2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
【2010年11月01日開設から】3,070日(2019年03月30日)。
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2019-0330-man3128
万葉短歌3128 我妹子を2940
我妹子を 夢に見え来と 大和道の
渡り瀬ごとに 手向けぞ我がする ○
2940 万葉短歌3128 ShuF716 2019-0330-man3128
□わぎもこを いめにみえこと やまとぢの
わたりぜごとに たむけぞわがする
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】羈旅発思(3127-3179、53首)の第2首。男。3130 に左注。
【訓注】夢に見え来と(いめにみえこと=夢見来)。大和道の(やまとぢの=倭路)。渡り瀬(わたりぜ=渡瀬)。
【2010年11月01日開設から】3,070日(2019年03月30日)。
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*** 万葉集 巻12 羈旅発思の部(3127-3179、53首) 始 ***
2019-0329-man3127
万葉短歌3127 度会の2939
度会の 大川の辺の 若久木
我が久ならば 妹恋ひむかも ○
2939 万葉短歌3127 ShuF715 2019-0329-man3127
□わたらひの おほかはのへの わかひさぎ
わがひさならば いもこひむかも
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】羈旅発思(3127-3179、53首)の第1首。男。3130 に左注。
【訓注】度会の大川(わたらひの おほかは=度会 大川)[三重県伊勢市の宮川か五十鈴川]。若久木(わかひさぎ=若歴木)[「<久木>は水辺に多いきささげか」]。
2019-0328-man3126
万葉短歌3126 巻向の2938
巻向の 穴師の山に 雲居つつ
雨は降れども 濡れつつぞ来し ○
2938 万葉短歌3126 ShuF713 2019-0328-man3126
□まきむくの あなしのやまに くもゐつつ
あめはふれども ぬれつつぞこし
○=出典未詳
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第26首。男。左注に「右二首」。
【訓注】巻向の穴師の山(まきむくの あなしのやま=纒向之 病足乃山)[奈良県桜井市穴師(三輪山北)]。濡れつつぞ来し(ぬれつつぞこし=所沾乍焉来)。
*** 万葉集 巻12 問答歌の部(3101-3126、26首) 終 ***
2019-0327-man3125
万葉短歌3125 ひさかたの2937
ひさかたの 雨の降る日を 我が門に
蓑笠着ずて 来る人や誰れ ○
2937 万葉短歌3125 ShuF713 2019-0327-man3125
□ひさかたの あめのふるひを わがかどに
みのかさきずて けるひとやたれ
○=出典未詳
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第25首。女。
【訓注】ひさかたの(久堅乃)。雨の降る日(あめのふるひ=雨零日)。蓑笠着ずて(みのかさきずて=■笠不蒙而)[■:(冠)艹(脚)衣。『漢典』にない]。来る人(けるひと=来有人)[下記注]。
【編者注-来る(ける)】03-0382(長歌)来煎(けり)、-0383来有(けり)、06-1028来流(ける)、-1034来流、10-2111来有。
2019-0326-man3124
万葉短歌3124 雨も降る2936
雨も降る 夜も更けにけり 今さらに
君去なめやも 紐解き設けな ○
2936 万葉短歌3124 ShuF711 2019-0326-man3124
□あめもふる よもふけにけり いまさらに
きみいなめやも ひもときまけな
○=出典未詳
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第24首。女。左注に「右二首」。
【訓注】夜も更けにけり(よもふけにけり=夜毛更深利)。今さらに(いまさらに=今更)。君去なめやも(きみいなめやも=君将行哉)。設けな(まけな=設名)[08-1518紐解設奈(ひもときまけな)]。
2019-0325-man3123
万葉短歌3123 ただひとり2935
ただひとり 寝れど寝かねて 白栲の
袖を笠に着 濡れつつぞ来し ○
2935 万葉短歌3123 ShuF711 2019-0325-man3123
□ただひとり ぬれどねかねて しろたへの
そでをかさにき ぬれつつぞこし
○=出典未詳
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第23首。男。
【訓注】ただひとり(直独)。寝れど寝かねて(ぬれどねかねて=宿杼宿不得而)。白栲の(しろたへの=白細)。濡れつつぞ来し(ぬれつつぞこし=沾乍曽来)。
2019-0324-man3122
万葉短歌3122 心なき2934
心なき 雨にもあるか 人目守り
乏しき妹に 今日だに逢はむを ○
2934 万葉短歌3122 ShuF709 2019-0324-man3122
□こころなき あめにもあるか ひとめもり
ともしきいもに けふだにあはむを
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第22首。男。左注に「右二首」。
【訓注】心なき(こころなき=無心)。人目守り(ひとめもり=人目守)。乏しき妹(ともしきいも=乏妹)。
2019-0323-man3121
万葉短歌3121 我が背子が2933
我が背子が 使を待つと 笠も着ず
出でつつぞ見し 雨の降らくに ○
2933 万葉短歌3121 ShuF709 2019-0323-man3121
□わがせこが つかひをまつと かさもきず
いでつつぞみし あめのふらくに
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第21首。女。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾勢子)。雨の降らくに(あめのふらくに=雨零尓)。
2019-0322-man3120
万葉短歌3120 今さらに2932
今さらに 寝めや我が背子 新夜の
一夜もおちず 夢に見えこそ ○
2932 万葉短歌3120 ShuF706 2019-0322-man3120
□いまさらに ねめやわがせこ あらたよの
ひとよもおちず いめにみえこそ
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第20首。女。左注に「右二首」。
【訓注】今さらに(いまさらに=今更)。我が(わが=我)。新夜(あらたよ=荒田夜)。一夜もおちず(ひとよもおちず=全夜毛不落)。夢に見えこそ(いめにみえこそ=夢所見欲)。
2019-0321-man3119
万葉短歌3119 明日よりは2931
明日よりは 恋ひつつ行かむ 今夜だに
早く宵より 紐解け我妹 ○
2931 万葉短歌3119 ShuF706 2019-0321-man3119
□あすよりは こひつつゆかむ こよひだに
はやくよひより ひもとけわぎも
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第19首。男。
【訓注】今夜だに(こよひだに=今夕弾)。早く宵より(はやくよひより=速初夜従)。
2019-0320-man3118
万葉短歌3118 門立てて2930
門立てて 戸は閉したれど 盗人の
穿りし穴より 入りて見えけむ ○
2930 万葉短歌3118 ShuF705 2019-0320-man3118
□かどたてて とはさしたれど ぬすびとの
ほりしあなより いりてみえけむ
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第18首。女。左注に「右二首」。
【訓注】戸は閉したれど(とはさしたれど=戸者雖闔)[前歌参照]。盗人(ぬすびと)。穿りし穴(ほりしあな=穿穴)。
2019-0319-man3117
万葉短歌3117 門立てて2929
門立てて 戸も閉してあるを いづくゆか
妹が入り来て 夢に見えつる ○
2929 万葉短歌3117 ShuF704 2019-0319-man3117
□かどたてて ともさしてあるを いづくゆか
いもがいりきて いめにみえつる
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第17首。男。
【訓注】閉して(さして=閇而)[下記注]。いづくゆか(何処従鹿)。
【編者注-閉・閇・闔】いずれも同義、「閉じる、閉める」。集中での用字は、「閉」なし、「閇」多数、「闔」1例。現代中国音は、閉 bi4・閇 bi4・闔 he2。(『漢典』)
2019-0318-man3116
万葉短歌3116 我がゆゑに2928
我がゆゑに いたくなわびそ 後つひに
逢はじと言ひし こともあらなくに ○
2928 万葉短歌3116 ShuF703 2019-0318-man3116
□わがゆゑに いたくなわびそ のちつひに
あはじといひし こともあらなくに
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第16首。女。左注に「右二首」。
【原文】12- 3116 我故尓 痛勿和備曽 後遂 不相登要之 言毛不有尓 作者未詳
2019-0317-man3115
万葉短歌3115 息の緒に2927
息の緒に 我が息づきし 妹すらを
人妻なりと 聞けば悲しも ○
2927 万葉短歌3115 ShuF703 2019-0317-man3115
□いきのをに あがいきづきし いもすらを
ひとづまなりと きけばかなしも
○=出典未詳。
【編者注】問答歌(3101-3126、26首)の第15首。男。
【原文】12- 3115 気緒尓 言気築之 妹尚乎 人妻有跡 聞者悲毛 作者未詳