2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
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2015-1230-man1977
万葉短歌1977 聞きつやと1810
聞きつやと 君が問はせる ほととぎす
しののに濡れて こゆ鳴き渡る ○
1810 万葉短歌1977 ShuE393 2015-1230-man1977
□ききつやと きみがとはせる ほととぎす
しののにぬれて こゆなきわたる
○=未詳。
【編者注】「問答(もんだふ)」の答歌(男歌)。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第41首。
【編者注-しののにぬれて】雨・霧にびっしょり濡れて。集中2か所、既出併照、10-1831。
【原文】10-1977 聞津八跡 君之問世流 霍公鳥 小竹野尓所沾而 従此鳴綿類
2015-1229-man1976
万葉短歌1976 卯の花の1809
卯の花の 咲き散る岡ゆ ほととぎす
鳴きてさ渡る 君は聞きつや ○
1809 万葉短歌1976 ShuE393 2015-1229-man1976
□うのはなの さきちるをかゆ ほととぎす
なきてさわたる きみはききつや
○=未詳。
【編者注】題詞は、「問答(もんだふ)」、その問歌(男歌)。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第40首。
【訓注】卯の花(うのはな=宇能花)。咲き散る岡ゆ(さきちるをかゆ=咲落岳従)。ほととぎす(霍公鳥)。さ渡る(さわたる=沙渡)。君は聞きつや(きみはききつや=公者聞津八)。
2015-1228-man1975
万葉短歌1975 時ならず1808
時ならず 玉をぞ貫ける 卯の花の
五月を待たば 久しくあるべみ ○
1808 万葉短歌1975 ShuE390 2015-1228-man1975
□ときならず たまをぞぬける うのはなの
さつきをまたば ひさしくあるべみ
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第10首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第39首。
【訓注】時ならず(ときならず=不時)。貫ける(ぬける=連有)。卯の花(うのはな=宇能花)。五月(さつき=五月)。久しくあるべみ(ひさしくあるべみ=可久有)。
2015-1227-man1974
万葉短歌1974 春日野の1807
春日野の 藤は散りにて 何をかも
み狩の人の 折りてかざさむ ○
1807 万葉短歌1974 ShuE390 2015-1227-man1974
□かすがのの ふぢはちりにて なにをかも
みかりのひとの をりてかざさむ
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第9首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第38首。
【訓注】春日野(かすがの=春日野)[奈良市春日大社辺]。み狩のひと(みかりのひと=御狩人)[五月五日薬狩の官人]。
2015-1226-man1973
万葉短歌1973 我妹子に1806
我妹子に 楝の花は 散り過ぎず
今咲けるごと ありこせぬかも ○
1806 万葉短歌1973 ShuE390 2015-1226-man1973
□わぎもこに あふちのはなは ちりすぎず
いまさけるごと ありこせぬかも
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第8首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第37首。
【訓注】我妹子(わぎもこ=我妹子)。楝の花(あふちのはな=相市乃花)[下記注]。
【編者注-あふち】あふち(楝)は栴檀。対応原文の出現個所は、05-0798阿布知乃波那、10-1973相市乃花、17-3910安布知、-3913安不知。
2015-1225-man1972
万葉短歌1972 野辺見れば1805
野辺見れば なでしこの花 咲きにけり
我が待つ秋は 近づくらしも ○
1805 万葉短歌1972 ShuE390 2015-1225-man1972
□のへみれば なでしこのはな さきにけり
あがまつあきは ちかづくらしも
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第7首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第36首。
【訓注】野辺(のへ=野辺)。なでしこの花(なでしこのはな=瞿麦之花)。我が待つ秋(あがまつあき=吾待秋)。
2015-1224-man1971
万葉短歌1971 雨間あけて1804
雨間あけて 国見もせむを 故郷の
花橘は 散りにけむかも ○
1804 万葉短歌1971 ShuE390 2015-1224-man1971
□あままあけて くにみもせむを ふるさとの
はなたちばなは ちりにけむかも
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第6首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第35首。
【訓注】雨間(あまま=雨間)。故郷(ふるさと=故郷)。
2015-1223-man1970
万葉短歌1970 見わたせば1803
見わたせば 向ひの野辺の なでしこの
散らまく惜しも 雨な降りそね ○
1803 万葉短歌1970 ShuE386 2015-1223-man1970
□みわたせば むかひののへの なでしこの
ちらまくをしも あめなふりそね
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第5首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第34首。
【訓注】なでしこ(石竹)。
2015-1222-man1969
万葉短歌1969 我がやどの1802
我がやどの 花橘は 散りにけり
悔しき時に 逢へる君かも ○
1802 万葉短歌1969 ShuE386 2015-1222-man1969
□わがやどの はなたちばなは ちりにけり
くやしきときに あへるきみかも
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第4首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第33首。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋前)。散りにけり(ちりにけり=落尓家里)。悔しき時(くやしきとき=悔時)[下記注]。
【編者注-くちをし・くやし】「くちをし」と「くやし」の違い。<「くちをし」は、人や物事の事情で自分の望ましい事態が達せられない時。不本意なうらめしさがある。「くやし」は自分に原因・理由がある時。反省したり、ああすればよかったと後悔する内省がある。>(三省堂『詳説古語辞典』)
2015-1221-man1968
万葉短歌1968 ほととぎす1801
ほととぎす 来鳴き響もす 橘の
花散る庭を 見む人や誰れ ○
1801 万葉短歌1968 ShuE386 2015-1221-man1968
□ほととぎす きなきとよもす たちばなの
はなちるにはを みむひとやたれ
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第3首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第32首。
【訓注】ほととぎす(霍公鳥)。響もす(とよもす=響)。誰れ(たれ=孰)。
2015-1220-man1967
万葉短歌1967 かぐはしき1800
かぐはしき 花橘を 玉に貫き
贈らむ妹は みつれてもあるか ○
1800 万葉短歌1967 ShuE386 2015-1220-man1967
□かぐはしき はなたちばなを たまにぬき
おくらむいもは みつれてもあるか
○=未詳。
【編者注】「詠花」(1966~1975)の第2首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第31首。
【訓注】かぐはしき(香細寸)。みつれてもあるか(三社而毛有香)[04-0719三礼二見津礼]。
2015-1219-man1966
万葉短歌1966 風に散る1799
風に散る 花橘を 袖に受けて
君がみ跡と 偲ひつるかも ○
1799 万葉短歌1966 ShuE386 2015-1219-man1966
□かぜにちる はなたちばなを そでにうけて
きみがみあとと しのひつるかも
○=未詳。
【編者注】題詞は「詠花」(1966~1975)、その第1首。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第30首。
【訓注】君がみ跡と(きみがみあとと=為君御跡)。偲ひつるかも(しのひつるかも=思鶴鴨)。
2015-1218-man1965
万葉短歌1965 思ふ子が1798
思ふ子が 衣摺らむに にほひこそ
島の榛原 秋立たずとも ○
1798 万葉短歌1965 ShuE385 2015-1218-man1965
□おもふこが ころもすらむに にほひこそ
しまのはりはら あきたたずとも
○=未詳。
【編者注】題詞は「詠榛」。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第29首。
【訓注】衣(ころも=衣)。にほひこそ(尓保比与)[<「にほふ」は赤い色が照り映える意だが、ここは葉が色づく意。>(依拠本) 01-0057仁保布榛原]。島(しま=島)[奈良県高市郡明日香村島庄(しましょう)?]。
2015-1217-man1964
万葉短歌1964 黙もあらむ1797
黙もあらむ 時も鳴かなむ ひぐらしの
物思ふ時に 鳴きつつもとな ○
1797 万葉短歌1964 ShuE384 2015-1217-man1964
□もだもあらむ ときもなかなむ ひぐらしの
ものもふときに なきつつもとな
○=未詳。
【編者注】題詞は「詠蝉」。「夏雑歌(10-1937~1978、四十二首)」の第28首。
【訓注】黙も(もだも=黙然毛)[下記注]。ひぐらし(日晩)[下記注]。物思ふ(ものもふ=物念)。もとな(本名)。
【編者注-もだ】対応原文はいずれも「黙然」で、出現は、03-0350、04-0453(長歌)、07-1258、10-1964、-2293、12-2899、13-3304。
【編者注-ひぐらし】対応原文の出現は、08-1479日晩、10-1964日晩、-1982日倉足、-2157日晩之、-2231日晩、15-3589比具良之、-3620比具良之、-3655日具良之、17-3951日晩。