さす竹の0865

さす竹の 大宮人の 家と住む
佐保の山をば 思ふやも君  石川足人

0865     万葉短歌0955 ShuC355 2013-0425-man0955

さすたけの おほみやひとの いへとすむ
  さほのやまをば おもふやもきみ
石川足人(いしかはの たるひと)=原文には「石河朝臣足人」。「神亀元年(724)、従五位上。その後大宰少弐に任ぜられ、同五年に遷任されて都へ去った。」 なお第549歌参照。
【編者注】題詞原文は、「大宰少弐石河朝臣足人作歌一首」。
【訓注】さす竹(さすたけ=刺竹)。大宮人(おほみやひと)。佐保の山(さほのやま=佐保能山)。思ふやも(おもふやも=思哉毛)。


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万葉短歌0954 朝は0864

2013年04月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌0954 朝は0864

朝は 海辺にあさりし 夕されば
大和へ越ゆる 雁し羨しも  膳部王

0864     万葉短歌0954 ShuC354 2013-0424-man0954

あしたは うみへにあさりし ゆふされば
  やまとへこゆる かりしともしも
膳部王(かしはでの おほきみ)=「底本には<膳王>とあるが、3-442題詞既出の<膳部王>と同じ。長屋王の子。長子らしい。母は草壁皇子の娘、吉備内親王(きびの ひめみこ)。神亀元年(724)従四位下。同六年二月自尽。」この一首だけ。
【編者注】題詞原文は、「膳王歌一首」。左注に、作歌之年不審と。
【訓注】朝は(あしたは=朝波)。海辺(うみへ)。あさり(安左里)。夕されば(ゆふされば=暮去者)。大和へ越ゆる(やまとへこゆる=倭部越)。雁(かり=鴈)。羨し(ともし=乏)。


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万葉短歌0953 さを鹿の0863

2013年04月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌0953 さを鹿の0863

さを鹿の 鳴くなる山を 越え行かむ
日だにや君が はた逢はずあらむ  車持千年

0863     万葉短歌0953 ShuC350 2013-0423-man0953

さをしかの なくなるやまを こえゆかむ
  ひだにやきみが はたあはずあらむ
車持千年(くるまもちの ちとせ)=第953歌左注には「車持朝臣千年」。第914歌参照。なお第950歌【編者注-作者】参照。
【編者注】「五年戊辰(つちのえたつ)[神亀五年(728)]に、難波(なには)の宮に幸(いでま)す四首」の第四首。
【訓注】さを鹿(さをしか=竿牡鹿)。日(ひ)。君が(きみが=君)。はた(当)。逢はず(あはず=不相)。


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万葉短歌0952 韓衣0862

2013年04月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌0952 韓衣0862

韓衣 着奈良の里の 夫松に
玉をし付けむ よき人もがも  車持千年

0862     万葉短歌0952 ShuC350 2013-0422-man0952

からごろも きならのさとの つままつに
  たまをしつけむ よきひともがも
車持千年(くるまもちの ちとせ)=第953歌左注には「車持朝臣千年」。第914歌参照。なお第950歌【編者注-作者】参照。
【編者注】「五年戊辰(つちのえたつ)[神亀五年(728)]に、難波(なには)の宮に幸(いでま)す四首」の第三首。
【訓注】韓衣(からごろも)。着奈良の里(きならのさと=服楢乃里)。夫松(つままつ=嬬待)。玉(たま)。よき人(よきひと=好人)。


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万葉短歌0951 見わたせば0861

2013年04月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌0951 見わたせば0861

見わたせば 近きものから 岩隠り
かがよふ玉を 取らずはやまじ  笠金村

0861     万葉短歌0951 ShuC350 2013-0421-man0951

みわたせば ちかきものから いはがくり
  かがよふたまを とらずはやまじ
笠金村(かさの かなむら)=第953歌左注には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。なお第950歌【編者注-作者】参照。
【編者注】「五年戊辰(つちのえたつ)[神亀五年(728)]に、難波(なには)の宮に幸(いでま)す四首」の第二首。
【訓注】見わたせば(みわたせば=見渡者)。かがよふ玉を(かがよふたまを=加我欲布珠乎)。


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万葉短歌0950 大君の0860

2013年04月20日 | 万葉短歌

2013-0420-man0950
万葉短歌0950 大君の0860

大君の 境ひたまふと 山守据ゑ
守るといふ山に 入らずはやまじ  笠金村

0860     万葉短歌0950 ShuC350 2013-0420-man0950

おほきみの さかひたまふと やまもりすゑ
  もるといふやまに いらずはやまじ
笠金村(かさの かなむら)=第953歌左注には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。なお下記【編者注-作者】参照。
【編者注】題詞読下しは、「五年戊辰(つちのえたつ)[神亀五年(728)]に、難波(なには)の宮に幸(いでま)す四首」。その第一首。
【訓注】大君の(おほきみの=大王乃)。境ひ(さかひ=界)。据ゑ(すえ=居)。
【編者注-作者】四首の作者名はない。ただし第953歌左注に、笠金村か車持千年か、とある。ここでは依拠本に従い、前2歌(男歌)を笠金村、後2歌(女歌)を車持千年、とする。


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万葉短歌0949 梅柳0859

2013年04月19日 | 万葉短歌

2013-0419-man0949
万葉短歌0949 梅柳0859

梅柳 過ぐらく惜しみ 佐保の内に
遊びしことを 宮もとどろに  ○

0859     万葉短歌0949 ShuC344 2013-0419-man0949

うめやなぎ すぐらくをしみ さほのうちに
  あそびしことを みやもとどろに
=不詳。
【編者注】題詞読下しは、「四年丁卯(ひのとう)[神亀(じんき)四年(727)]の正月に、諸王(おほきみたち)・諸臣子等(おみのこたち)に勅(みことのり)して、授刀寮(じゅたうれう)に散禁(さんきん)せしむる時に作る歌一首 并せて短歌」。長歌(第948歌)への「反歌一首」。左注に詳しい作歌事情。
【訓注】梅柳(うめやなぎ)。佐保の内(さほのうち=佐保乃内)。遊びしこと(あそびしこと=遊事)。とどろ(動々)。


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万葉短歌0947 須磨の海女の0858

2013年04月18日 | 万葉短歌

2013-0418-man0947
万葉短歌0947 須磨の海女の0858

須磨の海女の 塩焼き衣の なれなばか
一日も君を 忘れて思はむ  山部赤人

0858     万葉短歌0947 ShuC339 2013-0418-man0947

すまのあまの しほやききぬの なれなばか
  ひとひもきみを わすれておもはむ
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「敏馬(みぬま)の浦を過ぐる時に、山部宿祢赤人が作る歌一首 并せて短歌」。長歌(第946歌)への「反歌一首」。
【訓注】須磨の海女(すまのあま=為間乃海人)。衣(きぬ=衣)。なれなばか(奈礼名者香)。一日(ひとひ=一日)。君(きみ=君)。忘れて思はむ(わすれておもはむ=忘而将念)。


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万葉短歌0945 風吹けば0857

2013年04月17日 | 万葉短歌

2013-0417-man0945
万葉短歌0945 風吹けば0857

風吹けば 波か立たむと さもらひに
都太の細江に 浦隠り居り  山部赤人

0857     万葉短歌0945 ShuC332 2013-0417-man0945

かぜふけば なみかたたむと さもらひに
  つだのほそえに うらごもりをり
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】長歌(第942歌)への「反歌三首」の第三首。
【訓注】風吹けば(かぜふけば=風吹者)。波(なみ=浪)。さもらひ(伺候)。都太(つだ=都太)。


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万葉短歌0944 島隠り0856

2013年04月16日 | 万葉短歌

2013-0416-man0944
万葉短歌0944 島隠り0856

島隠り 我が漕ぎ来れば 羨しかも
大和へ上る ま熊野の船  山部赤人

0856     万葉短歌0944 ShuC332 2013-0416-man0944

しまがくり わがこぎくれば ともしかも
  やまとへのぼる まくまののふね
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】長歌(第942歌)への「反歌三首」の第二首。
【訓注】島隠り(しまがくり=島隠)。我が漕ぎ(わがこぎ=吾榜)。羨しかも(ともしかも=乏毳)。大和へ上る(やまとへのぼる=倭辺上)。ま熊野(まくまの=真熊野)。船(ふね=船)。[参考(現代音)]毳=せい、cui4。毛=もう、mao2。


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